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ClaudeがGoogle Workspaceと連携、GmailやGoogleカレンダーの情報を使ってなにができる?

2025年04月21日 09時00分更新

Googleの各種サービスとの連携で様々なことが可能に

 4月16日、ClaudeにGoogle Workspaceとの連携機能が搭載された。ClaudeからGmailやGoogleカレンダー、Googleドキュメントにアクセスし、色々と質問することができる。ざっくりした指示でも、現時点で最高レベルの性能を持つClaude 3.7 Sonnetを使えるので、これまでにできなかったことが色々と実現するのだ。今回は、ファーストレビューを紹介する。

 まずは設定画面で「連携機能」からGoogle DriveやGoogle Calender、Gmailを連携させる。すると、Claudeのメイン画面に、各種サービスのボタンが現れるのでクリックしてみよう。

Claudeの設定画面で、Googleサービスと連携させる

GmailやGoogleカレンダーなどのボタンが現れる

 プリセットされたサンプルプロンプトの一眼が表示されるので、試しに「100歳になった自分が現在を振り返るように、カレンダーを見返してください」を実行してみる。

 すぐにGoogleカレンダーにアクセスし、分析しながら情報を収集していく。しばらくすると、アーティファクトに結果が表示される。タブ分けされ、見やすくデザインされているのがすごい。仕事や生活、資産管理などそれぞれの分析に加え、指示通り100歳からの総括が作成されていた。

 あまりカレンダーには多くの情報を登録していないのだが、それでも読んでみると納得の内容になっていた。これはちょっと驚きの体験なのではないだろうか。

 仕事しすぎだから、健康や家族も大切に、というメッセージは誰にでも出力するのかもしれないが、心に刺さった。

Googleカレンダーのボタンをクリックすると、サンプルプロンプト一覧が表示される

少し待つと、100歳からのメッセージが表示された

 さすがサンプルプロンプト、よくできている。では、自分で直接指示をしてみよう。そこまで忙しいというなら、予定のどのくらいが仕事だったのかを分析してもらう。件名はばらばらなので、まずは抽象化し、カテゴリ分けしてからカウントし、グラフ化してもらう。複雑なタスクだが、「カレンダーの3月の予定を確認し、抽象化してカテゴリ分けし、どんな予定が多かったか円グラフにしてください」と入力した。

 これだけで、修正もなく一発で、期待通りの円グラフが生成された。68%の予定が仕事だったとのことで、確かに多い。繰り返しで恐縮だが、これはちょっと驚きの体験だ。

カレンダーの予定を分析し、望む切り口でグラフ化できる

 今後1週間の外出予定を見て、それぞれの最寄り駅を教えてもらった。郊外に住んでいるので、都心の用事に出る場合は段取りを汲みたいからだ。あっけなくリストアップされ、報告してくれた。

 ただし、店の名前だけでは住所がわからないと表示されたので、今後はGoogleカレンダーにタスクを入れる際、住所欄にも入力しておこうと思う。やはり、AI活用のキモはデータの準備なのだ。

外出予定の最寄り駅や距離をまとめて教えてもらう

Google DriveはGmailとの連携は興味深い結果となった

 次は、Google Drive連携を使ってみよう。会議の録音から文字起こししたデータを保存している「議事録」フォルダにアクセスし、内容を分析してもらおう。今回は、参加者の発言回数や、ネガティブ・ポジティブ傾向について質問した。

 すると複数のGoogleドキュメントを検索し、発言回数をグラフ化し、ネガティブ・ポジティブな発言をした人もランキング化してくれた。

メニューからGoogle Drive連携をオンにする。今回は「じっくり考える」もオンにした

見事、望んだグラフが生成された

 Gmailと連携させると「この2週間に来たウイスキーに関するメールを抽出して」などと検索できる。「この10日間で、返信していない重要そうなメールを教えて」と指示したところ、確かに目当てのメールも見つけたのだが、一般的なプロモーションメールにも反応してしまっている。

 また、「今年来たすべてのメール」などと指示し、大量の処理が必要になる場合はエラーとなった。一度に処理できるメールの数がまだ少ないようだ。「送信メールをチェックして、ビジネスパーソンとして修正すべきクセがあれば指摘してください」「先月、ネットショップすべてで購入した品物のリストと合計金額を教えて」など、やりたいことがいっぱいある。せめて、1ヵ月分くらいのメールはチェックできないと実用的でないので、急ぎ拡大して欲しいところ。

ClaudeからGmailのメールにアクセスできるのは面白い

 個人的にやり取りしている取引先をふざけながらリストアップしたところ、面白い結果になった。筆者の出力を掲載することはできないが、以下のプロンプトを試してほしい。笑えるランキングになること請け合いだ。

 筆者の担当編集者については、好感度は60、リングネームは「ミスターキャンセル」、紹介文は「突如として現れては予定をキャンセルする謎の格闘家!連載会議の日程調整という名目で柳谷に接触するも、実は会議自体をキャンセルするという奇策の持ち主。相手の予定を混乱させるという特殊な戦法を駆使し、油断したところを突く奇襲攻撃の名手!」と出てきて笑ってしまった。

■プロンプト
Gmailにアクセスし、プロモーションメールやニュースレター、メールマガジンなどを除き、やりとりしている相手をリストアップしてください。そして、それぞれの相手にあだ名を付けて、好感度ランキングを作成してください。紹介文は格闘技の選手紹介のようにしてください。


 ClaudeのGoogle Workspace統合機能は、有料プランユーザーなら誰でも利用できる。もちろん、日本でもOK。ビジネスの情報が詰まったGoogleのサービスに生成AIでアクセスできるとできることの幅が一気に広まる。これが、GeminiではなくClaudeでできるのが不思議だが、GoogleはAnthropicに巨額投資しているので、これはこれでいいのかもしれない。Claudeの有料ユーザーはぜひ試して欲しい。

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