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メールもLINEもできないし、USBメモリーも使えない(可能性大)

あなたのお子さんが学校で借りてきた端末、何ができるか知ってますか?

2025年03月31日 15時00分更新

自治体によっては物理メディアやクラウドも使えない

二瓶 息子はいま中学生でChromebookを使っています。本当にガチガチですね。僕のアカウントに紐づいた息子用のGoogleアカウントがあるのですが、試しにそれでログインしようとしてもできません。学校から割り当てられているユニークなIDとパスワード以外、受け付けません。

 Googleで検索はある程度可能ですが、検索結果から飛べないWebサイトのほうが多いです。タップするとブロックされるケースが多く……そういえば色んな自治体で制限かけられているWikipediaはなぜか見られます。画像検索も結果のサムネイルは出ますが、サムネイルをタップするとほぼ全部の画像がブロックされます。

 そもそもメールベースで回っていません。提出物などはGoogle Workspaceで作成した後、Google Classroomの掲示板にアップロードする手順が確立しています。そういえば一度、家庭科実習のレポートをアップする際に、スマホで撮った写真を取り込んでレポートを作ろうとしたところ、外部から端末にデータを送る術がなくて苦労しました。

―― つまり、USBメモリーなども使えないようになってると。

二瓶 結局、端末に付いているしょぼいカメラで料理の写真を直接撮るしかありませんでした。端末内のデータを外部に移す手段がないってことです。クラウド管理前提でしょうが、端末が壊れたら……と考えると面倒だなと思いましたね。Google Classroomで同じクラスの子たちとやり取りすることはできますが、外部との接触は一切できません。

保護者は「突然、丸投げされた」と思っている

高橋 こうしたデメリットは、おそらくGIGAスクール構想を早急に進めざるを得なかったことに原因があると思います。

 本来GIGAスクール構想はもっと時間をかけて浸透させる計画でしたが、2020年に新型コロナの感染拡大が起きてしまったため、急遽前倒しになったのです。結果、2021年に調査したデジタル庁のアンケートでも教職員のみなさんから、「我々には知識が足りていない」「研修が十分ではない」といった旨の声が挙がっています。

 これは保護者も同様で、「端末の運用にはこんな注意点があるので注意してくださいね」というプリントだけ渡されて(家庭に)丸投げされたのです。親はてっきり後から説明会があるだろうと思っていたのですが、コロナ禍のため集会を開けず、そのまま2025年の現在に至っているわけです。『えっ、どうするの? なにすればいいの?』と保護者は困惑しています。

 我が家のような特殊なケースはともかく、普通の家庭は困るでしょう。なし崩しにここまで来た感じで、おおむね子どものほうが先に慣れているようです。外部とのやり取りは困難ですが、学校・クラスメイトとのアクセスは良好なので、クラスメイトとTeamsで話し合ってパワポでファイルを作る、といったこともパッパッとこなしているので、スキルアップしていることは間違いありません

 逆に、比較的縛りがない自治体の場合は、「学校の端末は(家庭で設定変更して)使用制限できないのが不安」という親の意見も多いです。あまりにも長時間使用しているので先生と相談して、端末を家に持ち帰らず学校に預けるようにしてもらったという話も聞きました。

二瓶 住んでいる自治体によるでしょうが、子どもにしてみれば夢のない端末ですよね。ただ、うちの場合はすでにMacBook AirとPixel 6aを子どもアカウントおよびOSでのペアレンタルコントロール機能をかけた状態で与えていますので、春休みになりましたが学校からの貸与端末を使っているそぶりは特になく。唯一、課題を提出するときだけ使うマシーンと化しています。

 ちなみにYouTubeも使えず、動画関係は学校がどこかにアップしたものしか見られません。LINEなどアプリ全般導入できませんし、もうガッチガチです。その反面、家庭でセキュリティ対策を考える必要はほぼありませんでした。家庭内のWi-Fiルーターをきちんと管理して、できるだけ最新機種に買い替えておく程度でしょうか。

デジタル庁のアンケート調査より

YouTubeの見過ぎで成績が落ちたが……

―― 高橋さんのご家庭の場合はいかがでしたか?

 自治体によってはWebブラウザの履歴まで把握していますので、私は息子に、「もしかしたら先生があなたの履歴見てるかもよ~」と話して、(使い過ぎないように)牽制していたのですが、ある日息子が「ゲストモードで閲覧すれば履歴が残らない」という豆知識を聞きかじったようで、その日から学校からの貸与端末でYouTubeを見始めてしまいました。うちの自治体はYouTubeを使えたので。

 だからと言って単純にやめさせるのもおかしな話です。YouTube自体は別に悪いものではありませんし、実際に息子は勉強系YouTuberの動画を見ながら、「これは解ける!」などと普通に勉強に使っていたこともあるのです。まあ……くだらない動画も見ていて2chネタにも詳しくなっているのですが(笑)

 ただ、ある時期YouTubeにハマり過ぎてしまい、学校貸与の端末で――家庭内のタブレットなどは私が制限をかけているので――課題をやりながらYouTubeを見続けるような状態になってしまったのです。

―― 保護者としては心配になりますね。

 「課題をやるのに学校の端末が必要だから」と言われると、端末も取り上げづらいですよね。「勉強内容が頭に入らないから(YouTubeは)やめたほうがいいよ」ともアドバイスしたのですが、「見ながらでもできるよ」と聞き入れられず……。そこで、いったんノータッチを決めました。勉強部屋から笑い声が聞こえてきても、たとえノートが同じページで数日間止まっていても無視していたんです。

 そのうち、ある定期テストで成績がスパーンと落ちまして。本人も想定以上の落ち方だったらしくショックを受けていたので、「原因はなんだと思う?」と聞いたら、やはりYouTubeだと。そこで「じゃあ、どうする?」と聞いたら、「テスト期間は端末を預かって欲しい」と。次の定期試験シーズンからは、私の仕事机に端末を置いていくようになりました。

 果たして成績も急上昇しまして、本人も「(YouTubeを見ながらではなく)普通に勉強すればこのくらいできるんだ」と安心したようです。それからというもの、何かをやらなくちゃいけないときは、自分から「端末を預かって」と置いていくようになりました。やはり本人が自発的に「制限しなくては」と思わない限り、それこそ一生変わりません。

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