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次期Core UltraシリーズのPanther Lakeは今年後半に量産開始 インテル CPUロードマップ

2025年04月14日 12時00分更新

 インテルは米国時間の3月24日にIntel Vision 2025を開催、就任からわずか2週間のLip-Bu Tan新CEOのお披露目の場ともなった。

インテル新CEOのLip-Bu Tan氏。当年65歳。前職のGelsinger氏も64歳で、そういう意味ではほぼ変わらないとはいえる

 そのTan CEOによる基調講演はインテルのウェブサイトから、これに続くProduct Strategy and Updatesもインテルのウェブサイトから視聴できる。この内容をまとめて解説しよう。

新CEOのTan氏が所信表明演説
失った人材を確保するのが最優先

 まずTan氏の基調講演であるが、氏はもともと投資畑を歩んできた方であるものの、2008年にEDAベンダーのCadence Design SystemsのCEO(最初は暫定CEO、2009年1月に正式CEO)となり、以来2021年までCEOを務め、2023年まで会長も務めていた。

 余談であるが、そのCadenceでTan氏の前にCEOだったのは、元インテルのサーバー部門の重役であったMike(Michel) J. Fister氏である。Fister氏はCadenceのビジネスの多角化を図るものの失敗し、その責任を取る形で辞任していた。なんとなくGelsinger CEOの時と構図が被っている気がしなくもない。話を戻すと、Tan氏はその後Cadenceの立て直しに成功し、また2022年から2024年にはインテルの取締役会にも参加している。

 そんなTan氏の基調講演であるが、「まだ就任して2週間だが、顧客からの率直なフィードバックをいただいており、我々は多くの困難に直面しているのは明白であり、顧客の期待に十分に応えられていない」「技術面でトップクラスの人材を確保し、採用することが私の最優先事項の1つであり、これにより技術革新を推進し、成長できる。インテルは長年に渡り、こうした人材を失ってきたと思っている」「Albert YuやSean Maloney、Daddy Perlmutterといった(元インテルの重役だった)友人から半導体業界について多くを学んできたが、中には『Dipper(Tan氏の愛称)、なぜこのタイミングでCEOを引き受けたんだ?』と尋ねる人もいた」と、インテルの現状についてわりと厳しめに認識していることを率直に表明した。

 その上で「私のモットーは非常にシンプルで、『約束は控えめに、そして期待以上の成果を』(under promise and over deliver)である」「究極の目標は、最高の製品を作り、長年にわたって最高のファウンドリーとなることである。そのためにはエンジニアの力を最大限に引き出す必要がある」「なぜ(インテル)のCEOになるかと言えば、私はインテルを愛しているからだ。インテルが苦境に立たされているのを見るのはとても辛いことだし、状況を好転させる手助けができると知っていながら傍観しているわけにはいかない。もちろんこれが容易ではないことは十分に理解している」と自身の考えを表明。

「最高の製品が常に勝つ」それはそうなのだが、問題はそのBest Productsを生み出すのが難しいことだ。これまでも別にインテルは粗悪な製品を作ろうとしていたわけではない

 また、以下の言葉でインテルの立て直しのための方向性を示している。「我々はバランスシートの強化に重点的に取り組む必要がある。また効率性を徹底的に高めるとともに、インテルの有能な人材を再編成し、インテルが何をしようとしているのかという明確なビジョンを持って、新たな人材を獲得する必要がある」「インテルがは多くの人材を失ってきた。こうした人々にインテルに戻ってもらう、あるいは業界で最高の才能を持つ人材にインテルに入社してもらうことが、私の最優先事項である」

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