爆速なのに薄くて1570gは魅力です!!
「Ryzen AI 9 HX370」+「RTX5070Ti」で最強の14型ノートPC=「ROG Zephyrus G14」実機レビュー
2025年04月23日 10時00分更新
ノートPC用プロセッサーやグラフィックチップにはさまざまなグレードがある。ハイエンドCPUとGPUを組み合わせればそれだけパフォーマンスは高くなるが、ボディーが厚く、重くなったり、バッテリー駆動時間が短くなってしまう。要求スペックがある程度明確なのであれば、バランスを見極めることが重要だ。
14型ゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G14」は、プロセッサーに「AMD Ryzen AI 9 HX 370」、ディスクリートGPUに「NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU」を採用。
最大50TOPSのNPUを内蔵するプロセッサーと、最新ながら比較的省電力、低発熱のグラフィックチップを採用することで、高さ15.9~18.3mm、重量約1.57kgという薄型軽量ボディーを実現。GeForce RTX 5080/5090搭載機よりも価格が抑えられているのも嬉しいところだ。
価格はスペックは同じながら、プラチナホワイトが41万3820円でエクリプスグレーが45万9800円だ。
今回は本製品のバランスのよさにスポットを当てて、その魅力に迫っていこう。
NPU内蔵プロセッサーとRTX 5070 Tiを採用した
スリムなゲーミングノートPC
「ROG Zephyrus G14」はプラチナホワイトとエクリプスグレーの2色のモデルが用意されているが、スペックはまったく同じだ。
プロセッサーは「AMD Ryzen AI 9 HX 370」で12コア、24スレッド、最大5.1GHz、15~54W、ディスクリートGPUは「NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU」でVRAMはGDDR7を12GB搭載、最大110W動作だ。メモリーは32GB(LPDDR5X-8000)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。
ディスプレーは14型QWXGA+ OLEDで2880×1800ドット、120Hz、0.2ms、500ニト、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比100万:1、NVIDIA G-SYNC、Dolby Vision、DisplayHDR 500 True Blackを搭載。オーディオ機能は6スピーカーシステム(0.8W×2、1W×4)、3Dアレイマイクを装備。ウェブカメラは207万画素(顔認証対応)を内蔵している。
インターフェースは、USB4(Power Delivery、映像出力対応)×1、USB 3.2 Gen 2 Type-C(Power Delivery、映像出力対応)×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI×1、microSDXCメモリーカードスロット×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。
本体サイズは311.5×220×15.9~18.3mm、重量は約1.57kg。73Whのリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は動画再生時で約10.4時間、アイドル時で約14.1時間と謳われている(JEITA測定法3.0)。
本製品の大きな売りが、ゲーミングノートPCでありながら、最大50TOPSのNPU「AMD Ryzen AI」を内蔵した「Copilot+ PC」であるということ。「リコール機能」、「コクリエイター」、「ライブキャプション」、「Windowsスタジオエフェクト」などのAIアプリを活用でき、またNPU対応ゲームでは高速化、高効率化を期待できる点も大きなアドバンテージなのだ。

右側面にはmicroSDXCカードスロット、USB3.2 Gen2 Type-A、USB3.2 Gen2 Type-C、左側面には電源ポート、HDMI、USB4、USB3.2 Gen2 Type-A、コンボジャックを用意
ゲーム配信やeスポーツ会場で映える
「SLASH LIGHTING」
デザイン上のアクセントになっているのが天面の「SLASH LIGHTING」。これは複数の白色LEDで構成されたライティングパーツで、さまざまなアニメーションパターンによる通知アクションを設定できる。
統合ユーティリティー「Armoury Crate」から設定でき、カスタマイズも可能。バッテリー駆動時のデフォルト設定は無効になっているが、ゲーム配信時やeスポーツ会場などで積極的に活用したい装備だ。
86キー日本語キーボードのキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.7mm前後。タッチパッドの面積は実測127×79mmが確保されておりクリック感は良好だ。キーボードの打鍵感もいい。
英語キーボードとキーボードパネルを共有しているため、一部のキー同士が密着しているが、スペースには余裕があるので慣れればフルスピードで入力できるはずだ。
ゲーミングノートPCではウェブカメラはオマケのような画質の製品が多かったが、本製品には207万画素のウェブカメラを搭載する。
またRGBカメラとIRカメラが独立しており、画質がいい。室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる。ウェブカメラの素の画質がいいので、輝度、発色などは調整する必要はない。
CPU、GPU、NPUの性能が
バランスよく高いマシンだ
本製品は、プロセッサーに「AMD Ryzen AI 9 HX 370」、ディスクリートGPUに「NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU」を搭載している。
そこで今回は、
「AMD Ryzen AI 9 HX 370」搭載「GPD DUO」
「Core Ultra 9 275HX」+「GeForce RTX 5080」搭載「ROG Strix SCAR 16」
「Core Ultra 9 275HX」+「GeForce RTX 5090」搭載「AORUS MASTER 18」
と比較してみた。
まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は23420pts、CPU(Single Core)は2031、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は1238pts、CPU(Single Core)は116となった。
「Core Ultra 9 275HX」搭載機とはコア数やTDPが異なるので大きな差があるが、同じく「AMD Ryzen AI 9 HX 370」を搭載する「GPD DUO」よりも、R23では107%相当、2024では115%相当のスコアを記録している。3つの冷却ファンを搭載しているだけに、プロセッサーの性能を最大限に引き出せているわけだ。

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は23420pts、CPU(Single Core)は2031、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は1238pts、CPU(Single Core)は116
つぎに3Dグラフィックス性能だが、「3DMark」のPort Royalは10169、Time Spyは13901、Fire Strikeは31036、Wild Lifeは84581だった。
また、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは22797(非常に快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは16674(非常に快適)となった。
5070 Tiを搭載する「ROG Zephyrus G14」は、「3DMark」では5080搭載機に対して平均78%相当、5090搭載機に対して平均69%相当のスコアを記録したことになる。
とは言え、「3DMark」の推定ゲームパフォーマンスは「Battlefield V」(1440p)で140~150fps以上と判定され、ファイナルファンタジーXIV、FINAL FANTASY XVのスコアも「非常に快適」となっている。多くの3Dゲームを快適に動作させられるパフォーマンスを備えていることは間違いない。

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは22797(非常に快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは16674(非常に快適)
「Core Ultra 9 275HX」搭載機を大きく引き離すのがNPUによるAI処理性能だ。「Procyon」のAI Computer Vision Benchmarkは1788を記録しており、これは「Core Ultra 9 275HX」搭載機の453~462%相当のスコアだ。「Core Ultra 9 275HX」のNPUの処理能力は最大13TOPSと低いので、AI処理性能は「AMD Ryzen AI 9 HX 370」が圧勝だ。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「HFS001TEM9X174N」が搭載されており、「CrystalDiskMark 8」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6611MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5847MB/sとなった。ゲームやクリエイティブ系アプリを快適に動作させられる転送速度を備えている。

ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「HFS001TEM9X174N」を搭載、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6611MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5847MB/s
バッテリー駆動時間については、「Armoury Crate」でオペレーティングモードを「Windows」、電源モードを「バランス」、ディスプレー輝度を40%に設定して「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ6時間58分動作した。
5時間を大きく超えており、オフィスアプリ中心に利用するのであればモバイル用途に必要十分なスタミナ性能を備えている。
最新CPU&GPU搭載でスリム&軽量
安価に手に入れたい方にも最適
「AMD Ryzen AI 9 HX 370」と「NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU」を組み合わせた「ROG Zephyrus G14」、処理性能、携帯性、スタミナ性能のバランスが取れたゲーミングノートPCだ。
上位プロセッサー、ディスクリートGPUを搭載したマシンに比べればピークパワーは及ばないが、多くの3Dゲームを快適に動作させられるパフォーマンスを備えている。
それでいて高さ15.9~18.3mm、重量約1.57kgという薄型軽量ボディー、動画再生時で約10.4時間、アイドル時で約14.1時間というバッテリー駆動時間を実現。そしてなによりも、5080、5090搭載機より圧倒的に手頃な価格でゲットできる。
最新技術が盛り込まれたゲーミングノートPCを、できるだけ安価に手に入れたいという方に、「ROG Zephyrus G14」は最有力候補だ。
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