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カナル型のAH-C840NCWとインナーイヤー型のAH-C500W

音質最優先、DENONオリジナルの完全ワイヤレスが第2世代に進化、ハイエンド機の技術も継承

2025年04月01日 09時00分更新

 デノンは4月1日、完全ワイヤレスイヤホンの新製品を発表した。

 カナル型の「AH-C840NCW」とインイヤー型の「AH-C500W」の2機種がある。機能面ではノイズキャンセリング/外音取り込み機能の有無、装着方法などに違いがあるが、ラインアップとしての上位/下位はなく、自社で独自開発したドライバーなど基本的な部分は共通化し、利用シーンに応じて選べるようにしている。

カナル型のAH-C840NCWとインナーイヤー型のAH-C500W

 価格はともにオープンプライス。店頭での販売価格はそれぞれ1万9000円/1万5000円前後。4月2日から販売を開始する。ホワイトとブラックのカラーバリエーションが選べる。

スペックの違い。機能の違いはANCのみ。上位下位という区別ではないそうだ。

1万円台で「ちょっといいイヤホン」が欲しい人に最適

 デノンは2023年に、個人最適化技術を搭載したハイエンド機の「PerL」を発表してヒット機種になっている。新モデルのAH-C840NCWとAH-C500Wは、個人最適化技術には対応しない機種だが、PerLと同じアプリで5バンドのEQ設定ができる。

 また、アップルのAirPodsやAirPods Proシリーズなどと比較してもリーズナブルな価格帯なので、スマホの音をグレードアップしたいと考えている人に適した製品と言える。音質は同社のサウンドマスター山内慎一氏が監修。Vivid & Spatiousのサウンドフィロソフィーのもと、デノンらしい高音質の実現に取り組んでいる。

 その実現のため、ドライバーに取り入れた技術が、ヘッドホンのロングラン機種であるリアルウッドシリーズ「AH-D9200」も採用しているフリーエッジ構造とバイオセルロース振動板だ。ドライバー口径は12mm。既存の「AH-C830NCW」や「AH-C630W」は自社開発ドライバーではなく、素材も一般的なPU+PEEK素材を使用していたので、大きな改善点と言えそうだ。

左が従来の素材。右が新しいバイオセルロース素材。薄く軽い。さらに周辺部分が柔らかいフリーエッジ素材となっている。

AH-D9200の技術を応用しているだけあって、見た目の雰囲気も似ている。

 もう一つ音質面で工夫したのは厳選したメッシュの採用だ。

 イヤホンには空気抜きなどのために穴が空いているが、この穴を保護するためにメッシュ素材を間に入れている。その素材や透過度は音に影響を与えるが、AH-C840NCW/AH-C500では音に最もいいメッシュを厳選して使用しているという。

空気抜きの穴の例、小さいけどここが重要なポイントなのだ。

ここに穴が空いている。

メッシュの例。AH-C500Wのために選んだものの一部で、採用したものと不採用のものの違いも出している。

こちらはAH-C840NCWで採用したもの。

ノイキャンもいいけど、周囲の音も聞きたい!

 AH-C840NCWが搭載するノイズキャンセル機能は「デノン史上最強のハイブリッドANC」を謳っている。ノイズ低減効果はAH-C830NCWよりもさらに高く、低域と500〜1000Hzの中高域で騒音低減の効きが高まっているという。ただし、この商品のコンセプトはノイズキャンセル性能ではなく、いい音であることが第一条件のため、ノイズキャンセルをかけた結果、再生音に悪影響が出ないカーブを作ることが重要だったとする。ここにはオーディオメーカーとしてのデノンのノウハウが存分に生かされているようだ。

 スティック型の形状ということで、マイクが口に向かいやすく通話性能も上げやすい。装着感についても、AH-C830NCWをベースとしつつ0.5mm単位の修正を加えてブラッシュアップした。本体には医療グレードのイヤーチップを採用し、密閉感が高く、肌にも優しいものになっているそうだ。サイズはLong S、S、M、Lの4種類。Long Sというのは珍しいが、これはイヤーチップの傘の部分はSと同等だが軸を長くすることで、圧迫感なく耳の奥までグッと押し込める形状になっているという。

 ケースも薄型化。実はケースそのもののサイズは変わらないのが、コーナーを丸くして見た目だけでなく携帯性も上げているという。加えて、取り出しやすさを改善。つまみ上げるのではなく、寝かした状態で横に弾いて本体を外せる構造にしている。イヤホンの収納部が深くならないので、ケースの掃除(手入れ)もしやすいのもメリットだ。

石のような素朴なデザインのケース。

従来機種のケースと大きさは変わらないが印象はかなり小さくなった。

 BluetoothコーデックはSBCとAACに対応。音量50%でのバッテリー駆動時間はNCオンで7時間の連続再生(ケース充電併用で24時間)、NCオフで10時間(35時間)となっている。

 AH-C500Wはインナーイヤー型で、ノイズキャンセル機能は持たないが、低音はカナル型寄り、開放感はオープンイヤー型寄りと、トーンバランスと装着感の「いいとこどり」を目指した機種となっている。実際、利便性は高く、外で音量を小さくしたら周囲の音がきけ、音漏れも少なくできる。逆に家でじっくりと音を聞きたいときはカナル型のような没入感が得られる。インナーイヤー型だから低域が弱い……など、先入観を超えた高音質な完全ワイヤレスイヤホンであり、カナル型の圧迫感(閉塞感)が苦手という人、音漏れを気にせず音楽に没頭したい人、オフィスワークでも使いやすい、外音も聞けるイヤホンを探している人、ANCが苦手な人などをターゲットにしているそうだ。

 チューニングについてはAH-C840NCW同様こだわっており、メッシュは3箇所合計36種類のサンプルから最適なものを選んだという。山内氏によると「一聴してよく感じられるよう、音質検討を重ねた」とのこと。その過程では「プレゼンスを強化したいと思って低域を出すとバランスがバラバラになる」など、苦労も多かったようだ。AH-C840NCWより手間をかけて市場投入したモデルという側面も持つ。

 付け心地を高めるため、形状も選び抜き、4.5gの軽量設計とした。インナーイヤー型は内蔵するバッテリーが小さいのでより軽やかに装着できるのがメリットだという。マイクは2マイクでビームフォーミングに対応。連続再生時間は7時間(ケース充電併用で17時間)となっている。

 このほか2機種に共通する特徴として、最大2台のマルチポイント接続への対応、Fast PairとSwift Pairへの対応、カスタムタッチセンサー(左右好きな方のタップとダブルタップに音量調節などの機能を割り振れ、片耳使用時などに便利)の装備などが挙げられる。なお、センサーの長押しはANCの切り替えとなっている。

 BluetoothコーデックはSBC、AACのほか、LE Audioにも対応。またアップデートでAuracastに対応する予定だ。

なるほど、これはいい音かもしれない!

 音を聞いてみると、音圧感に加えて低域の鳴りも異なる。カナル型のAH-C840NCWは実売価格で1万円台とリーズナブルで、この価格でこのサウンドが出るなら競争力が高い製品と言えそうだ。イヤーチップは大きめの方が密閉感が上がるので低域が増す。ロングSも試してみたが、密閉感が変わるので、低域の鳴りが若干大人しくなる。基本的には耳穴にジャストで収まるサイズがいいと思うが、装着方法による音の違い、イヤーチップの音の違いまで含めて楽しんでみるといいかもしれない。

イヤホンの収納方法も少し変更しているそうだ。

手になじみますね。

スライドするだけですぐ取り外せる。

ケースが浅いので掃除もしやすいという。

カナル型、インナーイヤー型という違いはあるものの大きさの印象は変わらない。

通話時に安心感のあるスティック型のデザインだ。

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