ユニークなのは、刃の固定方法。これにはスライドするだけで出し入れでき、手を離せば固定される「オートロック」と、ネジで本体に固定する「ネジロック」の2つの方法がありますが、このパワーカッターは、なんと両方に対応しています。
オートロックのメリットは、素早く刃を出し入れできる作業性の高さ。スライダーから手を離せば刃は動きませんから、ある程度力をかけても大丈夫です。また、使わないときはすぐに刃をしまえるため、怪我を未然に防げます。ただし、作業中スライダーに指が当たってしまうと、刃が動いてしまう危険が。また、強く力をかけたとき、ロックがはずれて刃が滑ってしまう可能性も否定できません。
これに対してネジロックは、刃の出し入れ時にネジを回す必要があるため、手間がかかってしまうというのが欠点。その代わり、本体にしっかり固定できるため、作業中スライダーに触れようが、強く力をかけようが、刃が動いてしまう危険は激減します。
パワーカッターはこの2つのロックを同時に使えるため、より安全に力を入れる作業ができるようになっています。
ちょっと面白いと思ったのが、このネジロックのしくみ。よくある廉価なカッターでは、本体の金属部にネジを押し付けて固定するため、強く締め上げなければ刃が動いてしまうことがあります。
しかしパワーカッターでは、金属部にある固定穴にネジの先端を挿し込む方式を採用。強く締め上げなくてもよく、ネジロックがやりやすくなっていました。
●刃が大きいぶん折るときは慎重に
切れ味が悪くなれば刃を折り、研ぐことなく切れ味を取り戻せるというのが、折る刃式カッターナイフ最大の魅力。もちろんこのパワーカッターも、刃を折ることで再び切れるようになります。
ただし、刃の幅が大きく、厚みもあるということは、折るのにも力が必要。そのため、多くの文具用カッターナイフのように、逆端のキャップに折り器がついていたりしません。
刃を折る場合は、ニッパーやプライヤーでしっかりと刃を持ち、周囲に折った刃が飛ばないよう注意しながら作業するといいでしょう。できれば、ゴーグルで目を保護したり、布や段ボールなどで覆って刃が飛んでいかないようにすると安全です。
なお、カッターナイフの刃を折るというと、床や机に押し付けて折るという方法が紹介されていることもありますが、この方法だとかなりの確率で刃が飛ぶため、避けた方が無難です。
もうひとつ切れ味を取り戻す方法が、刃を交換すること。刃が欠けてしまった場合や、最後まで刃を折って使った後は、この方法で刃を新しくします。交換方法は一般的なカッターナイフと同じで、末端のキャップを外し、スライダーを動かして後ろから引き抜くというものです。
便利なのが、この末端のキャップには、替え刃を2枚まで収納できるケースが一体化されていること。替え刃を取りに行く必要がなく、その場で入れ替えられるため、作業の中断時間が短くて済みます。
●大型のカッターナイフなら安全面にも注目したい
大型のカッターナイフを使う場面では力を入れて使うことが多く、オートロックは少々怖いです。ではネジロックが万全かというとそうでもなく、締める力が弱くて刃滑りする可能性もあるため、やはりこちらも安心できません。
結局どちらの方式がいいのか悩んでいるときに見つけたのが、この「パワーカッター」でした。
二重にロックがかけられるパワーカッターなら、ネジ締めが弱くてもオートロックで止まってくれますし、作業中にスライダーに触れてしまっても、ネジロックで動かないというのがいいところ。さらに、このネジロックは固定穴に挿し込む方式ですから、どこまでネジを強く締めればいいかわからない、という悩みもクリアできます。
とくに硬い素材の加工であれば、二重ロックは頼もしい存在です。
逆に、軽作業で使うのであれば、あえてネジロックは使わないというのもアリ。ネジロックだと毎回の固定と解除が面倒で、刃を出しっぱなしにしてしまいがち。結果、近くに置いたカッターナイフに腕を当ててしまい怪我をする、足元に落として刺さってしまう、といった事故も起こり得ます。
その点オートロックなら、スライダーを動かすだけで手早く刃の出し入れが可能。工具を持ち替えるたびに刃をしまう、といったことが徹底しやすく、事故を防げます。
効率と安全性のバランスを作業内容によって変えられる、というのもパワーカッターのいいところでしょう。
大きい素材、硬い素材の加工用に大型のカッターが欲しいと思っているなら、かなり便利に使えるのではないでしょうか。
●お気に入りポイント●
・大きなものの加工に強い、太くて分厚い刃
・オートロックだけでなくネジロックも使える
・替え刃を2枚まで内蔵できる
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