Gemini CLIってなに?
まず前提として、CLI(Command Line Interface)とは、マウスやタッチではなくキーボードでコマンドを打ち込んでコンピュータを操作する方式のことだ。Macなら「ターミナル」、Windowsなら「PowerShell」がこれにあたる。従来は呪文のような専用コマンドを覚える必要があったが、Gemini CLIは違う。
Gemini CLIは、このターミナルやPowerShellからGoogleの生成AI「Gemini」を直接操作できる公式ツールだ。ブラウザーを立ち上げる必要はない。普通の日本語を打ち込むだけで、最新のAIが応答してくれる。
ただし、単なるチャットツールとは一線を画す。パソコン内のファイルを読み込ませ、コマンドを実行させ、結果を分析してもらう──これがGemini CLIの真骨頂だ。
たとえば、議事録ファイルを読み込ませて「要点を箇条書きで整理して」と頼んだり、フォルダ内のコードを分析して「このシステムの構成を図解して」と指示したりできる。「昨日変更されたファイルを見つけて、変更点をまとめて」といった複雑な作業や、「この画像ファイルを全部PNGに変換して」という一括処理まで、自然な日本語で依頼できるのだ。
つまり「普通の日本語での指示」+「ローカルファイルへのアクセス」+「システムコマンドの実行」という3つの機能が組み合わさった、パーソナルAIアシスタントなのだ。
コーディング支援と思われがちだが、実際はもっと幅広い。ファイル整理、データ分析、レポート作成、画像処理──日常的なPC作業の大半をAIに任せられる環境が手に入る。
生成AIに「ちょっとしたPC操作」を頼みたい人にとって、これほど直接的なツールはないだろう。
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