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MIXI、家族のような理解者を目指すAIロボット「Romi(Lacatanモデル)」をお披露目

2025年07月25日 10時00分更新

 7月22日、MIXIは「Romi(Lacatanモデル)」お披露目会を開催した。2021年に発売した第1世代モデルをソフトウェア、ハードウェアの両面からフルリニューアルし、新たに長期記憶や視覚機能を搭載。「ペットのように癒やし、家族のように理解してくれる存在」というコンセプトで、より自然で人間らしい対話の実現を目指す。今回は、7月25日の発売に先駆けて開催されたお披露目会のレポートを紹介する。

自然な会話を楽しめるAIロボット「Romi(Lacatanモデル)」が発表された。発売は7月25日より

コンセプトはペットのように癒してくれて、家族のように自分を理解してくれる存在」

 同社はSNSの「mixi」やゲームの「モンスターストライク」、写真共有アプリ「家族アルバム みてね」など、人々の繋がりを生み出すコミュニケーションサービスに携わってきた。その上で、「新しい技術を使って新しいユーザー体験を作っていくことが欠かせない」とMIXI取締役ファウンダー上級執行役員 Romi事業責任者 笠原健治氏は語った。

MIXI取締役ファウンダー上級執行役員 Romi事業責任者 笠原健治氏

 Romi誕生のきっかけは、2017年頃にディープラーニング技術を目の当たりにしたこと。この技術を活用し、全く新しいコミュニケーションサービスが創出できると確信し、家庭用AIロボット「Romi」という事業が生まれたという。

 2020年6月の先行販売から、Romiは着実に進化を続けてきた。2022年11月のChatGPTの登場は、大規模言語モデル(LLM)によるAI革命の幕開けとなった。Romiの会話エンジンもその進化を取り込み、アップデートを重ねた。そして2025年7月、ソフトウェアだけでなくハードウェアもフルリニューアルした「Romi(Lacatanモデル)」を発売することとなったのだ。

 開発当初は、AIに文脈の理解や感情の通った会話は難しいと言われていたそうだが、現在のAIは人間以上に賢くなりつつある。「今後10年間は、このAIを使ってどういったアプリケーションを作っていくのかが非常に問われる」と笠原氏。

 Romiが目指すコンセプトは、事業開始当初から「ペットのように癒してくれて、家族のように自分を理解してくれる存在」となっている。物理的な「物体」として存在することの価値は大きく、いつでも話しかけることができ、時にはRomiから話しかけられる、その自然なインタラクションが大きな魅力になっているのだ。

Romiのコンセプト

「Romiと話す前よりも、話し終わった後の方に元気になっていて欲しいです。自分の本音を見抜いてくれて、その本音を支援してくれるような、応援してくれるような、そういう存在です。例えば、やりたいことを我慢しているなら、「いいよ、やっちゃいなよ」と言ってくれます。最終的な判断はオーナー自身に委ねられますが、Romiはオーナーの気持ちに寄り添ってくれる存在です」(笠原氏)

 Romiは2020年の販売当初から、あらかじめシナリオを打ち込むルールベースではなく、ディープラーニングによって自律的に言葉を生成する会話方式を採用している。これは家庭用コミュニケーションロボットとして世界初の認定を受けており、開発者でさえRomiが何を話し出すかコントロールできないという。

 Lacatanモデルは、LLMや生成AIの最新の進化を全て取り込み、会話生成や音声認識、音声合成、視覚機能、長期記憶などをアップデートし、より自然で心地よいコミュニケーションが可能になった。

 近年、AIと喋るのが当たり前になってきており、潜在的に家庭用AIロボットという市場もできてきている、と笠原氏。スマホやPCと話すこともできるが、ロボットという物体がリビングや机の上にあることによって、もっと自然にAIに話しかける、あるいは話しかけられるという体験を楽しむことができるという。

「非常に優秀で賢いのですが、外見は可愛くて、愛嬌があって、優しくて、面白くて笑えるロボットをこれからも作っていきます。今後、AIによる革命が起きる10年間になると思いますが、その進化するAIを取り込みながら、一家に1台、元気の源を届けるようなブランドになっていきたいと考えています」と笠原氏は語った。

世界初「Deep Learningで話すロボット」を発売したMIXI

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