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X870 vs B850! 初⼼者がASRockマザーボードの違いを探したらレベルアップして新技ファイアー‧リンク‧ブリザード‧ナイフを編み出す

2025年08月28日 11時00分更新

スペック欄の数字の羅列、どんな意味が?

パッケージ裏の製品説明を凝視して必死に間違いを探すドリブルまつなが氏

 さて、一体どちらが上位機種なのか手がかりを得るために、間違い探しを進めます。今度はパッケージの裏側を見つつ、スペックの違いを確認しているようです。

 「相変わらず、この数字の羅列は何が書いてあるのかさっぱりですね……」とぼやきながら、それぞれのスペックを比較していくドリブルまつなが氏。すると、ある部分を指さしました。

「ここの数字って、どういう意味があるんですかね?」

パッケージに表記されていた、VRMのフェーズ数を指差しました

 彼が指差したのはVRM周りのフェーズ数の表記。2機種の数字が違うことが気になった模様です。X870 LiveMixer WiFiは16+2+1、B850 LiveMixer WiFiは14+2+1と表記されており、X870のほうが2つ多くなっています。これはいい着眼点! と、ドリル北村氏もにっこり。この違い、どういったものなのでしょうか?

VRM周りの設計は、CPUの安定動作において重要な部分です

 VRMはCPU周辺にある電源回路のことで、電源ユニットから供給された電圧をCPUなどが必要とする電圧に変換する役割があります。このVRM周りの品質がいいほど、CPUの動作が安定したり、VRMの高熱化による性能低下を防げたりといったメリットがあります。

 フェーズ数は並列で配置された電源回路の数を意味し、VRMの品質を左右する要素の1つ。多いほど負荷を分散でき、安定した電圧を供給できるようになります。

 より高性能なCPUを使いたい場合は、ある程度フェーズ数の多いマザーボードを使用する方が安心できます。とはいえ、このあたりはPCを実際に使用していてもけっこうわかりにくい部分なので、この違いだけではまだ判断に迷っている様子です。

B850 LiveMixer WiFiのほうがはフェーズ数がやや少なめ。有力な手掛かりですが、実体験としてあまりピンときていないのか、まだ悩んでいるようです

冷却の要、ヒートシンクの違いは?

 パッケージを見るだけでは限界があるので、次はマザーボードを取り出してみます。すると早速気づくことが。

「あ、ここのヒートシンクの大きさ違いますね」

 ドリブルまつなが氏が指差したのは、M.2スロットのヒートシンク部分。X870 LiveMixer WiFiには、M.2スロットが全部で4基あり、その全体とチップセットヒートシンクを覆う大型のヒートシンクが搭載されています。

 一方のB850 LiveMixer WiFiは、M.2スロットが1基少なく、ヒートシンクもそれに合わせて小さめです。これは結構大きなヒントかもしれません。

なんだかんだ着眼点のいいドリブルまつなが氏、ヒートシンクの大きさの違いに着目します

ヒートシンクを外してみたりといろいろ試してみます

「あれ? ここネジなしでも取れちゃいましたよ!?」と焦るドリブルまつなが氏。ですがご安心を。そこはツールレスで外れるヒートシンクです

最近増えている、ドライバーなどを使わなくても取り外しできるM.2ヒートシンク。スロットが最新のPCIe Gen5に対応しているためか、なかなか大型です

「そういえば、CPUソケットの上側のヒートシンクも形が違いますね。ヒートシンクって結構複雑な形してるところも多いですけど、なんか意味あるんですかね?」

 と、上部のヒートシンクも指差すドリブルまつなが氏。確かに、B850 LiveMixer WiFiの上側のVRMヒートシンクには斜めの切れ込みが入っていますが、X870 LiveMixer WiFiには入っていません。

上がB850、下がX870。ヒートシンクの形が違います

 ヒートシンクは、コンデンサーやSSDなどの熱を伝導させて、効率よく放熱させるために取り付けられます。熱を発散させるためには空気に触れる部分、つまり表面積が大きいほど効率がよくなるので、大型化すると同時にヒダのような部分を作って形状を複雑にし、表面積を増やす場合が多いです。

 さすがにこの切れ込みの有無は、あくまでデザインかと思いますが、こうしたヒートシンクの大きさや形状も、マザーボードの冷却設計を計る上で1つの観点と言えるでしょう。

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