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背面でレトロ風ゲームが遊べてゲーム尽くしの最新ゲーミングスマホ「ROG Phone 9 Pro」レビュー

2025年04月05日 12時00分更新

カメラは6軸ジンバル搭載で高画質なレンズ
AI活用機能は大幅強化、ついにeSIM対応も

 それ以外の主な機能について確認すると、カメラはROG Phone 8 Proと同様に、5000万画素の広角カメラと1300万画素の超広角カメラ、3200万画素で光学3倍相当のズームが可能な望遠カメラの3眼構成となっている。広角カメラに6軸のジンバルモジュールを搭載し、強力な手ブレ補正が利用できる点も変わらない。

ROG

ROG Phone 9 Proのカメラは広角・超広角・望遠の3眼構成。広角カメラに6軸ジンバルが搭載されている点も、ROG Phone 8 Proと共通している

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広角カメラで撮影した写真

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超広角カメラで撮影した写真

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望遠カメラで撮影した写真。光学3倍ズーム相当での撮影が可能だ

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手ブレに強いだけあって、夜景など暗い場所での撮影は比較的やりやすい

 またフロントカメラも3200万画素と、こちらも性能が大きく変わっているワケではないようだ。ただ、一方で大きく変わったのが、横にした状態で右側にあるAirTriggerをシャッターボタンに設定できるようになったことだ。

 最近、シャッターキーやカメラコントロールに類する機能をつけるスマートフォンが増えていることを意識しての変更といえそうだが、シャッターキーに設定することで横にした状態での撮影が非常にやりやすくなる。

 一方で、物理キーではない(静電容量式)ことから少し触れただけでもシャッターを切ってしまうことがあり、とりわけこの機能をオンにしたまま本体を縦に持った時に誤操作を起こしやすい。快適に利用するなら撮影スタイルに応じて随時設定を変えた方が良さそうだ。

ROG

カメラアプリからAirTriggerをシャッターボタンにするよう設定可能に。横にした状態での撮影は非常に楽になるが、反応が良いだけに誤操作には注意が必要だ

 また、カメラに関する新たな機能として、「AI流し撮り」という機能が追加されている。これはAI技術を活用し、スピードのある被写体を追いかけて撮影することで、背景が流れている疾走感のある写真が撮影できる機能。

 専用のモードが用意されているくらい力が入っている機能だが、実際に車や電車などを撮影してみると、簡単に疾走感のある写真を撮影できた。

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「AI流し撮り」で撮影した写真。移動する被写体を追いかけながらシャッターを切ることで、疾走感のある写真を撮影できる

 AI流し撮りでは、背景の流れ方が異なる写真を3枚同時に作成してくれる。最も強度の高い写真ではかなり疾走感がある一方で、背景のブレが強くかえって不自然になる場合もあるので、適切な強度を選ぶのがいいだろう。

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AI流し撮りの強度は3段階で、こちらは最も強度が強い写真。上の写真と比べると背景のブレがかなり激しいことが分かる

 もう1つ、ROG Phone 9 Proで強化がなされているのがAIを活用した機能であり、「Zenfone 11 Ultra」に搭載されていた「AI通話翻訳」や「AI文字起こし」などが、ROG Phone 9 Proでも利用できるようになった。

 Zenfoneシリーズと違ってゲーミング用途が主ではあるものの、ROG Phoneシリーズも普段使いを意識したデザインとなっているだけに、機能面でも普段使いを意識したAI関連機能も増やすに至ったといえそうだ。

ROG

「AI文字起こし」に対応したボイスレコーダーなど、「Zenfone 11 Ultra」に搭載されていたAI関連機能もいくつか追加がなされている

 バッテリーは5800mAhで65Wの急速充電に対応するほか、従来同様ゲームプレイ時にACアダプターに接続する際には、バッテリーに充電せずにシステムに直接給電する「バイパス充電」の利用も可能。いわゆる「日本仕様」に関しても、IP68の防水・防塵性能に加え、FeliCaを搭載する点はROG Phone 8 Proから継承しており、安心感がある。

 大きな変化となっているのがモバイル通信関連の機能だ。ROG Phone 9 Proは5Gの通信に対応するのはもちろんなのだが、SIMスロットが物理SIM(nanoSIM)×2に加え、新たにeSIMにも対応した。ROG PhoneシリーズでのeSIM対応は初となるだけに、最近広がっているeSIMによるサービスを利用したい人には朗報といえるだろう。

ROG

SIMスロットはnanoSIM×2だが、それに加えてeSIMにも対応したのが大きなポイントとなる

【まとめ】機能・性能は充実も、それをフルに活かせない環境に課題

 まとめるとROG Phone 9 Proは、ROG Phone 8 Proで進化した機能・性能を継承しながらも、ゲーミングで最も重要となる性能面のさらなる強化を図り、ブラッシュアップを進めたモデルといえるだろう。それだけにROG Phone 8 Proと比べ大きく進化したという印象はないが、ゲーミングスマートフォンとしての着実な進化は遂げているし、何よりAniMe Visionの強化で利用の幅が広がったことはメリットに感じる。

 ただ、リアルタイムレイトレーシング対応ゲームが一向に増えず、Snapdragon 8 Eliteの性能をフルに活かせないことや、日本で人気のゲームとX Sense 3.0の対象ゲームにずれがあることなど、環境面が影響してROG Phone 9 Proのポテンシャルを完全に発揮できていない点が非常に気になる。

 最近ではコンパクトなゲーミングPCの登場などにより、ヘビーゲーマーがPCゲームに流れる傾向が強まっているだけに、性能をフルに発揮できる環境整備という面で、この分野の先導役となっているASUSの取り組みが問われるかもしれない。

  ROG Phone 9 ROG Phone 9 Pro
/9 Pro Edition
ディスプレー 6.78型LTPO有機EL(20:9) 185Hz対応
画面解像度 1080×2400
サイズ 77×163.8×8.9mm
重量 227g
CPU Snapdragon 8 Elite 4.3GHz(8コア)
内蔵メモリー 12GB 16/24GB
内蔵ストレージ 256GB 512GB/1TB
外部ストレージ ――
OS Android 15(ROG UI)
対応バンド 5G NR:n1/2/3/5/7/8/12/18/20/25/26
/28/38/40/41/48/66/77/78/79
4G LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/17
/18/19/20/25/26/28/32/66
/34/38/39/40/41/42/43/48
W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19
4バンドGSM
Wi-Fi Wi-Fi 7
カメラ画素数 5000万画素
+1300万画素(超広角)
500万画素(マクロ)
イン:3200万画素
5000万画素
+3200万画素(光学3倍)
+1300万画素(超広角)
イン:3200万画素
バッテリー容量 5800mAh(65W対応)
Qi
FeliCa/NFC ○/○
防水/防塵 ○/○(IP68)
生体認証 ○(画面内指紋+顔)
SIM形状 nanoSIM×2/nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C×2
イヤホン端子
カラバリ ファントムブラック
ストームホワイト
ファントムブラック
価格 15万9800円 18万9800円
/23万9800円
 

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