気軽に騙されて対策も学べる良コンテンツ
「闇バイト・SNS型投資/ロマンス詐欺」の仮想体験ツールで「詐欺の被害者」になってみよう!?
2025年06月24日 09時30分更新
闇バイト、SNS型投資詐欺被害が増えている。どのようにして被害に遭うのか知っておくことで、対策ができる可能性が高まる。大阪府警察と大阪府立都島工業高等学校のコンピュータ研究部の生徒たちが開発した仮想体験ツールについてご紹介したい。
「闇バイト」「SNS型投資詐欺」「SNS型ロマンス詐欺」が体験できる
スマートフォンでQRコードを読み取り、LINEで友だち追加をすると、チャット形式で体験できる仕組みだ。「闇バイト応募トラブル体験」「SNS型投資詐欺体験」「SNS型ロマンス詐欺体験 男性とのやり取りVer/女性とのやり取りVer」が用意されている。LINEで無料利用できるので、ぜひ、ひと通り体験してみることをおすすめしたい。
開発に参加した生徒達は、大阪府警から説明を受けて詐欺の手口や事例について学び、詐欺に引っかかる流れをイメージして作成。公式LINEアカウントを作成し、Messaging APIを活用したチャットボット形式でのやり取りを中心に、ツールを開発したという。
失敗しても「どうすればよかったのか?」を再検証できる
闇バイトは、「ホワイト案件」「1案件10万円」など魅力的な募集に応募するところから体験がスタート。言われるがままに身分証明書を送り、電話番号を伝えると、具体的な仕事の連絡が届く。断ろうとすると、自宅の写真を送りつけられて脅されたり、高校や親、友人を把握していると脅されたりする一連の流れが体験できる。
SNS型投資詐欺は、儲かるという誘い文句に乗ってアンケートに回答すると、個人情報を聞かれる。儲けるための仕組みを書いたPDFが送られてきて、さらに儲けたい場合はお金を振り込むように指示される。入金すると当初は儲かり続けるが、出金できず、騙されたことに気付くという流れだ。
SNS型ロマンス詐欺は、魅力的な異性と知り合い、親しくなってやり取りが続く。あるときビデオ通話がかかってきて、甘い言葉をささやかれることに。通話後、二人の将来のためにお金を振り込んでほしいと頼まれ、入金すると連絡が途絶えるという流れを体験できるようになっている。
それぞれの詐欺の典型的な手口を知れるうえ、騙された後も、どうすれば騙されずに済んだのか、再挑戦できるようになっている。手軽に体験できるので、ぜひトライしてみてほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社α新書)、『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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