Hondaから国内最上位のSUV「CR-V e:FCEV」が登場しました。水素ステーションの数といった面でハードルは高いものの、「EVはいいけれど充電時間がねぇ……」という方にピッタリのCR-V e:FCEVの魅力ポイントをご紹介します。
水素と酸素が結び付くと水と電気ができるらしい
CR-V e:FCEVは、FCスタックと呼ぶ機械を用いて、水素と酸素の化学反応時に発生する電気を取り出し、その電力を使ってモーターを動かし走行する燃料電池車です。排気ガスの代わりに水が出てくるので、環境に優しいクルマと言われています。その水素を作る電気はどこから? の話は今回は置いておきましょう。
Hondaは長年にわたり燃料電池車を開発してきました。CR-V e:FCEVではFCスタックを新開発。コスト削減と効率アップを達成したとのこと。
現在、日本で販売している燃料電池車は、今回のCR-V e:FCEVのほか、トヨタの「クラウン」と「MIRAI」、ヒョンデ「ネッソ」の4車種。トヨタの2台はセダン系であるのに対し、HondaとヒョンデはSUVタイプ。もっと燃料電池車が増えればいいのですが、インフラが近くにないと、クルマがあっても動かせないわけで……。
そのインフラですが、2024年9月の段階で水素ステーションは全国に157ヵ所あるそうです。そのほとんどが首都圏に集中しており、水素ステーションがない県もあります。高速道路も、東名高速の足柄サービスエリア(下り線)しかありません。電気自動車よりも遥かにハードルが高いのが正直なところです。
ですが筆者は、燃料電池車に強く惹かれています。というのも、電気自動車と同じ静粛性でありながら、充電時間が大幅に短縮できるから。長距離移動が多い筆者としては、高速道路でたとえば約200kmごとに充電しなければならない電気自動車と比べると、1回の充填で600km近く走行できる燃料電池車は大変魅力的。青山一丁目の本田技研工業本社ビルから鈴鹿サーキットまで電気の力だけで行けるのは魅力的。
高速道路に水素ステーションが増えれば、さらに遠くまで行けるようになるわけで、はやく水素ステーションが設置してくれたら……と願わずにはいられません。
CR-V e:FCEVの利点 その1
普通充電が可能! 近くに水素ステーションがなくても安心
水素ステーションの数が圧倒的に少ない、または水素はコスパが悪い現状ですが、CR-V e:FCEVは一般家庭に引かれている電力で充電できるのがポイント。1回の充電(6.4kWh出力)は約2.5時間で完了し、約61km走行ができるとのこと。水素は1回の充填で約621km走行できます。これは東京から大阪へ行っても余る距離。
つまり「毎日の通勤や買い物などは家庭の電力で、遠出する時は水素で」というPHEV(プラグインハイブリッド)の使い方ができるというわけです。なお、高速道路などにある急速充電はできません。
CR-V e:FCEVの利点 その2
エコを意識させないデザイン
ボディーサイズは全長4805×全幅1865×全高1690mmと、Hondaの「ZR-V」を少し大きくしたサイズ。全幅1800mmを超えるので「取り回しが良い」とは言えませんが、実際に乗ると「意識するほど大きくはない」という印象です。
大きなグリルはSUVらしさを出しながらも、スッキリとした印象。サイドラインも綺麗で、都市型SUVの見本といいたくなるほど。リアもマフラーがないため、こちらもクリーンな印象を与えます。
インテリアは「シビックっぽい」がファーストインプレッション。逆に言えば、今のHondaらしいと言えます。センターコンソールが広く、なるほど車体の大きさを実感。そして気づくのはエコカーにありがちな青や緑の装飾がないこと。エコカーだから青、スポーツカーだから赤みたいなイメージにとらわれないのは、多様性の意味でもいいですね。
CR-V e:FCEVの利点 その3
SUVならではの快適な居住空間
運転席と助手席は言うに及ばず、後席は広々ゆったり。レザーの手触りもよく、USB Type-Cの充電ポートもあり、アメニティも十分。
これにEVの静粛さが相まって、実に快適。さらに乗り心地も適度な柔らかさで、さらに快適。これなら偉い人が乗っても文句はないでしょう。
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