週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

約5分で動かず、約1時間で実用強度へ!

ネジも溶接も不要?金属用接着剤「メタルロック」が強力すぎた【DIY初心者OK】

 プライヤーでつかんで引っ張るだけでは、到底剥がせそうにないので、接着面との隙間を集中的に狙ってみることに。てこの原理で無理やり力をかけることで、ようやく引きはがすことができる程度の強さがありました。

無理やり力をかけてたところ、ようやく剥がれましたが……これは強い!!

 試したL字金具の幅は約12mmと細めだったので何とかなりましたが、もっと広い面を接着した場合は、二度と剥がれないと考えた方がよさそうです。

 X(旧twitter)にセメダイン公式さんがアップしている動画を見ても、どのくらい強いかがわかりますね。自分はこの動画を見て、メタルロックを使ってみたくなったのでした。

 なお、乾いているのは材料間の接触面だけで、隙間から漏れた接着剤は、指で触ると少しべたべたしていました。完全硬化までは、もうちょっと時間がかかりそうです。

●針金のように細い金属棒もくっつく? 点付けとべったり塗りを比較

 個人的に気になってたのが、「面の接着には強いだろうけど、より細い金属棒ではどうなるのか?」という点。接着面がどうしても小さくなりますから、弱くなるというのは間違いないかと思いますが、問題は、どのくらいの強度が保てるのかです。

 接着剤の存在が気にならない点付けと、金属棒の周りを囲むほどべったり塗った2パターンを試してみましょう。使用したのは、約1.5mm径のステンレス棒と、ブリキの薄板です。

ギリギリ金属棒に隠れるほど少量を3カ所点付けしたパターン

こちらは棒の周囲にべったり塗ったパターンです

 べったり塗る時に注意したいのは、接着剤の粘度が低いため、盛り上げるのは難しいこと。一応、金属棒の上まで接着剤がついた状態ではあるのですが、かなり薄く、接着剤で全体を固めて強度を上げるというのは期待できません。

約30分後の様子。金属棒の上にも接着剤がついているのがかろうじてわかります

 先ほどと同じく2時間以上待ってから引っ張ってみましたが、点付けの方はパキッと音がして簡単に外れてしまいました。接着面が小さいというのが、明らかに影響しているのでしょう。

 これに対し、接着剤をべったり塗った方は明らかに強度が高く、なかなか剥がれません。固いステンレス棒が曲がるほどではなかったとはいえ、かなり耐えてくれました。このくらいべったり塗れば、それなりの強度で接着できるようです。

●金属や炭素繊維の接着に強いけど、耐熱温度には注意

 接着剤とはいえ、メタルロックはかなりの強度があり、金属同士の接続を簡単にできるというのが魅力です。それでいて、夏場であれば30分ほどで実用強度になるという速乾性もうれしいところ。これがあれば、金属を使った工作がより捗るようになる、というのは間違いないでしょう。

 なお、今回は金属用として紹介していますが、ステンレスアルミチタン真鍮以外に、炭素繊維(CFRP)も接着できるとのこと。強度の高い炭素繊維強化プラスチックを使いたい、というときにも、メタルロックは活躍してくれます。

 乾くと接着剤自体がかなり固くなりますが、粘度が低いため穴埋めしたり、盛って固めて削って形を整える、といった補修用には不向き。純粋に接着用、とくに広い面の接着に向いた接着剤だといえそうです。

 注意する点があるとすれば、耐熱温度はあまり高くなく、100度程度となっていることでしょうか。温度が高いと強度が落ちますので、高温となる場所での利用は避けましょう。

●お気に入りポイント●

・2液混ぜるのは手間だけど、接着力がかなり強い

・実用強度になるまでが早い

・臭いがほとんどなく使いやすい

■関連サイト

■Amazon.co.jpで購入

この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
S