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Core Ultra 200シリーズはバッテリー駆動時とAC電源接続時で極端な性能低下がないことをインテルがアピール

AI機能と開発ツール

 インテルはPC上でのAI体験を強化するため、ハードウェアだけでなくソフトウェアエコシステムとの連携にも注力している。Core Ultraプロセッサーは内蔵NPUを備え、AIワークロードを効率的に処理できる。

 Intel AI Assistant Builderは、ローカルでAIチャットボットやエージェントを構築するためのツールとして紹介された。現在は公開ベータ版がインテルのサイト、またはGitHubで提供されている。Meteor Lake以降のAI PCに対応し、ドラッグ&ドロップ操作で特定の用途に最適化されたLLMモデルを作成し、実行ファイルとしてパッケージングできる。

 RAG機能に加え、Model Context Protocol(MCP)をサポートしており、ローカルでAIエージェントを実行しつつ、必要に応じて外部サービスと連携する高度なワークフローを構築できる。デモでは、フライト・ホテル検索、情報要約、メール送信を連携させるエージェント機能の例が実演された。また、大量のレジュメを分析・スコアリングして候補者を選別するHRモデルのデモも披露され、何千ものレジュメを効率的に処理できる利点が示された。

 ワークステーション向けの「Arc Pro」も発表された。B50とB60の2モデルがあり、B50はデザイン・エンジニアリング向け(SFF対応)、B60はAIワークステーション向けとして位置づけられると説明。B50は16GBメモリーと170 TOPSのAI性能、B60は24GBメモリーと197 TOPSのAI性能を持つ。手頃な価格ながらパワフルなローカル推論能力を提供するという。

 デモでは、Twin MotionがB50 Proカード搭載システムで実行され、14〜17 fpsのパフォーマンスが示された。GPUルームではB60と競合製品との比較デモも披露しており、インテルの優位性が示唆された。

プラットフォーム全体の優位性

 インテルは、プロセッサー単体の性能に加え、プラットフォーム全体としての優位性も強調した。セキュリティ面では、Intel vProテクノロジーによる業界最高水準の保証 と150以上の緩和策を提供し、競合他社と比較してファームウェアの脆弱性が少ないとしている。管理性機能(アウトオブバンド管理、リモートKVM) や、Wi-Fi 6E、Thunderbolt 5、さらにWi-Fi 7といった最先端の接続性も提供される。

 メモリーサポートについても、最大256GBのDDR5 およびECCメモリーをサポートし、データインテグリティと信頼性を確保する。プロフェッショナル向けPro Codecサポートも提供される。

 バッテリー駆動時(DC電源)とAC電源接続時(AC電源)の性能差についても言及があり、競合製品で報告されているような極端な低下は見られないことがデモを通じて示された。

 LenovoシステムやSurface BookのLunar LakeシステムでのCinebench実行デモでは、電源状態による性能差が最小限であることが確認された。OEMやシステム構成による変動はあるものの、インテルのプラットフォームは電力状態にかかわらず安定した性能を提供する点をアピールした。

 また、インテルは長年にわたりソフトウェアエコシステムと緊密に連携し、アプリケーションの最適化や互換性確保に努めている点も強調していた。

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