G-Master Hydro X870Aをレビュー
おいそれとマネできない機能美!Ryzen 7 9800X3D&RTX 5070 Tiのデュアル水冷ゲーミングPCを見て
2025年08月10日 10時00分更新
CPUクーラーのラジエーターは天面に配置
試用機材のCPUは「Ryzen 7 9800X3D」で、水冷クーラーは冷却性能に定評があるAsetekの「624S-M2」をベースにしたオリジナル仕様だ。ポンプ一体型のヘッドは、CPUとの接触部に熱伝導率に優れた銅製コールドプレートがあり、CPUの熱をすばやくうばい取ってくれる。
CPUから出た熱はヘッドからチューブを伝って240mmのラジエーターに移動。このラジエーターに外から風をあてることで水から熱をうばい、PCケースの外に排出していくわけだ。水冷クーラーの悩みどころは、ラジエーターをどこに配置するか、だろう。無難に考えれば、スペースを確保しやすく、大型ラジエーターを入れやすい天面は一等地と言える。
基本的に熱は上に移動するため、天面排熱は理にかなっている。G-Master Hydro X870A
でもセオリー通り、CPUの水冷クーラーのラジエーターは天面に装着している。
ラジエーターのファンは120mmモデル2基でまかなう。風量だけを考えるなら高回転モデルを使えばいいが、当然動作音も大きくなってしまう。そこで、G-Master Hydro X870A
では静音ながらしっかりとした風量を確保できるNoctuaの「NF-F12 PWM」を採用。
なお、水冷ヘッドのキャップにはRGB LEDを内蔵しており、サイコム
のロゴが発光するギミックがある。ギラギラとしたライトアップではなく、さりげないワンポイント仕様がにくい。
ビデオカードは水冷+空冷のハイブリット
ビデオカードはGeForce RTX 5070 Tiを搭載したオリジナル水冷モデル「Hydro LC Graphics GeForce RTX5070Ti 16GB」。ラジエーターは前面部分に配置している。ラジエーターのファンは通常、フィンに対して吹きつけで装着することが一般的だが、G-Master Hydro X870A
では逆だった。
これは温度の高いPCケース内の空気を使うよりも、前面から取り込んだ冷たい外気が直接ラジエーターにあたったほうがいい、という考え方なのだろう。もちろん、ラジエーターの熱を直接外部に放出できれば理想だが、そうするとファンが排気ばかりになり、それぞれが空気を引っ張り合うことになる。
結果、どのファンも窒息して風量が落ちてしまい、冷却効率が落ちることもある。それなら「前面吸気」+「天面・背面排気」というエアフローを徹底したほうがメリットが大きいわけだ。
ファンを含め、ビデオカードにもとからあった冷却ユニットはそのまま残されており、VRAMやVRMの冷却を担当。つまり、GPUは水冷クーラーで強力に冷やし、それ以外の部分の冷却は空冷を使うという、ハイブリット構成になっている。
水冷クーラーはファンの径が大きく、低回転でもしっかりGPUを冷やせる。また、既存のクーラーはGPUを冷却しなくていいぶん余裕ができ、ファンが低回転になる。つまり、どちらのファンも低回転になるため、静音化も期待できるわけだ。
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