日産の技術の象徴「アリア」
最後は「アリア(ARIYA)」。日産自動車初のEVクロスオーバーSUVにして、現在の日産自動車を象徴する1台です。一充電航続距離が最大640km(B9モデル)ですので、快適なロングドライブが楽しめます。
「インテリアの色使いと未来的な雰囲気がいいですね。あと運転席の足元がとても広いのがうれしいです」とインテリアがお好みのよう。
走り始めて「今まで乗ったクルマの中でイチバン静かで、乗り心地も上質です」という唯さん。さらに「滑らかに走る印象を受けました。スーッと走ってスーッと止まる感じ。減速時の揺れが少ないので上質感があります」とも。これは最新の四輪制御技術「e-4ORCE(イーフォース)」によるところでしょう。
ボンネットを開けてモーターを見ながら、唯さんは「でもお高いんでしょ?」とポツリ。最も安価なアリアB6(2WD)の場合で659万100円、最も高額なアリアB9 e-4ORCE プレミア(4WD)で860万3100円です。お高いと言えばお高いです。
ですが、令和6年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」が最大で89万円。さらにエコカー減税3万8500円が受けられ、さらに自治体によっては補助金が適用される場合があり、たとえば東京都の場合は75万円ですので、最大168万8500円の優遇を受けることができます。「なんですか、それは!」と驚いたのは言うまでもありません。
電気自動車は魅力的
インフラは徐々に増えているが……
「街乗りをするなら、電気自動車の方がいいですね。静かで滑らかですし、e-Pedal動作も慣れたら便利そうだし」と電気自動車への認識をアップデートした様子。「でも、充電とか不安ですよね」と、インフラへの不安ものぞかせます。
EV充電スタンド情報サイト「GoGoEV」によると、2025年4月末現在で、日本全国には2万5904拠点の充電スポットがあり、そのうち自宅で充電できない人や移動中に必要となる急速充電機の口数は1万2563口なのだとか。「思っていたより少ないんですね。300万口くらいあるかと思っていました。普通に街中で見かけないと……」と、車両に魅力があってもインフラが気になる様子……。
これは初代リーフの頃から言われ続けていること。つまり、15年経っても人々のインフラに対する不安は解消されていないのです。クルマはこんなに進化しているのに……。
経済産業省は、令和5年10月に発行した「充電インフラ整備促進に向けた指針」を出しました。その中に2021年6月に改訂したグリーン成長戦略の中で「急速充電器3万基を含む、充電インフラ15万基設置する」との目標を掲げていることを、改めて明記しています。あと5年で急速充電器は倍に、そして約4万7000基の充電スポット数が15万基になるのでしょうか?
「日本の自動車メーカーはクルマの電動化に遅れている」という声を耳にしますが、遅れているのはクルマではなくインフラであると思ったのでした。経済産業省および政府は、今一度、インフラ整備に力を入れてほしいものです。
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