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4月からICクレジットカードでサインによる決済は不可に 変わるクレカの姿

2025年03月31日 16時15分更新

 家電量販店や飲食店など、クレジットカードでの支払いに対応した店舗に行くと、下の画像のような注意書きを見る機会が増えている。注意書きからもわかるように、2025年4月以降は、ICクレジットカードでの決済において、暗証番号の入力の代わりに、サインで本人認証することは原則廃止となる。

クレカ

スーパーでの少額の買い物のように、サインレス決済が可能なケースでは引き続き暗証番号の入力は不要

不正利用対策で変わるクレジットカードの使い方

 昭和……というほど昔ではないが、平成、もしくは10年ほど前までは、レストランでの食事後に、ウェイターがホルダーに挟んだ伝票を持ってくるので、ホルダーにカードを挟んで渡し、伝票にサインするという風景はよくあった。もっと緩い例では、会社の集まりで居酒屋で飲み食いした後、上司がカードを置いて、「適当に精算しといて」とだけ言って、トイレやタバコに行ってしまうことも。ともに今年4月以降は不可能となる(後者は当時も論外として)。

 2016年改正の割賦販売法では、クレジットカードのアクワイアラ(加盟店管理会社)に加盟店への不正利用防止措置の指導を義務化。店舗側でのICカード対応の100%化、ECサイトでの3Dセキュアやワンタイムパスワードの導入など、不正利用対策を進めてきた。そして、例外的扱いだったICクレジットカードのサインによる認証もついに無くなるというわけだ。

クレカ自体の姿もこの10年ほどの間にどんどん変わっている

 気づけばクレジットカードの外観はどんどん変わっており、エンボス(番号や名前部分の凹凸)から始まり、カード番号に有効期限、署名欄と無くなるものが増え、ATMなどでの利用でギリギリ残っている磁気ストライプも遠くない未来に消滅し、そして、最後はプラスチックのカード自体すら遺物になるのだろうか。

クレカ

スマホでの利用を前提にしたクレカでは、カード番号や有効期限の記載が一切無いというものもある

クレカ

エンボスレスのビューSuicaカードを初めて手にしたときは結構な衝撃だったが、それも過去の話だ

 そのとき「クレジット“カード”」は引き続き「クレジットカード」と呼ばれるのか。そんなことを思いつつ、今後も商取引を支えるインフラとして、さらなる進化に期待したい。

 
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