ジャッキー・チェンがTOKYO SATURDAY NIGHTに舞台挨拶11回で日本最多記録を達成!
2025年09月01日 18時00分更新
昭和50年男こと、スピーディー末岡です。私と年齢が近い人なら必ず通った道、それがジャッキー・チェンです。まだ東京ドームがなかった頃、プロ野球中継が雨で中止になると、だいたいジャッキー映画が放映され、次の日は教室が酔っ払いだらけになっていました(酔拳に影響されて)。後年、ジャッキー本人が「酔っ払って人に暴力をふるうなんて最低だ!」と言ってて、ズッコケましたが。
当時のジャッキーは男子にとっては憧れのヒーロー、女子にとってはイケメンのアイドルだったのです。筆者と年齢が近い人は今でもこう見えているでしょう。
そんなジャッキーが最新作「ベスト・キッド:レジェンズ」のプロモーションで来日しました。なんと11回の舞台挨拶を引っさげて。小学生の頃に見ていたアクションヒーローが、71歳になった今でも現役で活動しているのも驚きですが、サービス精神がまったく変わっていないのも驚きでした。
最後の11回目の舞台挨拶にメディアとして参加したので、ジャッキーファン歴40年以上の筆者が、会場の熱気とファンサの神であるジャッキーの様子をそのままレポートします。ベスト・キッド:レジェンズの紹介は最後に。
最新作「ベスト・キッド:レジェンズ」にまつわる
「奇蹟(ミラクル)」な秘話
ジャッキーは公開初日の29日と翌日30日の2日間で、11回もの舞台挨拶を実施し、ハリウッドの映画俳優として日本最多記録を達成しました。この記録達成を、ファンとともに祝う形でイベントは進行しました。ジャッキーは日本のファンに「ヒサシブリネ!」と日本語で挨拶。そして「全員古い友人ですよね。みんな私の映画を見て大人になったでしょう」と親愛を込めて呼びかけ、長年にわたる感謝を伝えました。最近はスイス、イタリア、ロンドン、北京、マカオ、香港、セルビア、カザフスタンなど、多忙な日々を送っていたようです。
今回の映画「ベスト・キッド:レジェンズ」について、ジャッキーは映画ができ上がるまでの過程が「まさにミラクル」だったと語りました。若い頃は自身もアクション映画が大好きで、オリジナル版「ベスト・キッド」も香港で公開時にすぐに映画館へ見に行ったそうです。
当時、この映画のオファーが自分に来なかったことを回顧しつつ、その後、ウィル・スミスからリメイク版の話が来たときは「あまりいいニュースじゃない」と感じたことを明かしました。「ボクはもうキッズじゃないけど?」とウィル・スミスに言うと「いや、キッズは俺の息子だよ。アナタはマスター役!」と言われて自分が大人になったことを実感したとか。ちなみに、このときのジャッキーの年齢は50を超えていました。そのリメイク版「ベスト・キッド」は2010年に公開され、大成功を収めています。
リメイク版の続編の構想はすぐに持ち上がったものの、良い脚本が見つからず、10年以上の月日が流れます。その後、リメイク版の主人公だったウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミスがジャッキーよりも背が高くなってしまったため、企画は一度中止が検討されましたが、しばらくしてソニー・ピクチャーズから新たな主役の子供が見つかったと連絡が入りました。その子はアクション経験がなかったため、ジャッキー・スタントチームを4ヵ月間派遣し、ノンストップでトレーニングをしたという裏話も披露されました。
ジャッキーは、この厳しいトレーニングを乗り越えた若手俳優が、将来自分の努力に感謝する日が来るだろうと語り、自身もまた常に自分の努力に感謝していると述べました。
64年間のキャリアとファンへの感謝
ジャッキーは、今年で「この世界に入って64年目」(1962年に映画デビュー)であり、自身を「まさにミラクル」と表現しました。白黒映画からカラー映画までさまざまな作品に出演し、子役からスタントマン、そしてステップアップを重ねて今日まで活動してこられたことについても触れられました。無名時代にはブルース・リーの映画でスタントマンをしていたこともあります。
彼のキャリアを支えてきた最大の原動力は、「全世界に私のファンがいるからです。日本のファンも含めて皆さんのおかげで僕が今日まで歩んでこられたわけです」と、ファンへの深い感謝の気持ちを力強く語りました。
映画監督としての哲学と社会的責任
SNSで日本のファンから寄せられた質問に答えるコーナーでは、「ご自身にとってのレジェンド的な存在はいますか?」という問いに対し、チャールズ・チャップリン、黒澤 明、ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマンなど、多くの先人や監督の名前を挙げ、彼らから大きな影響を受けてきたことを明かしました。ジャッキー映画はブルース・リーをはじめとするカンフー映画を源流としていると思われがちですが、実はチャップリンやバスター・キートンがバックボーンにあります。映画によっては“まんま”な演出もあるので、探してみるのも楽しみのひとつです。
自身が監督を務める作品については「残虐なシーンはないアクション、下ネタがないコメディ」を心がけていることを強調しました。その目的は「全世界の子供たちが見ても大丈夫だという映画を作りたい」という思いがあるからです。映画を撮り終えたらまず自分の子供に見せるとし「自分の子供にも見せられるんだったらもう大丈夫」と述べました。
映画は社会に対する責任があり、いじめや不正義といった問題を描きつつも、「愛、平和、団結、そして環境保護」といったテーマを大切にしていると、彼の映画製作にかける哲学を語りました。昔は残虐なシーンも下ネタもありましたが、確かに最近の作品では見かけません。
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