たまに役立つセキュリティ豆知識

第81回

窃取するところまでは同じだが……

データを盗むが●●化はせず 「ノーウェアランサム」ってなに？

企業・団体のデータを盗むサイバー犯罪であることに変わりはない

「データを公開するぞ！」

Ｑ：「ノーウェアランサム」ってなに？

Ａ：ランサムウェアの一種だが、実際にはデータの暗号化を行なわず身代金だけを要求するサイバー攻撃。

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　一般的なランサムウェアは、まず対象となる企業や組織のデータを勝手に暗号化して「人質（ランサム）」とし、復号化を引き換えに身代金を要求する。しかしノーウェアランサムでは、重要データを窃取してそれを公開することに対して身代金を要求する。

　2023年9月に警察庁が発表した「令和5年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」において注意喚起されたことで認知が広まった。

　なお、ランサムウェアによる攻撃ではデータの復号化だけでなく、暗号化したデータの公開をほのめかして身代金を脅し取ろうとする「二重恐喝（ダブルエクストーション）」というものがあるが、このなかの暗号化のプロセスを省いた手口がノーウェアランサムに該当する。

　昨今はランサムウェアへの対策として、企業や組織がデータのバックアップを実施することで暗号化攻撃を無力化する傾向にあるため、暗号化プロセスを省いたノーウェアランサムが増加していると見られている。

　ノーウェアランサムへの対策は、ランサムウェアと同様にシステムに侵入されて機密データを窃取されないよう、セキュリティ診断および脆弱性診断を実施し、外部から不正アクセスを徹底的に防いでいくことが重要だ。