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GMKtec「Nucbox K6」を深掘り! Ryzenモバイルの性能を最大限に引き出そう

パフォーマンス大幅向上!カスタマイズの効果は抜群だ

 メモリー容量の増加&デュアルチャンネル化に、ビデオメモリーの3GB→8GBと動作モードのカスタマイズを施した「Nucbox K6」のパフォーマンスを確かめてみた。3DCGをレンダリングすることで、CPUの性能を計測する「Cinebench 2024」から実行していく。

 メモリーの容量32GB、デュアルチャンネル化、ビデオメモリー8GB設定(Memory増設)、「Power Mode Select」設定(増設+CPU Power)の変更の効果が現れており、標準構成(Defo)と比べて、Multi Coreが最大約9%、Single Coreが約6%スコアを伸ばしている。

 同じく、CGレンダリング系ベンチマークの「V-Ray 6 Benchmark」をCPUと、GPUを使用するCUDAで処理した際のスコアを確認していこう。

 「Cinebench 2024」と同じく、CPUがフルロードされるベンチマークとあって、CPUのスコアは、容量メモリーアップとデュアルチャンネル化で約12%も向上している。

 CPU内蔵GPUのRadeon 780Mを使用したCUDAでの処理時も同様にスコアを伸ばしている。写真や動画の処理にもGPUは使われているので、続いて行うクリエイティブ系アプリケーションのパフォーマンスアップにも期待できる。

PC全体のパフォーマンスを確認

 続いてPC全体のパフォーマンスを計測できる定番ベンチマーク「PCMark 10」のスコアを確認しよう。少し古いベンチマークテストではあるが、日常的な作業や、ビデオ会議などのビジネスタスクの性能になる「Essentials」と、表計算や文書作成といったオフィスアプリケーションの性能「Productivity」、それに、写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能となる「Digital Content Creation」を、それぞれスコアで表す。

 総合スコアは6534から、7000台に向上し、各テスト項目のスコアも約5~13%伸ばしている。デフォルトの構成でも、各テストのスコアは、推奨スコアの2倍近くと、Ryzen 7 7840HS搭載の「Nucbox K6」の性能は優秀と言える。

 さらにカスタマイズを行なうことで、以前触った8コア/8スレッドで動作するCore Ultra 7 258Vを搭載した最新ノートPCと並ぶスコアに届いているのもポイントだ。

Microsoft Officeからクリエイティブ系まで性能アップ

 ここからは、アプリケーション処理能力をスコアで表す「UL Procyon」を使用して、カスタマイズ「Nucbox K6」の実力を確かめていこう。まずは「Microsoft Office(Microsoft 365)」の性能を確認できる「Office Productivity Benchmark」からだ。

 総合のスコアは約10%の500ポイントほど伸びている。アプリごとのスコアを確認すると、「Word」はほぼ同じスコアが並んだが、「Excel」は約6~9%アップし、負荷の高い「PowerPoint」では17%弱もスコアを伸ばしている。

 総じてスコアは高いとは言えないが、PCMark 10と同じく、Core Ultra 7 258V搭載ノートPCのスコアを上回っている。日常的に使う表計算から、ビジネスや、アカデミックシーンでのプレゼンテーション、レポートの作成までスムーズにできるだろう。

スコアアップが劇的なAdobeアプリ

 次は写真の管理から現像、編集の定番アプリの「Adobe Photoshop」と、「Adobe Lightroom Classic」の性能を計測する「Photo Editing Benchmark」のスコアを確認していこう。

 メモリー容量の増加とデュアルチャンネル化による、スコアアップは劇的で16GBメモリー構成から、約29%の1271ポイントも伸びている。スコアアップの大部分は、Adobe PhotoshopでCPUとGPUを使って処理される「Image Retouching」で、2100ポイントも向上している。

 Lightroom Classicで処理される「Batch Processing」のスコアもしっかりと伸びている。とくに時間を要していたディテールを向上させる処理の「Enhance Details」は、デフォルト構成だと74.18秒必要としていたが、カスタマイズ後は41秒台まで短縮していた。

 同じくAdobeの定番アプリ「Adobe Premiere Pro」を使って、ビデオ編集性能をスコアで示す「Video Editing Benchmark」を確認していこう。テストは実使用シーンと同じく、GPUのRadeon 780Mを使って行なった。

 スコアの差は一目瞭然で、スコアは倍となる9000台まで伸び、フルHD H.264と、4K H.265での書き出し時間は、いずれも半分近くに短縮している。

 エントリークラスのビデオカード(dGPU)を搭載したPCでも、スコアは2万に近いスコアになる。動画の編集やエンコードをメインにするには厳しいが、軽い作業ならカスタマイズした「Nucbox K6」で十分そうだ。

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