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MSI「MAG B860M MORTAR WIFI」レビュー

マイクロタワーのゲーミングPCを自作するときに、コスト・性能の両天秤で選びたいB860M搭載microATXマザーボード

2025年04月25日 11時30分更新

文● 石川ひさよし 編集●三宅/ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

 MAG B860M MORTAR WIFIはmicroATXなので、PC上級者を中心に拡張性が気になるだろう。MAG B860M MORTAR WIFIの拡張スロットは2本。本数自体は少ないが、ゲーミングマザーボードはATXでも拡張スロット本数が少ない。拡張スロットよりもM.2スロットというのが現在のトレンドだ。なにしろビデオカードを挿すと、3、4スロット分のスペースを塞いでしまうので、そこに拡張スロットがあったとしても実質使えないからだ。

microATXは最大4スロットだが、昨今のビデオカードを使うと2、3番は実質利用不可。ならその部分をM.2に、最下段にもう1スロット用意するのが最適解

 一番上のビデオカード用PCI Express x16スロットはGen5対応、一番下のPCI Express x4スロットはチップセット側に接続されておりGen4対応だ。実際にビデオカードを挿して運用するところをイメージすると、3スロットまでの厚みのビデオカードなら最下段の拡張スロットになにか挿せるという具合。microATXのゲーミングマザーボードでは最適解と言えるだろう。

 また、自作PCをより簡単にしてくれる「EZ DIY」のひとつ、「EZ PCIe Release」も備えている。PCI Express x16スロットの固定ラッチを、メモリスロット横のアクセスしやすい位置からロック/アンロックできる。

巨大ビデオカードを使うならEZ PCIe Releaseもポイント。ビデオカードのロック/リリースがボタンで操作できる

最下段拡張スロット下に8ピンのPCI Express補助電源コネクタを搭載。ビデオカードを含む拡張カードに安定した電力を供給できる

 M.2スロットは3基。1基はCPU直結のGen5対応スロットで、残り2基はチップセット接続のGen4スロットだ。3スロットのうち2スロットはヒートシンク付き。ヒートシンクなしのスロットも1つあるが、本製品を選ぶならまずビデオカードを搭載するだろうし、ビデオカードを装着すれば十中八九隠れてしまう位置なので気にする必要はない。そして最上段Gen5スロットのヒートシンクはEZ M.2 Frozr II仕様で工具なしにヒートシンクを着脱でき、その下にあるSSD固定部分もEZ M.2 CLIP仕様(3番目のスロットも同様)となっているので、ここも工具不要でSSSDを着脱できる。なお、2番目スロットはEZ M.2 CLIP IIという進化型で、SSDをスロットに挿したら、倒し込んで軽くプッシュするだけなのでさらに簡単だ。

M.2スロットはPCI Express x16スロットのうえに1基、下に2基。黒いクリップ型の留め具がEZ M.2 CLIP。銀のポッチがEZ M.2 CLIP II

Serial ATA 3.0ポートは4基。2つは後ろ向き、2つは上向きレイアウト

 メモリは4スロット。ATXと同じであり、Mini-ITXの倍である。最大256GB、クロックもOCメモリのDDR5-9066までサポートされている。XMP 3.0、CUDIMMも利用可能だ。

Mini-ITXと違い、メモリが4スロットあるのが最大搭載量でのメリット

スペックオタクはここをチェック。5GbE&Thunderbolt 4を搭載

 次にバックパネルを見ていこう。バックパネル自体、パネル装着済みの一体型となっているので自作初心者にもやさしい。それに、Flash BIOSボタン、Clear CMOSボタンという2つのボタンも備わっている。頻繁に使うものではなく、前者はBIOS更新のとき、後者は動作に不具合が出たときに使うものだ。とくに後者は本来、PCケースを開けてマザーボード上のジャンパピンをショートさせるという、初心者には手間がかかって分かりづらい作業だが、このボタンがあればPCケースを開ける必要もなく1回押すだけの操作で完結できる。

バックパネルには映像出力に高速USB、高速LAN、オーディオと過不足なし。ユーティリティを高めるボタンも2基搭載

 インターフェースでは、40GbpsのThunderbolt 4を1ポート備え、ほか10GbpsのUSB Type-Cを1基、有線LANは5GbE、無線LANはWi-Fi 7に対応している。USB Type-AもUSB 2.0×4基、USB 10Gbps×3基を備えている。

 ゲーミングのポイントをあげるならまずLAN。有線LANは5GbE。2.5GbEが一般的になってきたところ、本製品はひとつ上の5GbEを採用している。上位チップセットのIntel Z890モデルや、ハイエンドゲーミング向けモデルなら5GbE、10GbE対応も分かる。しかし、Intel B860というメインストリーム向けチップセット、メインストリームゲーマー向けのMAGグレードで5GbE対応してくるのがMAG B860M MORTAR WIFIのポイントだ。

5GbE有線LANチップはIntel「Killer E5000B」

Wi-Fi 7はIntel「Killer BE1750x」

Wi-Fiアンテナも付属。ケーブル根本は通常スクリュー式にねじ込むものだが本製品はEZ ANTENNAという挿すだけ仕様。アンテナ本体は底面にマグネットを内蔵していてスチール机などにしっかり固定できる

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