Radeon RX 9060 XTのビデオメモリー8GB版と16GB版はどっちを選ぶべき？

2025年06月24日 10時00分更新

VRAM使⽤量10GB超えのゲームタイトルを16GBモデルでプレイ

　16GBと8GBモデルを比較してみたが、AI処理以外ではさほど大きな差が見られなかった。では最近発売された傑作ゲームではどうだろうか？

　そこで、Radeon RX 9060 XT Steel Legend 16GB OCを使って6本のゲームタイトルをプレイしてみた。いずれもWQHD解像度の最高画質設定では、ビデオメモリーの使用量は10GB以上とかなりの大食いとなっている。

　1本目は、まだまだゲーミングPCの購入理由にあげる人が多い「モンスターハンターワイルズ」だ。カプコン公式ではAMD FSR 4は未対応のままだが、「AMD Software: Adrenalin Edition」で、「FidelityFX スーパー解像度4」を有効にでき、画質もしっかりと向上する。

　とくに1920×1080ドットのFullHDゲーミングは、これまでレンダリング解像度が50％になる「パフォーマンス」モードでプレイするのは、描画がかなり眠たくなるので厳しかったが、FSR 4ならネイティブ描画に近くなる。フレームレートを稼ぎながら、画質を維持できるといいこと尽くめだ。

　ここでは、そんなFSR 4:パフォーマンスモードでのフレームレートを確認した。解像度は1920×1080ドット（FullHD）と、2560×1440ドット（WQHD）の2種類。画質は「ウルトラ」、「AMD FSR 4」、「パフォーマンス」、「レイトレーシング:高」「最高(高解像度テクスチャ)」といった最高画質に設定した。

　フレームレートの計測は、フレーム生成（FG）をオン・オフした状態で行なった。計測にはCapFrameXを使用し、セクレトに騎乗してフィールド上を一定ルート移動した際としている。

　ビデオメモリーの最大使用量は、15.1GBとほぼ全域が使用されていたが問題なくプレイできた。フレームレートはGPU性能的にフレーム生成を効かせないと30fps台と厳しい結果だが、オンにすることでavgは100fps台、min（1% Low avg）も60fpsは下回るが50fps台に届いているので、十分プレイを楽しめるだろう。

　2本目のタイトルは、2006年のGame of the Yearタイトルを蘇らせた「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered」だ。

　FSR 4にも対応しているので、GPU負荷は高めだが、FSR 4 パフォーマンス、フレーム生成を活用することで、十二分にプレイを楽しめる。

　解像度は2種類で、画質は「最高」、レイトレーシングは「Lumenハードウェア:オン」、「Lumenハードウェアライティングモード:最高」、「FSR 4:パフォーマンス」「フレーム生成:オン」に設定した。フレームレートは、街中とフィールドを移動した際を計測した。

　遠方の描画など、GPU負荷が高まるフィールドでも、フレームレートは60fps以上を維持でき、avgはWQHDでも91fpsを記録している。フィールド探索から、街中でのクエストやダンジョン探索など、ロールプレイを楽しめるだろう。

激重なインディー・ジョーンズも60fpsでプレイできる

　次は、VRAM使用量が半端なく、設定次第ではゲームがまったくプレイできなくなる「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」だ。

　さすがのRX 9060 XTでもパスレイトレーシングを効かせるのは厳しいが、画質プリセットも中間の「高」ベースでも描画は十分キレイで、インディ・ジョーンズの世界観を満喫できる。

　2種類の解像度で、冒頭ジャングルを移動した際のフレームレートを、CapFrameXで計測した。また、アップスケーリングを「ネイティブTAA」と、「FSR 3:品質」に切り替えてみた。

　ネイティブ WQHDは60fpsを切っているが、FullHDなら余裕の結果に。FSR 4ではないため、画質は若干ダウンするが、FSR 3を効かせ、モードを「品質」にすることで60fpsオーバーを維持できている。バチカンなど、舞台を問わず60fpsを維持してのプレイを狙えるだろう。

　続いては傑作、名作3タイトルで試してみた。まずは「Cyberpunk 2077」からだ。画質はプリセットの「レイトレーシング:ウルトラ」を選び、フレーム生成、FSR 3バランスを効かせた。解像度はこれまでと同じ2種類で、巨大都市ナイトシティを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。

　WQHD解像度でも60fpsを余裕で超えるフレームレートになっている。移動だけでなく、戦闘シーンもスムーズにプレイできるだろう。

　2本目のタイトルは「SILENT HILL 2」だ。同タイトルを手がけたBloober Team SAは、リメイクの開発が発表された初代「SILENT HILL」の開発にも参加しているので、初代リメイクもかなり期待できるだろう。

　画質はプリセットで「最高」を選び、レイトレーシング:オン、FSR 3:バランスに設定した。解像度は2種類で、霧が一面を覆っている街中を移動した際のフレームレートを計測した。

　こちらも余裕のあるフレームレートが出せている。60fpsを維持できれば問題なくプレイできるので、アップスケーリングを「品質」に設定して、画質を向上させてプレイするのもありだろう。

　最後は、サバイバルホラーゲームの鉄板「BIOHAZARD RE:4」をプレイした。画質や画面効果などは、「最高」になるように設定している。そのため、ビデオメモリー使用量は、14.34GBと強烈だ。解像度はここまでと同じ、2種類に設定し、フレームレートは冒頭の村のなかを移動した際で計測した。

　ビデオメモリーの使用量は大きいが、アップスケーリングを使わない状態でも、60fpsを超え、移動をはじめ、クイックターンやエイムなど、実際のプレイ感もスムーズだった。

　「バイオハザード」シリーズと言えば、先日、第9作に相当する最新作「バイオハザードレクイエム」の発売が発表されている。発売は2026年2月27日とまだまだ先なので、この機会にREシリーズを含め、過去のナンバリングタイトルをプレイするのもおすすめだ。

VRAMシステム要件16GBの最新タイトルに備えるなら16GB

　バイオハザードシリーズは、設定次第では10GB以上のビデオメモリーを消費する。その最新作「バイオハザードレクイエム」（2026年2月27日発売予定）をプレイするなら、16GBモデルを選んでおくのが正解だ。ほかにも「METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER」、「SILENT HILL f」といった今後発売される話題作をプレイするなら、16GBモデルを選んでおきたい。

　いずれのタイトルもシステム要件が未発表なので、肝心のGPUパフォーマンスが足りず画質設定が制限される可能性はあるが、ビデオメモリーが不足し、プレイに支障がでるよりはいいだろう。