警察からの自動音声ガイダンス? それは詐欺の可能性大!
ASCII.jpのYouTubeチャンネル特番からスピンアウトした「思わずヒヤッと/ホッとした、ネットにまつわる怖い話」を紹介する連載第49回。
今回は「自動音声電話からニセ警察詐欺への誘導にヒヤリ」というお話をお届けします。
警察からだけど大丈夫かしら? 自動音声電話詐欺にヒヤリ
実家の固定電話に、警察を名乗る自動音声電話が掛かってきました。電話を取った母は人工音声が聞きとりづらかったため途中で切ってしまったらしく、後日私に「切っちゃったけど大丈夫かしら?」と尋ねてきたことで発覚しました。最近話題になっている、警察官を騙る詐欺だと思います。被害がなくて幸いでしたが、半ば信じている母にちょっとだけヒヤッとしました。
今回のヒヤリ案件は、特殊詐欺の手口の1つである「自動音声電話」にまつわるもの。しかもこのところ警察を騙る自動音声が多くなっているようです。
警察庁が2025年6月2日に発表した認知・検挙状況によると、2025年1月から4月までの特殊詐欺の被害額は約392億円にのぼったそうです。これは前期比で260億円増と驚きの増加っぷり。本年の被害額もさらに大きくなりそうです。しかも! この約392億円の被害のうち、警察官を騙った詐欺が約247億円を占めるというからさらなる驚きです。
ニセ警察官が絡む特殊詐欺では、「自分は警察官だ」と名乗る人物(詐欺師)から電話がかかってくることも少なくありませんが、最近では固定電話やスマートフォンにかかって来る自動音声電話によってニセ警察官へ誘導されるケースが拡大しています。
何らかの企業・団体(警察や携帯電話会社、消費者センターなど)からかかってきた電話に出てみると、「あなたの携帯電話が2時間後に停止します」といった内容の自動音声が流れ、「不明な点があれば[1]を押してください」などと言われます。
それに従ってしまうと何やらカスタマーセンター的なところにつながり、今度は人間(詐欺師です)が応対することになります。そこでは、「あなたの携帯電話が犯罪に使われている」などと吹き込まれ、「今すぐ被害届を出さないといけない」と、警察の窓口を紹介されます。
そこに満を持して登場するのがニセ警官、というわけです。今回の投稿者さんのお母さまのように、「警察から」と耳にすると詐欺への警戒レベルが下がってしまう人も少なくないので注意が必要でしょう。
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