“モノづくり”の赤い糸がつなぐ日本とフランス
きらびやかな大阪・関西万博のフランス館、その裏でひっそりとJAPANNEXTが支えているのはご存じでしょうか
2025年08月23日 10時00分更新
サロンとバックヤードで活躍するJAPANNEXT製品
中庭には樹齢1000年を超えるオリーブの木。南フランスから1万km以上も旅してきたそうな……。なんとなく健康状態が心配になりましたが、オリーブは長寿の象徴。周囲に若さをもたらす効果があるのだとか。にわかには信じがたい話ですが、とりあえず木の根をそっと触っておきました
モン・サン=ミッシェルと宮島の大鳥居をしめ縄で結んだ展示。どちらも潮の満ち引きでその景観が変わる世界遺産として、すごく有名ですよね。日本とフランスの関係、刻々と変わる社会情勢、人間の情動など、いろいろと意味深に感じられました
と、以上がフランス館の見どころダイジェストになりますが、賢明な読者諸氏は「ん?JAPANNEXT要素はどこにあったの?」と思ったことでしょう。それもそのはず。実は同社の製品は展示室ではなく、関係者しか入れないサロンやバックヤードなどで運営スタッフを支えておりました。
こちらは一般公開されていないサロン。壁にかかっている大型ディスプレーがJAPANNEXTの製品になります。同社はサイネージ利用の法人販売も積極的に行っているので、街中でもこんな感じで見かけることはあるかもしれません
まとめ:モノづくりに対する真摯な姿勢が大事
最後に、バックヤードでフランス館の音響・照明を手伝っている日本人スタッフさんとお話する機会がありました。「ずばり、最大の見どころは?」とうかがうと、ロダンの「手」とのこと。つまり、手仕事です。
日本もフランスも偉大な製品は、緻密で精細な「手仕事」から生まれました。もはや劇術の域にまで達した近代工芸がもらした恩恵は大きく、さまざまなものに影響を与えてきました。デザイン性や機能美に優れたモノは、オートメーション化が進んだ現代の工業製品からでもその息吹を感じます。
以前、JAPANNEXTの社長であるベッカー・サムエル氏はソニーのウォークマンを生み出した日本をリスペクトしていると語っておりました。ウォークマンは世界の音楽ファンの生活を一変させました。しかし、その開発背景にはモノづくりに対する真摯な姿勢があったことも想像に難くありません。
いつか「フランス人社長が起業した日本メーカー」であるJAPANNEXTからも、そのような製品が登場することを期待しております。フランス×日本のモノづくりで、新時代の絆が築けたらいいですよね。
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