GeForce RTX 50 SUPERシリーズの発表はなし
GeForce RTX 40シリーズでSmooth Motionが解禁!G-Assistは軽量化 NVIDIAのgamescom 2025発表まとめ
2025年08月19日 12時30分更新

2025年8月19日、NVIDIAはドイツで開催している巨大ゲームイベント「gamescom 2025」に連動して、いくつかの発表を行った。残念ながら我々が期待していた「SUPER」付きGeForceの発表はなかったが、既存のGeForceユーザーには見逃せないアップデートが近日到来すると明らかになった。
なお、本稿は事前にプレス向けに共有された情報をベースに、情報解禁30分前に公開されたNVIDIA公式YouTubeチャンネルの動画「GeForce ON Community Update」でもたらされた映像などを加えたもので構成している。
RTX 40シリーズでもドライバーレベルのフレーム生成機能を追加
GeForce RTX 40シリーズと同50シリーズのユーザーがゲームでフレーム生成技術を使いたい場合、ゲームが「DLSS FG(Frame Generation:DLSS 3に含まれる)」か「FSR 3(AMD FidelityFX SUPER Resolution 3)」に対応している必要がある。そして、どちらにも対応していないゲームに対しては、あきらめるかサードパーティーのツール(「Lossless Frame」のこと)を別途準備する必要があった。
その一方で、RadeonにはゲームがFSR 3に対応していなくてもドライバーレベルでフレームを生成する「AFMF(AMD Fluid Motion Frames Technology)」がある。つまり、ゲームでフレーム生成ができるか(フレームレートを底上げできるか)否かという観点においては、Radeonのほうが圧倒的有利「だった」のだ。DLSS FGやFSR 3に対応しないゲームもまだたくさんことを考えると、AFMFの登場はとんでもないインパクトを与えた。
そんなRadeonが一方的アドバンテージを得ている状況を変えたGeForceの新機能が「Smooth Motion」である。これはGeForce版のAFMFというべき機能なのだが、これまではRTX 50シリーズでしか使えないという制約があった。ところが、今週投入するベータ版のドライバー(とNVIDIAは動画で言っているが、実際はNVIDIA Appではないだろうか?)より、RTX 40シリーズにおいてもSmooth Motionが解放される。正式版は2025年8月25日の週にリリースされるとのことだ。
ただし、この手の技術をアピールする際はいつも具体的なデータを出しているNVIDIAが、今回は一切出していないという点が気になる。RTX 50シリーズに比べ、Smooth Motionの効果が出ないから伏せたというメタ読みもできるのだが、それは後日検証で明らかにしていきたい。
Smooth Motionの対応GPU拡大に合わせ、NVIDIA Appの機能も強化される。まずはDLSS 4の設定方法の簡略化に注目だ。DLSS 4にはDLSS MFG(Multi Frame Generation:マルチフレーム生成)があるほか、Transformerを利用して画質や性能を強化したDLSS SR(Super Resolution:超解像)やDLSS RR(Ray Reconstruction:レイ再構成)があるが、従来はこれを1つ1つNVIDIA App上で「ゲームごとに」設定する必要があった。
しかし、近日公開されるNVIDIA Appではインターフェースが改善され、グローバルで一括設定できるようになる。DLSS 4のうち、DLSS SRとDLSS RRはRTX 50シリーズ以外でも利用できるため、この変更はすべてのRTXユーザーに対するQOL向上と言えるだろう。
NVIDIAの動画より引用。Graphics設定のGlobalタブにおいて、DLSS FG・DLSS SR・DLSS RRそれぞれに対して「Latest」を設定することで、DLSS 4の学習モデルが使われることになる。筆者の記憶だと、NVIDIA Appは翻訳の単語チョイスに残念な部分が多々あり、Latestが「最新ニュース」と表示される大変雑なローカライズだったが、このバージョンではどうなるのか楽しみだ
NVIDIA Appで設定できるパフォーマンスオーバーレイに、「DLSSオーバーライドの状況」をひと目で確認できる機能も追加される。中央の文字は本来画面右上に出るインジケーターを拡大表示したもの。「OVR」はオーバーライド中という意味だが、例えば「SR OVR Preset K, Quality」はDLSS SRがPreset Kでオーバーライドされ、クオリティーモードで処理していることを示している。また、「Preset K」はDLSS 4で追加されたTransformer ベースの学習モデルを使った処理のことだ(このPresetという概念がユーザーに優しくない、という点も早々に是正をお願いしたい)
そのほかに、これまでNVIDIAコントロールパネルのみで設定できたSurround(複数のディスプレーを単一の大きな解像度のディスプレーとして運用できる設定)と、異方性フィルタリングやMSAAなどのドライバーレベルの設定をNVIDIA App上でもできるようになる。
現在のGeForceドライバーはUIの古臭い(失礼)NVIDIAコントロールパネルと、今風のNVIDIA Appの2つで設定しているが、単一かつ動作の軽いRadeon Softwareと比較するとエレガントさに欠ける。ここからは筆者の妄想だが、NVIDIAはなんらかの理由でNVIDIAコントロールパネルを切れずにいたが、今後はNVIDIA Appに統合しようとしているのではないだろうか……?
ただし、NVIDIA Appはゲームごとの設定画面が縦方向に長すぎて使い勝手が悪いため、今後はもっと使いやすさも改善していただきたいところだ。この点に関しては、ライバルのRadeon SoftwareやArc Controlを見習うべきだろう。
NVIDIAコントロールパネルにのみ存在していた設定(緑枠内)も、今後登場するNVIDIA Appで設定できるようになる。もっとも、これらの設定はイマドキのゲームで変更する意味あるか不明なので、特別大きなメリットはないと思う(○○というゲームではこの設定が必要なんだ、という例があるかもしれないが……)
ちなみに、GeForceドライバーはNVIDIAアカウントが必要だからダメ、という批判は情報をアップデートできていない証拠だ。すでにNVIDIA Appはユーザー登録を必要としていない(特典コードの引き換えには登録が必要)。
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