Radeon RX 9060 XT 16GB、コスパの一点突破でRTX 5060 Tiに勝つ

2025年06月11日 17時32分更新

ライバルをコスパで超えるという目的は達成された

　以上でRX 9060 XT 16GBのレビュー後編は終了である。RX 9060 XT 16GBの目的である「RTX 5060 Tiをコストパフォーマンスで上回る」という目標は十分に達成できたと言えるだろう。

　ゲームによってはRTX 5060 Tiが有利なものもあるし、DLSS MFGを持ち出されるとフレームレートで負けてしまうという事実はあるが、ビデオカードの予算を抑えつつ最新のAAAタイトルを高画質で楽しみたいという人にとっては、RX 9060 XT 16GBは非常にバランスのいいGPUに仕上がったといえる。

　F1 25のようにまだRadeon側の機能が未整備で性能が出ないゲームも存在はするが、割合としては非常に少ない。大多数のゲームにおいては、RX 9060 XT 16GBはRTX 5060 Tiと比肩できる性能と評価していいだろう。

RX 9060 XT 16GBはRTX 5060 Tiと比肩できる性能だ

　また、今回の検証ではRX 7800 XTのパフォーマンスがRX 9060 XT 16GBを安定して上回ることも確認できた。前編で検証したクリエイティブもしくはAI系の処理性能も重要なら、7万5000〜8000円で入手できるRX 7800 XTも依然として魅力のある製品といえる。RX 9060 XT 16GBに1.5万円の予算追加でRX 7800 XTが射程圏内に入るうちは、十分検討の余地があるだろう（ただし旧世代品ゆえ流通量は減っている）。

　だがRX 7800 XTはFSR 4に対応しない世代であり、今後登場するFSR Redstoneがフルに使えるという確証はない。今性能のいいRadeonが欲しいならRX 7800 XTでもいいが、将来性を考えるとRX 9060 XT 16GB、もしくは予算を大幅増額してRX 9070にすべきである。

　下の表は今回テストしたゲームそれぞれにおいて、RX 9070およびRTX 5060 Ti 16GB環境（どちらも今回試した中では一番強いGPU）がどの程度のVRAMを利用したかをまとめたものである。数値はすべてCapFrameXのレポートから取得している。

　すべて平均値で比較しているが、VRAMが「本当に使われた量」なのか「確保されただけの量」なのかはこれだけでは判断が付かない、という点はご了承願いたい。

各ベンチマーク中にVRAMがどの程度消費されたかをCapFrameXのレポートを基準にまとめた表
	Radeon RX 9070			GeForce RTX 5060 Ti 16GB
	1920x1080	2560x1440	3840x2160	1920x1080	2560x1440	3840x2160
Overwatch 2	5.63GB	6.09GB	7.19GB	4.62GB	5.08GB	6.27GB
Call of Duty (Black Ops 6)	12.58GB	12.64GB	12.82GB	11.96GB	12.14GB	12.29GB
Monster Hunter: Wilds Benchmark	13.50GB	13.49GB	13.66GB	13.08GB	13.03GB	13.17GB
Assassin's Creed Shadows	12.21GB	12.89GB	14.20GB	9.82GB	10.34GB	11.15GB
The Last of Us Part II Remastered	10.71GB	11.16GB	12.35GB	9.68GB	10.05GB	11.25GB
The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered	11.21GB	11.90GB	13.32GB	8.31GB	8.77GB	10.22GB
DOOM: The Dark Ages	11.10GB	11.75GB	13.50GB	9.70GB	10.37GB	12.56GB
F1 25	11.96GB	12.94GB	15.01GB	9.20GB	9.24GB	10.31GB
Grand Theft Auto V Enhanced	8.44GB	8.96GB	10.09GB	6.21GB	6.66GB	7.92GB
Clair Obscur: Expedition 33	7.85GB	8.39GB	9.18GB	6.83GB	6.97GB	8.12GB