最薄部14.9mmのスリムな16インチです
最軽量の「GeForce RTX5090」搭載モバイルノートPC=「ROG Zephyrus G16」実機レビュー
2025年04月14日 00時01分更新
「ROG Zephyrus G16 GU605」はアルミニウム合金の一枚板から削り出されたCNCユニボディで強度や放熱性を保ちながら、最薄部14.9mm、重量1.95kgと薄型軽量を実現したノートPCだ。
初代Zephyrus G16は2024年登場で今回は2世代目で、インテルの最新CPU「CoreUltra 9 285H」に、こちらも最新の「GeForce RTX5080/5090」を搭載。2024年モデルではRTX4060/70/80だったので、今年から最上位GPUが選べるようになった。メインメモリーは64GB、SSDは1/2TB搭載で、価格は63万9800円と73万9800円だ。
ASUSから試用機を借りたので、実機レビューをしていこう。
「CoreUltra 9 285H」に
「RTX5090」または「RTX5080」搭載
「CoreUltra 9 285H」は、2025年1月に発表となったインテルの最新CPUだ。CoreUltra 200Hと、上位の200HXの2シリーズがあり、「CoreUltra 9 285H」は200Hの最上位モデルで、この285Hのみ45W~115W動作で、それ以外の200Hは28W~60W動作となっている。ちなみに、上位の200HXは55W~160W動作である。
「CoreUltra 9 285H」は全体でのTOPS値は99TOPSで、高速のPコア×6、省エネのEコア×8、低消費電力のLPEコア×2の合計16コアで、ハイパースレッディングが廃止されたので、最大数は16スレッドである。GPUはIntel Arc 140Tで77TOPS、NPUはIntel AI Boostで13TOPSの性能である。
「ROG Zephyrus G16」の2モデルはともに「CoreUltra 9 285H」搭載で、メインメモリーも同じ64GB(LPDDR5X-7467)を搭載する。違いはGeForceとSSD容量で上位はRTX5090、下位はRTX5080 、SSDは2TBと1TBのPCI Express 4.0 x4接続となっている。価格差はちょうど10万円だ。
RTX5090と5080のCUDAコア数は10496と7680、消費電力は95-150Wと80-150W、VRAMは24GBと16GBというのが主な違いで、性能差はAI TOPS値では1824と1334で、137対100となる。
すでに記事になっているが、RTX40シリーズからRTX50シリーズへの向上点は、AI管理プロセッサの強化によるAIモデルとグラフィックスの連携を実現し、第四世代のレイトレーシングコア、ニューラルシェーダーによる画質の向上に加え、DLSS4によるフレーム生成能力の向上、ビデオ編集機能も向上し、生成AIのための最適化や、4:2:2ビデオのデコード・エンコードが可能となっている。さらに、新MAX-Qにより省エネ性能の向上もうたわれ、最大40%のバッテリー駆動時間延長がうたわている。
ベイパーチャンバー採用で
スリムデザインを実現
「ROG Zephyrus G16」は、45W~115W動作のCPUと、95-150WのGPUを採用しながら、スリムで軽量なのが特徴だ。
静音性とハイパフォーマンスを両立するため、ROG Intelligent Coolingを投入。ベイパーチャンバー、Tri Fanテクノロジー、第2世代Arc Flow Fans、液体金属サーマルコンパウンド、再設計された高効率な通気孔が調和して動作する。
「ROG Zephyrus G16」の2024年モデルでは、RTX4080までで、4090の選択肢はなかった。今回、ベイパーチャンバー搭載で、スリムスタイルながら、最上位RTXを搭載できるようになったわけだ。
ディスプレーは16インチOLEDで2560×1600ドット、リフレッシュレート最高240Hz、応答速度0.2ms、最高輝度500ニトで、コントラスト比は100万対1、100%DCI-P3、G-Sync対応。デルタEの色精度は1未満、VESA HDR True Black 500認証を受けているのでクリエイターも安心して利用できる。
表面はグレアでタッチやペンには非対応でだが、輝度とコントラスト、彩度の高さはさすがASUSのOLEDである。
キーボードは16型ながらテンキーレスで、日本語配列だが、基本がUS配列なので、「\」とBS、「]」とリターンキーは、日本製キーボードより小さい。また、カーソルキーは凸配列ながらスペースバーのならびに押し込まれているので、窮屈なうえ、スペースバーも短くなっている。日本でもオプションでUS配列キーボードモデルを選べるようにして欲しいところだ。
キーピッチは19mm、ギャップは1.7mm、ストロークは1.7mmで、ポーリングレートは240Hz、打鍵寿命2000万回と、ゲーマーには嬉しい耐久性をもちながら、30dB以下と静音性も高い。
特徴的なのは広大なタッチパッドで、キーボードの手前から最下端まで使い、実測で150×100mmある。ここまで広いと、タッチパッドの範囲を意識することなく使うことができる。
インターフェースはThunderbolt4に、USB3.2Gen2のType-C、USB3.2Gen2のType-A×2、SDカードスロット、HDMIにオーディオコンボジャックとフル装備だ。
サイズは354×246×14.9~17.4mmで 重量は1950gである。
ボディはアルミニウム合金をCNCで削り出したモノコックデザイン。表面はアルマイト加工で、日本ではエクリプスグレーのみだが、海外では新色のプラチナホワイトもある。
天板のスラッシュライティングは斜めに並んだLEDだ点滅するもので、Armoury Crateで15種類のアニメーションを選ぶことができる。
サウンド出力は6スピーカー(2W×2、1W×4)で、ウーファーを125%大型化、Dolby Atmos搭載の仮想5.1.2チャンネルサラウンドに、47%音量の向上と100Hzまでの超低音周波数により、クリアで躍動感のあるサウンドを生み出す。
音声入力の方は3Dマイクアレイ搭載で、PC正面からのみ音を取り込むことや、左右のチャンネルを使い、広い範囲の音を拾うことが可能。また、双方向AIノイズキャンセリングはCPU上で動作し、GPUは開放される。
カメラは207万画素赤外線 (IR) カメラ内蔵で、Windows Helloの顔認証が可能となる。
バッテリーは90Wh内蔵で、JEITA3で動画8.9時間、アイドル12.5時間となっている。電源端子はASUS独自仕様の角形で、最高240W入力だ。
AI画像生成もRTXで爆速
200Hのおかげでバッテリー持続時間も優秀
今回の試用機は、「CoreUltra 9 285H」に「GeForce RTX5090」という上位モデルだ。
CPU速度では、CINEBENCH R23でシングル2062、マルチ22599、2024ではシングル123、マルチ1184となった。
「CoreUltra 9 185H」搭載の「Zephyrus G16」2024年モデル比で、マルチの値は112%と106%である。また、上位の「CoreUltra 9 275HX」を搭載したゲーミングの最上位モデル「ROG Strix SCAR 16」と比べると、58%と56%と、大きな差が出た。CPUそのものの速度差に加え、冷却力の差があり、回しっぷりが違うようだ。
GPUについては、TimeSpyが18095、FireStrikeが36280、WildLifeが91650、SteelNomadが4927で、「Zephyrus G16」2024年モデルのRTX4070搭載機比で、146、138、144、182%の速度となっている。
また、レイトレーシング系ではPortRoyalが12949、SpeedWayが5320、SolarBayが83963となった。こちらも前モデル比で171、177、153%に向上している。
DLSSについても3DMarkで計測したところ、2024年モデルのDLSS3 2Xでは108fpsだったものが、2025年モデルのDLSS4 4Xでは279fpsと258%の性能向上が見られた。
「モンスターハンター ワイルズ」では、2560×1600ドット、ウルトラ、フレーム生成ON、レイトレーシング高で平均109FPS、スコアは18561をマークし、快適にプレーすることができる。
AI系のベンチでは、イメージ自動生成でRTX5090使用で2289という高い値が出た。CoreUltra 200H使用のOPEN Vinoでは349という値なので、6倍以上のパワーアップとなる。文章生成でも、CoreUltraでは平均763だったスコアが、RTX5090では2861と3.7倍高速で、RTX5090+ VRAM24GBの1824TOPSの威力は、生成AIやLLMでも強力な性能UPになる。
SSDはリードが6980MB/s、ライトが6078MB/sとPCIe4x4の速度が十分に発揮されていた。
バッテリーベンチは、Armoury Crateで、全体:パフォーマンス、GPU:スタンダードで、ディスプレー100%設定で、WEB巡回で7時間51分動作した。前モデルでは同条件で3時間11分しか持たなかったので、標準設定でこれだけ持つのはCoreUltra 200Hの省エネ性の高さだ。
充電時間は、同条件でWEB巡回しながらで、0から50%までが25分、70%までが39分、90%までが59分、100%まで109分と、非常に高速だった。前モデルまでのACアダプターは200W出力だったが、今モデルからは240Wになったので、その恩恵でもある。
16型OLEDにRTX5090搭載で2キロ切りは
持ち歩ける最上位ノートPCなのだ
前モデル同様、16型OLEDは、一度使うと、14型や液晶になかなか戻れない。ゲームやムービーの迫力はもちろん、WEBブラウザーでも、文書作成でも、写真や動画編集でも、16型OLEDの鮮やかさと2.5Kの高精細感は快感である。
ゲームをしないのならば、RTX50は要らないかもしれないが、エッジでAIを使うことがあるなら、1824TOPSを持ち歩けるのは安心である。1950gと、前モデルより100g重くなったが、GeForce最上位のRTX5090が選択可能になったのはありがたい。最上位モバイルノートPCが欲しければ、「Zephyrus G16」は間違いない選択である。
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