第79回
約5分で動かず、約1時間で実用強度へ!
ネジも溶接も不要?金属用接着剤「メタルロック」が強力すぎた【DIY初心者OK】
2025年04月14日 18時00分更新
木材やプラスチックと比べ加工が難しく、扱いづらいのが金属。とはいえ、強度が欲しい部分には大変便利であるため、何とか気軽に扱えるようになりたいものです。
切ったり曲げたりといった加工はなんとかなりますが、金属の扱いで悩みがちなのが、どう接続するかという点でしょう。方法としては溶接やロウ付け、ネジ止め、リベット止めといったあたりが考えられます。
●溶接・ネジ・リベット……どれがベスト?
強度を考えれば「溶接」や「ロウ付け」が魅力ですが、作業に特殊な機材が必要となるため、手軽とは言えません。これに対して「ネジ止め」は、ネジとナットさえあればOK。後からのやり直しも簡単なので、組み立てだけでなく、分解も必要な部分で重宝します。部品に厚みがあるなら、タップでネジ穴を作るのもいいですよね。
もうひとつの「リベット止め」は、金属片を潰し、その圧迫で接続する方法です。作業が難しそうだと思ってしまいますが、ハンドリベッターを使った方法なら、ハンドルを握るだけでいいので簡単。ネジのように分解はできませんが、より手軽な方法として魅力的です。
ただし、ネジもリベットも下穴が必要なので、とくに小さい部品だと加工の難易度が高くなりがち。また、ネジやリベットは頭があるぶん、どうしても厚みが出てしまうというのが扱いづらく感じてしまう部分です。
●接着剤で金属ってアリ? 意外とイケちゃいます
小さな部品も接続でき、仕上がりが薄くできる方法となると、「接着剤」を使うのがベター。一般家庭に常備されている汎用の瞬間接着剤でもくっつきますから、とりあえずくっついていればいいというのであれば、これで済ませてしまうのもアリです。
とはいえ瞬間接着剤は強度がなく、力をかけたり叩いたりすると、接着部から割れてしまうことがあります。また、金属への食いつきが弱く、パカッと剥がれてしまうことも珍しくありません。フックを接着したのに、モノを掛けたら剥がれて落ちてきた……なんていう経験がある人も少なくないでしょう。
なるべく強力に接着したいのであれば、金属用の接着剤を選びましょう。
そんな金属用接着剤のうち、約5分で動かなくなり、約1時間で実用強度になるという速乾性が魅力のセメダイン「メタルロック」(実売価格 1050円)を試してみました。
●混ぜて塗るだけ! メタルロックの基本的な使い方
メタルロックは2液性の接着剤。A剤、B剤を同量出し、ヘラで均一になるまで混ぜた後、対象に塗って硬化するまで固定しておく、という使い方が基本です。A剤は"黄色がかった透明色"、B剤は"黒色"と色が異なるため、色の様子で混ぜ具合が確認できます。
別途混ぜる用のパレットを用意してもいいですが、面倒なら直接材料の上で混ぜちゃってもいいでしょう。どうせ塗りますしね。
接着剤は思っていたよりもだいぶ緩く、薄く塗り伸ばしやすいタイプです。また、嫌な臭いがしないので、家の中で作業する場合でも困りませんでした。
●気になる接着強度をテスト! ブリキとステンレスを接着
今回は、手元にあったブリキの薄板と、ステンレスのL字金具を接着してみます。
なお、気温30度の夏場だと2分以内、5度の冬場でも10分以内に硬化が始まるようなので、手早く混ぜて作業する必要があります。接着する部品が多数あり、時間がかかる場合は、何度かに分けて作業する方がいいでしょう。
固定時間は、夏場で15分以上、冬場で60分以上となっているので、この時間はクランプで固定したままにしておきます。なお、実用強度になるのが夏場で30分以上、冬場で3時間以上とあるので、よほど急いでなければ、クランプは外さないまま実用強度になるまで待った方がいいです。
作業したのは室温が20度を超える日だったので、実用強度が十分出るであろう2時間後に引っ張ってみましたが……ビックリするほど強く、剥がれません。
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