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MSI「MAG 274UPDF E16M」レビュー

文句のつけようがない!4K160HzとフルHD320Hzが切り替えできる、Mini LEDバックライト搭載のゲーミングディスプレーに降参です

2025年07月26日 10時00分更新

文● 飯島範久 編集●三宅/ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

ゲーミングディスプレーに新風を吹き込む

 ゲームの世界に深く没入したり、クリエイティブな作業に集中したりする上で、ディスプレーの性能は極めて重要だ。特に、応答速度はゲームの勝敗を左右するし、暗闇や色の表現力はゲームを楽しむ上で重要な要素になってきている。さらにクリエイティブな作業においても、広色域はもちろん、応答速度の速さはスクロール時の見やすさに直結するため、そういったディスプレーを求める傾向にあるだろう。

 今回紹介するエムエスアイコンピュータージャパン(MSI)「MAG 274UPDF E16M」は、そうした要求に応えるべく開発された、色味と黒の表現、そして高速応答を兼ね備えたディスプレーである。今回は、そんなディスプレーを試用したので、使用感をお届けしたい。

MSI初のMini LEDバックライトが織りなす「真の黒」

MSI「MAG 274UPDF E16M」は27インチ4K解像度の液晶ディスプレー。実売価格は10万円前後

 まず目を引くのは、その洗練された外観だ。シンプルながらも機能美を追求したデザインは、どのようなデスク環境にも自然に溶け込むだろう。組み立ては簡単で、ツールレスで設置できるため、購入してすぐに利用できる。

背面はゲーミングディスプレーとしてはシンプルなデザインで、エンブレムはなくMSIのロゴのみ

 本製品最大の特長は、MSI初となる1152ゾーンのMini LEDバックライトを搭載している点だ。従来の液晶ディスプレーは、バックライトが一枚のパネルで光を供給するため、暗い部分でも完全に光を遮断することが難しく、黒がグレーっぽく見えてしまった。これは液晶パネルの宿命であり、OLEDに大きく負けている点だ。

 しかしMini LEDは、バックライトに小さなLEDを多数配置し、ゾーンごとに細かく制御することで、必要な部分だけを明暗をつけたり消灯させたりすることが可能となる。これにより、スペック上はコントラスト比1000:1ながら、映像によっては漆黒の闇から輝く光までの明暗を実現し、「真の黒」を表現できるようになった。ゲーム内の暗いシーンや映画の鑑賞時において、その表現力はOLEDに迫るといっても過言ではない。

黒の領域が広いときは、Mini LEDバックライトによるゾーンごとの明暗が付けられるため、通常の液晶パネルより圧倒的に黒が引き締まって見える

ゲーミングを極めるRAPID IPSとデュアルモード

 液晶パネルには、高速応答を誇るRAPID IPSパネルを採用している。応答速度は0.5ms (GTG) で、残像感を極限まで抑えたシャープな映像を実現。FPSなどの動きの速いゲームでは、敵の動きを瞬時に捉え、的確なエイムを可能にする。

 さらに、本製品は「デュアルモード」機能を搭載している点も注目だ。通常は4K解像度で最大160Hzのリフレッシュレートで動作するが、フルHD解像度に切り替えることで、最大320Hzというハイリフレッシュレートを実現する。競技性の高いeスポーツタイトルではフルHD/320Hzモードで最高の滑らかさを追求し、美しいグラフィックを堪能したいゲームでは4K/160Hzモードで高精細な映像を楽しむ、といった使い分けが可能になる。

ナビキーのスティックを操作するだけで、瞬時に4KとフルHD解像度が切り替えられる。解像度をWindows上ではなくディスプレー側で切り替えるため、それに伴いリフレッシュレートを変えられるのがデュアルモードのメリットだ

クリエイティブ作業をサポートするDisplayHDR 1000と広色域

 ゲームだけでなく、クリエイティブな作業を行なうユーザーにとっても、本製品は強い味方になる。「DisplayHDR 1000」の認定を受けているため、HDRコンテンツの制作や鑑賞において、より豊かな階調表現とリアルな光の表現が可能だ。また、量子ドット技術により色純度が高いため、色域のカバー率はsRGBとAdobeRGBが100%、DCI-P3が98%、最大発色数は約10億7300万色と広色域を実現。正確な色再現が求められる写真編集や動画編集、グラフィックデザインなどのプロフェッショナルな作業にも十分対応できるだろう。27インチで4Kは精細感が高く、作業領域も広いので、作業効率の向上にも貢献する。

量子ドット技術により、発色もよく広色域なのでクリエイティブな作業にも向いている。27インチ4K解像度なので精細感も高く写真や動画の編集作業にも向いている

 インターフェースはHDMI 2.1が2ポート、DisplayPort 1.4aが1ポート、USB Type-C (DP Alt mode対応) が1ポート、ヘッドホン出力が1ポートとシンプルな構成。電源はACアダプター接続になる。

USB Type-CはPD出力が高くないため、パソコンの充電には向いていない。

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