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背面でレトロ風ゲームが遊べてゲーム尽くしの最新ゲーミングスマホ「ROG Phone 9 Pro」レビュー

2025年04月05日 12時00分更新

性能は一層強化、アシスト機能強化はMOBA関連が主

 では、肝心のゲーミングに関する性能はどうか。ROG Phone 9 Proはチップセットにクアルコム製のハイエンド向けとなる最新の「Snapdragon 8 Elite」を搭載しており、ディスプレーのリフレッシュレートは最大185Hzに向上。RAMは16GB、ストレージは512GBとROG Phone 8 Proから変わっていないが、ゲーミングの性能を最も左右するチップセットの進化はやはり大きい。

 実際に各種ベンチマークを実行してみると、当然のことながらROG Phone 8 Proより高いスコアを記録しており、現行のスマートフォンの中では最高クラスの性能を持つことが分かる。

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「Geekbench 6」のCPUベンチマーク結果

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「3DMark」(Steel Nomad Light)のベンチマーク結果

 もちろんリアルタイムレイトレーシングにも対応しており、ベンチマークを見る限りではそちらの処理性能も向上しているようだ。ただ、パソコン版でレイトレーシングに対応しているゲームをいくつか確認してもレイトレーシング関連の設定項目が現れず、対応するスマートフォンゲームがそもそもあまりないことから実力を確認しづらい点は、依然課題といえるだろう。

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「3DMark」(Solar Bay)のベンチマーク結果

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パソコン版はリアルタイムレイトレーシングに対応している「鳴潮」だが、スマートフォン版のグラフィック設定にはレイトレーシング関連の設定項目が見当たらなかった

 ただ、それでも高い性能を備えていることは間違いない。主要なAAAクラスのゲームでグラフィック設定を最高にしてプレイしても、処理が重くなりそうなシーンであってもフレーム落ちなどが起きずに快適なゲームプレイが可能だった。

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「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「高」と、最近のハイエンドモデルでは最高水準の設定となった

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実際に「原神」をプレイしているところ。グラフィック設定やフレームレートなどを最高にしても十分快適にプレイできる

 しかし、多くの人が最も気にしているのは、発熱によるパフォーマンスの低下ではないだろうか。この点に関してはもちろん、ROG Phone 9 Proも力を入れて対策を進めている。

 実際、ROG Phone 9 Proは新設計のベイパーチャンバーを搭載し、グラファイトシートの容量も57%アップするなど、改良を加えたことで冷却性能をさらに強化。熱源となるチップセットは中央に配置することで、操作に発熱が影響しない仕組みも整えられている。

 そうしたことからAAAクラスのゲームを1時間以上プレイしていても、パフォーマンスが大きく落ちることはなく、端末が熱くなってプレイしづらくなることもなかった。ただASUSとしては、1時間以上の長時間ゲームプレイによる発熱は、別売りの「AeroActive Cooler X Pro」(1万3980円、ASUS estore価格)を装着することを推奨している。こちらもセットで購入したい場合は、最上位の「ROG Phone 9 Pro Edition」を選ぶのがよい。

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「原神」を1時間プレイした状態で温度を測定したところ。チップセットが配置されており最も熱くなる中央部分の温度は45度程度だが、プレイ中に触れづらい場所にあるため熱さはそこまで感じない

 では、ソフト面はどうか。ROG Phone 9 Proは従来のROG Phoneシリーズと同様、ゲーム中に呼び出してさまざまなアシストツールが利用できる「Game Genie」が搭載されているが、今回は新機能の追加というよりも、既存機能の強化が主なアップデートとなる。

 その1つはゲーム内のテキストを取り込み、ウェブサイトなどでの検索などがしやすくなる「AI Grabber」で、新たに取り込んだテキストを翻訳できる機能が追加されている。海外製のゲームアプリには日本語化がなされていない、あるいは不十分なケースも時折あることから、そうしたゲームのテキストを調べる際には便利だろう。

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「AI Grabber」は新たに翻訳機能が搭載され、ゲームから取り込んだテキストをほかの言語に翻訳できるようになった

 そしてもう1つは、AIを活用してゲームプレイをサポートする「X Sense」が3.0に進化したこと。これにより、「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」などでスキルの自動アップデートに対応するなど、主要なMOBAで利用できる機能の強化がなされている。

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「X Sense」は3.0にアップデートされ、「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」などMOBAでのスキル自動アップデートなどに対応している

 ただ日本で、特にスマートフォンゲームではMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)の人気がそこまで高いとはいえない。あくまで筆者が確認した限りだが、日本で人気の主要なゲームでは「原神」「崩壊:スターレイル」以外にX Senseの対応が進んでいるものが見当たらず、機能強化が日本のユーザーにあまり響かない点が気になるところだ。

 ちなみにもう1つ、ゲームに限った機能ではないのだが、新たにアプリごとに音量調節ができる機能も追加されている。これを使えばプレイするゲームごとに音量調節が可能になるので、音量の異なるゲームを適切な音量に調整してプレイしやすくなる点はメリットといえるだろう。

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アプリ毎に音量を調節できるようになったので、個々のゲーム毎に音量を設定しておけるようになったのはメリットだ

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