6月にいきなり30度超えの日が続くとは思いもしませなんだな。こうも暑いとカメラを持って散歩するのも難儀するわけで、何本目かのペットボトルの水を飲みながら、こうも暑いと猫もいないだろうと、とある公園へ行くと、いかにも涼しそうな場所で猫がくつろいでたのだった。なんか似合いすぎ(冒頭写真)て思わずしゃがんで猫目線で撮影。
この日持っていたのは、2025年の新製品シリーズ(まだ続いてる)のひとつ、富士フイルムのデジタルミラーレスカメラ「X-E5」。
これ、ダイヤルひとつでフィルムシミュレーションを変えられるので、ここは一番渋い「クラシックネガ」で撮ってやれと思ったのだ。
このハチワレがくつろいでたのは、公園の古い水飲み場。大きさがちょうどよくて、スリバチ状で体がすっぽりハマルし、日陰なのでほどよく涼しかったのだな。
暑いから水を出してくれと言いたかったのかもしれないけど、猫を驚かせても悪いので避けないことはしない。
公園にはおなじみらしいじいさまばあさまらが3人くらいでくつろいで、昔話などをしており、猫もときどき彼らのところへ寄っていく。見知らぬ私から逃げようともしないので、手を出して見ると、無事撫でさせてくれた。
じいさまばあさま(彼女は85歳と言ってた)に、ほかの猫はいないのかいと尋ねると、さっきまでいたけど、どっかいっちゃった。その辺に隠れてるんじゃないかねという。ちょっと探してみたけどいなかったので辞去。
このあたり、数年前までは猫に何匹も出会えたものだけど、知人の猫写真仲間によると、最近はいなくなったのだという。ご時世的にしょうがあるまい、ってんでスナップ写真を撮りながら炎天下をぶらぶらしていると、かつて猫がいた駐車場が目に入る。夏の駐車場といえば車の下である。陽射しを避け、風が通っていくらか涼しい車の下に隠れてるのだ。
あまりに暑くて人通りがないのをいいことに這いつくばって車の下を探そうと思ったが、地面が熱くていけない。でも、X-E5はチルト式モニターを持ってるのだ。しゃがんで、モニターを跳ね上げてカメラ越しに覗いてみると……いるではないか。
あまりに暑くて「にゃつばて」状態。うん、暑いよね。早く日が暮れてくれないかなと思ってるよね。
さらに別の車の下にもう1匹黒猫が。
やはり夏の猫は車の下に隠れているのだった。
そして、やっとカメラの話。X-E5は上部がアルミ削り出しの高級感あるコンパクトなミラーレス一眼で、ちゃんとファインダーも搭載してるし、背面モニターも180度以上チルトするし(自撮りもできる)、ボディー内手ブレ補正も搭載してるしで、中身はちょっとした上位モデルなみ。写真をぴしっと撮るカメラなのだ。
しかも、FSレシピ機能搭載で、フィルムシミュレーションに対して自分でアレンジを加えて画作りできるのである。面白いのでちょいとやってみた。
モノクロのACROSをベースに、ちょっと青みがかったクールなモノクロ写真を撮るレシピを作ったのだ。それがこちら。普通の白黒写真よりちょっとカッコよくありません? モデルはうちの猫。
最後はいつもの「保護猫シェルターqueue」から。午後遅くに遊びにいくと、普段なら猫が昼寝から目覚めて活動し始める時間なのに、暑いせいかみんなぐでっと寝てる。そんな中、1匹だけ「誰も遊んでくれなくて退屈だ」って顔でうろうろしてるので遊んであげたのである。
ひっくり返ってる猫ってヤバいですな。
さてX-E5。これ、上面がフラットでコンパクトでなおかつファインダーを持ってるカメラはバッグへのおさまりもいいとか、小さい割に高性能だとか良い点は多いけれども、個人的には「わたしはデジタル写真機である。動画カメラでは無い」って主張してる感じがいいのだ(もちろん動画機能もあります)。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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