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【無料】動画生成AI「Wan2.2」の使い方 ComfyUI設定、簡単インストール方法まとめ

2025年09月08日 17時00分更新

 中国のテクノロジー大手アリババは2025年7月28日、動画生成AIモデル「Wan2.2」をオープンソース公開した。Apache 2.0ライセンスで商用利用も可能で、前バージョンと比較して動画品質や複雑なモーション表現が大幅に向上しているという。だが最大の特徴は、一般的なGPU環境でもローカルで高品質な動画生成を実行できる点だ。

 同モデルは、リリース初日からノードベースの生成ツール「ComfyUI」でネイティブサポートされ、すぐに試せる環境が整っている。ユーザーコミュニティでは、RTX 4070や3060で「実際に動画が作れた」という報告が続々と上がっており「手元のPCでプロ級の動画生成ができるのか」が大きな注目を集めている。

 本記事では、RTX 4070(12GB VRAM)での実際の動作検証を軸に、Wan2.2を試す際の入り口となるComfyUI「公式ワークフロー」と、より簡単に導入できる「EasyWan22」の利用法を紹介する。

CPU Core i7-13700F(2.1GHz) 16コア24スレッド
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 4070 12GB
メモリー 48GB DDR4 3200MHz
SSD 2000GB(M.2)

 なお、ASCII.jpでは新清士氏による「無料の動画生成AI「Wan2.2」が凄すぎる PCローカルでこの品質が出せるとは」や「動画生成AI『Wan2.2』の進化が凄い アリババが無料AIモデルの牽引者に」という詳細記事も公開されている。本記事は、ローカル環境での動画生成を初めて試すユーザー向けの入門レポートとして執筆しているため、Wan2.2の派生モデルや動き制御など最新機能の詳細に関心がある読者は、そちらもあわせて参照してほしい。

ローカル実行とクラウド実行

 Wan2.2を試す方法は大きく二つある。ひとつは自分のPCで環境を構築して動かす「ローカル実行」、もうひとつはAlibaba Cloudが提供する「クラウドAPI」を利用する方法だ。本記事ではローカル実行を中心に解説するが、クラウドAPIなら高解像度や長尺の動画も安定して生成できる。ただし利用は有料で、例えば480pで1秒あたり約0.015米ドル、1080pでは0.10米ドルといった秒課金が発生する。

 ローカル実行にも複数の入り口があるが、本記事では代表的な二つを取り上げる。ひとつはComfyUIに標準で用意されている「公式ワークフロー」、もうひとつは有志が配布しているオールインワン環境「EasyWan22」だ。すでにComfyUIを導入済み(単独インストールやStability Matrix経由を含む)の人は公式ワークフローから、これから初めて触る人はEasyWan22から始めるとスムーズだ。

 なお、Stability Matrixの導入については過去記事「これは便利!「Stable Diffusion」が超簡単に始められる「Stability Matrix」」に詳しい。

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