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メディアテックが語るAI戦略、クラウドAI分野でカスタムシリコンに注力 COMPUTEX2025基調講演

 5月20日、台北で開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2025において、メディアテックは基調講演を行なった。登壇したメディアテックCEOのリック・ツァイ博士は、チップ技術が個人生活や産業に与える影響、特にAI分野における同社の広範な戦略を解説した。

メディアテックCEO リック・ツァイ博士

 ツァイ博士は、メディアテックの設立は1997年で28年の歴史があり、当初は光学ドライブやテレビ向けチップから事業を開始。技術の進化に対応し、スマートテレビ、Wi-Fi、そしてモバイル分野へと展開したとこれまでの歩みを説明。2Gから5GまでのモバイルSoC分野で主導的な地位を確立し、過去4年間はフラッグシップモバイルSoC市場でも成功を収めていると話す。

 コネクティビティ分野ではモデム、Wi-Fi、Bluetooth、GNSS、衛星通信など幅広いソリューションを提供。年間20億台以上のスマートデバイスにチップを供給し、これまでに累計200億個以上のチップを出荷したとのこと。同社の根幹にあるのは、絶え間ないイノベーションと技術リーダーシップの追求であり、その技術を通じて人々の生活を豊かにするという創業以来のミッションであるとツァイ博士は話していた。

AI革命を加速するチップを提供することでAIが賢くなる

 今回の基調講演のテーマは「AI for everyone: From the edge to the cloud」。ツァイ博士は、メディアテックがAI革命を加速するチップを提供することで、AIエージェントがユーザーを理解し、学習し、能力を向上させることを可能にすると説明。デバイスはユーザーのニーズに直感的に適応するようになるという。

 さらにエッジAI分野において、ツァイ博士は以下の製品ポートフォリオを紹介した。

 スマートフォンについて、Dimensity 9400および9400+チップは強力なNPUを備え、AIエッジコンピューティング向けに高い性能を発揮。これらのチップは、モバイル分野でGemini、Llama、DeepSeek、Qwenなど240以上のAIモデルをサポートするとのこと。コンピュテーショナルフォトグラフィーアルゴリズムやMicrosoft Phi-3 Miniのような深層推論モデルもチップに組み込まれている。

 フラッグシップSOC事業は過去4年間で出荷数が350%増加し、昨年は20億ドル以上の収益を上げていると、事業が好調であることをツァイ博士はアピールしていた。

 また、AI PCとしてChromebook向けに、Googleとの協業によりハイエンドチップを提供している。TSMCの3nmプロセスで製造され、50 TOPSのAI演算能力と最大20時間のバッテリーライフを実現する。これらのチップはプロフェッショナル用途だけでなく、教育分野での利用も期待されるとしている。

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