ChatGPTの記憶力が劇的に進化! 過去の全会話を学習し、自分だけのAIアシスタントになる
2025年04月14日 09時30分更新
これまでの会話を記憶しているから、より自然な会話が可能に
2025年4月11日、ChatGPTのメモリ機能が強化され、「Plus」プランと「Pro」プランで利用できるようになった。過去に行ったすべてのチャット履歴を参照できるようになり、さらにユーザーの好みや興味を理解し、よりパーソナライズされた応答が可能になる画期的なアップデートだ。
we have greatly improved memory in chatgpt--it can now reference all your past conversations!
— Sam Altman (@sama) April 10, 2025
this is a surprisingly great feature imo, and it points at something we are excited about: ai systems that get to know you over your life, and become extremely useful and personalized.
あなたの人生を理解し、パーソナライズされたAIシステムが登場した、とサム・アルトマン氏
これまでのChatGPTのメモリ機能では、ユーザーが明示的に保存したり、AIが自動的に保存した情報のみが参照されていた。しかし、今回のアップデートにより、ChatGPTは過去のすべての会話履歴から学習し、その情報を応答に活用するようになった。ユーザーが以前に話した内容、好みのトピック、関心のある分野などをChatGPTが把握し、新しい会話を始める際にも、それらの情報を踏まえた応答が行える。
例えば、「昨日話した旅行計画の件だが」といった自然な会話の継続や、「先週末に話した内容をリストして」とか「以前おすすめされた本のタイトルは何だったか」といった具体的な依頼にも対応できるようになる。
従来のChatGPTが搭載していたメモリ機能は、ユーザーのプロフィールや好み、行動パターンなどを把握する長期記憶に重点が置かれていたが、新機能では個々の会話内容もパーソナライズの対象となる点が大きな違いとなる。
まずは、「設定」画面の「パーソナライズ」から「保存されたメモリを参照する」と「チャット履歴を参照する」をオンにする。これだけで、オンにする前に会話した履歴も見に行って、その後の出力に活用してくれるのだ。
試しに、「これまでの会話をもとに、僕の人物像をキャッチーに描写してもらえる?」とプロンプトを入力してみると、なるほど全部読んでいるな、という結果が出てきた。基本的に仕事で使っているので、そのような出力となった。ちなみに、このプロンプトはOpenAIが用意しているサンプルプロンプトを日本語にしたものだ。
■プロンプト
これまでの会話をもとに、僕の人物像をキャッチーに描写してもらえる?
■出力
📚 未来を読み解く文章の錬金術師
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個人情報の観点からメモリ機能をオフにすることも可能
毎回の会話で同じ説明をする必要がなくなり、自分専用の秘書のようにChatGPTを使うことができるようになる。学習や業務において、継続的なプロジェクトや学習内容を覚えてくれるため、日々の積み重ねが無駄になることがない。例えば、自分がよく使うプロンプトを尋ねると、記憶にあるフレーズが次々と出てきた。
このメモリ機能によるユーザー体験はもちろん素晴らしいのだが、プライバシーへの配慮や情報の漏洩と観点も忘れてはいけない。過去のすべてのチャット履歴に、ChatGPTがアクセスし、回答を生成するというのは、ビジネスユーザーだとちょっと気持ち悪いかもしれない。もちろん、OpenAIは履歴は暗号化されて安全なサーバーに保管しているので安心のだが、それでもクラウドサービスであるChatGPTに機密情報や個人情報を入れるのは避けたほうがいいだろう。
前述のとおり、このメモリ機能はオンオフできるので、使い方に合わせて設定しよう。チャットの履歴から特定の内容を削除することもできるし、特定の会話で記憶を残したくない場合には、「一時(Temporary)」チャットを利用すれば、そのセッションでのやり取りは記憶されない。
今回のアップデートでは、ChatGPTが単なるAIチャットボットから、より深くユーザーを理解し、長期的な関係を築くパーソナルAIアシスタントへと進化する大きな一歩となる。日々のちょっとした会話から、複雑なアイデアの検討、継続的な学習のサポートまで、ChatGPTがユーザーの過去の経験と知識を踏まえ、より的確でパーソナライズされた支援を提供してくれるようになるだろう。
このメモリ機能は、2025年4月11日より、ChatGPT PlusおよびProユーザー向けに提供されている。一部の地域では利用できないが、日本ではすでに利用できる。ChatGPT TeamやEnterprise、Eduユーザーも数週間以内にアクセスできるようになる予定だ。
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