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NVIDIAがデータセンターを「AI工場」として再定義、将来的に数兆ドル規模に達すると予測 COMPUTEX2025基調講演

GeForceとコンシューマー向けAI

 ファン氏は、コンシューマー向けGPUであるGeForce RTX 50シリーズについても言及。RTX 5060 GPUは、デスクトップおよびノートPC向けに提供され、GeForce RTX 50シリーズはこれまでで最速のアーキテクチャーローンチとなった。

 AIはコンピューターグラフィックスに革命をもたらしており、DLSS Neural Rendering技術は、すべてのピクセルを計算するのではなく、10ピクセルのうち1つだけを計算し、残りの9つはAIが推測することで、リアルタイムのレイトレーシングを実現している。DLSS 4はすでに125以上のゲームタイトルで利用可能となり、NVIDIAのゲームテクノロジーの中で最も早く採用が進んでいる。

 PC上でのAI開発と実行を容易にするため、「TensorRT for RTX」を紹介。これにより、AIモデルの最適化プロセスを簡略化し、開発者がより簡単にアプリケーションに統合できるようになる。また、「NIMs for RTX」は、TensorRTで事前に最適化された生成AIモデルのパッケージであり、使いやすいAPIを備え、Windows(WSL経由)とLinuxの両方で動作するため、PCとクラウド間でシームレスな開発が可能となる。

 Flaxelという新しい画像生成NIMも発表された。さらに、ChatGPTを活用した「Plugin Builder」を発表し、AIアプリケーション向けのプラグイン開発をノーコードまたは最小限のコードで可能にした。

量子コンピューティングと台湾の新オフィス

 量子コンピューティング分野では、日本のABCI-Qスーパーコンピューターの性能向上にNVIDIAの技術が貢献していることを紹介した。ABCI-Qは2020基のNVIDIA H100 GPUとNVIDIA Quantum-2 InfiniBandを使用し、NVIDIA CUDA-Qプラットフォームを活用している。

 ファン氏は台湾での成長に伴い、既存オフィスでは手狭になっているため、新しいオフィスを北投士林に建設することを発表。この新しいオフィスは「Nvidia Constellation」と名付けられるとのこと。この計画を進めるには市長や台北政府の承認が必要であるものの、ファン氏はできるだけ早く建設を開始したいと話していた。

 ファン氏は、基調講演の締めくくりとして、AIとロボティクスによる新たな産業創造という「一生に一度の機会」を迎えていると述べ、AI工場、エージェント、ロボットを構築するために、台湾のパートナー企業と共にエコシステムを推進していくことを改めて強調した。

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