中判センサーに28mm画角レンズ搭載で735gを実現
速報+最速実機レビュー!! 史上最強のコンパクトカメラ = 富士フイルム「GFX100RF」発表
2025年03月21日 00時01分更新
富士フィルムは3月20日、チェコのプラハにて発表イベント「X Summit Prague 2025」をおこない、中判ミラーレスカメラ「GFX」シリーズの新製品として、初のレンズ一体型カメラ「GFX100RF」を発表した。
フルサイズ換算28mm画角のレンズを搭載したコンパクトカメラで、大型の1憶画素の中判素子を搭載し、「GFX100SⅡ」と同等の撮影機能ながら735gと小型軽量なのが最大の特徴で、ダイヤルを多用したデザインとなっている。
「GFX100RF」のボディーは天面がアルミ削り出しで、カラーはシルバーとブラックの2色。日本での予想価格は83万500円で4月10日発売予定となっている。
1憶200万画素の中判センサーにレンズ込みで735グラムを実現
アルミ削り出しの角形フードがGOOD
GFXシリーズは、2016年のフォトキナで発表となった中判ミラーレスカメラシリーズで、5000万画素の「GFX50S」から始まり、最新モデルは2024年の1億200万画素の「GFX100SⅡ」まで、高性能化とコンパクト化を進めてきた。
発表となった「GFX100RF」は初のレンズ固定型カメラながら、撮像素子は「GFX100SⅡ」と同じ原色フィルター採用の「GFX 102MP CMOS IIセンサー」で、センサーサイズは43.8×32.9mmと、4対3比率で、35mmフルサイズセンサー(36×24mm)の167%の面積を持つのが大きな特徴で、フルサイズを超える豊かな階調表現と、浅い被写界深度で立体感のある写真が撮影できる。
画像処理エンジンはGシリーズとXシリーズのフラッグシップモデルと同様の「X-Processor 5」を搭載。消費電力を抑えつつ高精度AFと高画質化を実現している。センサーと画像処理エンジンは「GFX100SⅡ」と同じながら、AF性能は向上しているという。
☆レンズ性能
「GFX100RF」が搭載するレンズはフジノン単焦点の「Super EBC GF 35mm F4」で、8群10枚構成で非球面レンズ2枚を含み、画角は35mmフルサイズ換算で28mm相当の広角レンズだ。曲率が大きいレンズに最適化したナノGIコーティングを新規に開発し、レンズ周辺部まで光の反射を抑制している。
レンズ内にシャッターと4段分のNDフィルターを内蔵。光量が多い環境での開放での撮影や、スローシャッターでの撮影時に有効だ。
絞りはF4~F22で1/3EVステップ(9枚羽根)、最短撮影距離はレンズ先端から約20cmで、撮像素子からは約25cm、最短での撮影範囲は約17×23cmとなる。
Gマウントの単焦点レンズには35mmF4はないが、GF30mmF3.5とGF45mmF2.8の間に位置するものとなる。
☆ボディサイズ
「GFX100RF」のボディサイズは横幅が133.5mm、高さが90.4mm、奥行きは76.5mmの最薄部が37.2mmで、重量はバッテリーとメモリーカード込みで約735gだ。
最新の「GFX100SⅡ」は150×104.2×87.2mm、883gなので、「GFX100RF」のほうが幅は13.8mm、高さは13.8mm小さく、レンズ込みなのに奥行きは50mm小さく、148g軽い。
ちなみに、GF30mmF3.5は510g、軽量のGF50mmF3.5でも335gなので、撮影可能状態で、「GFX100RF」は約500g軽いことになる。専用の固定用レンズと、フォーカルプレーンシャッターがレンズシャッターになったこと、ボディ内手振れ補正がないことで軽くなっている。
☆同梱品
付属のレンズフードは角形で、こちらもアルミ削り出しの高級品。レンズ先端のリングを外した後、アダプターリングを装着すると、4分の1回転で角形フードの着脱が可能だ。角形のフードキャップも付属する。
また、Φ49mmのプロテクトフィルター、ショルダーストラップと、お散歩に必要なオプションがすべて付属する。フィルターは直接ではなく、アダプターリングにねじ込みで装着する形だ。
実測したところ、ボディはちょうど735gで、レンズキャップは21g。アダプターリングは23g、フードは46g、フィルターは12gで、最初に付いているリングを外してフィルターとフードを付けた状態では811gとなった。
バッテリーは「NP-W235」で、GFXシリーズと同じで、静止画で約820枚、動画は4K30Pで140分連続撮影可能。「GFX100SⅡ」の530枚、120分より省エネだ。
最新「GFX100SⅡ」と同性能
デジタルテレコンは専用レバーで速攻
「GFX100RF」の撮影性能はほぼ「GFX100SⅡ」と同等だが、ボディ内手振れ補正機構がないのが最大の違いだ。そのため、ピクセルシフトマルチショットもできない。
静止画は最高11648×8736ドットで、JPEGのほかHEIFでは4:2:2 10bit、RAWでは14または16bitで記録が可能。
動画は最高DCI4K(17:9)の4096×2160ドットが30P 4:2:2 10bitで撮影可能で、MOVではApple ProRes 422 HQ、MP4ではAVC/H.264, AACでの記録ができる。
ISO100の常用感度設定で広いダイナミックレンジと低ノイズでの撮影を可能にするほか、13+stop*3の「F-Log2」により階調豊かな映像表現とポストプロダクションでの高い柔軟性を提供します。
ボディ内手振れ補正はないので、動画のみ電子防振とブレ防止モードブーストが指定可能。
☆デジタルテレコン
「GFX100RF」の独自機能は「デジタルテレコンバーター」で、固定レンズながら、切り抜きで望遠効果を出すことができる。シャッターボタンの前面下部にあるレバーでズームアップ・ダウンが可能だ。
OFF=35mm(換算28mm):11648×8736ドット(4:3時)=1憶176万画素
45mm(換算36mm):9056×6792ドット=6151万画素
63mm(換算50mm):6448×4840ドット=3121万画素
80mm(換算63mm):5120×3840ドット=1966万画素
最望遠の80mmでも約2000万画素あるのはさすが、1憶画素センサーの威力である。
☆AF性能
AFは位相差とコントラストのインテリジェントハイブリッドで、シングル、コンティニュアスが可能。
シングルポイントでは13×9 / 25×17のエリア選択、フォーカス枠サイズ可変で、ゾーンAF、トレッキングAFもできる。
AI認識はアルゴリズムの刷新により進化したAF予測機能と顔・瞳AFを搭載。ディープラーニング技術を活用したAI被写体検出AFにより、動物、鳥、クルマ、バイク&自転車、飛行機、電車を認識する。
☆ISO感度・AE機能
撮影機能では、ISO感度は静止画でISO80~12800 (1/3ステップ)で拡張で40と最高102400が可能。動画ではISO100~12800 (1/3ステップ)で、拡張は25600が可能で「GFX100SⅡ」と同じだ。
ISO設定はボディ上面のシャッター速度との共通ダイヤルで、周囲を持ち上げてISO値を指定するという、なつかしい操作方法で、ISO80~8000まで直接指定できる。
AEはTTL256分割測光で、マルチ、スポット、アベレージ、中央重点が可能で、撮影モードはP (プログラムAE)、A (絞り優先AE)、S (シャッタースピード優先AE)、M (マニュアル露出)ができる。
露出補正は静止画で-5.0EV~+5.0EV (1/3EVステップ)、動画で-2.0EV~+2.0EV (1/3EVステップ)が可能で、ボディ上面の専用ダイヤルで直接指定ができる(±3EV)。
☆シャッター・連写性能
シャッター速度はメカニカルで60分~1/4000秒、電子では最高が1/16000秒と、これも「GFX100SⅡ」と同じ。もちろん、ボディ上面の大きなシャッター速度ダイヤルで1/4000秒まで直接指定できる。
フラッシュ同調は「GFX100SⅡ」では1/250秒止まりだが、「GFX100RF」はレンズシャッターなので全速度シンクロ可能だ。アクセサリーシューにクリップオンフラッシュを付けてTTL制御が可能だが、シンクロターミナルはない。
連写機能はメカシャッターで毎秒約6コマ、電子シャッターで毎秒約3コマが可能。6コマではJPEGで296枚連写、3コマでは1000枚以上が連続撮影できる。「GFX100SⅡ」ではメカ7コマ、電子4.1コマなので連写速度は「GFX100RF」のほうが少し遅くなっている。
画面のアスペクト比の変更も専用ダイヤルがあり、4:3、3:2、16:9、65:24、17:6、3:4、1:1、7:6、5:4という並びだ。
ブラケット撮影はAEブラケットが最高9コマで±3段まで、フィルムシミュレーションブラケットが3種、ダイナミックレンジが最高400%、ISO感度が最高±1EV、ホワイトバランスが±3、フォーカスブラケットはオートとマニュアル、多重露出が最大9枚まで、加算や平均、比較で可能だ。
☆EVF・背面ディスプレー
EVFは0.5型有機ELファインダーで576万ドット、視野率100%、アイポイント24mm、視度調整-5~+3m、倍率0.84倍、対角視野は40°と、これも「GFX100SⅡ」と同じスペックだ。
EVFはアイセンサー付きで、前面のレバー(昔のセルフタイマーのような・・)の左倒しで、切り替えられる。
アイセンサー
LCDのみ
EVFのみ
EVFのみ+アイセンサー
アイセンサー+LCD
アイセンサー+LCD撮影画像表示
ちなみに、このレバーは右倒しでは別機能で、EVFやLCDでの表示モードを、ブラック、グレー、白フチを切り替えてくれる。
背面LCDは上下方向のティルトが可能で、3.15型チルト式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニターで3:2の210万ドット。
「GFX100SⅡ」では3.2型だが4:3比率で236万ドットなので、横長に変更となり、レイアウトも変わっている。
タッチはAF、フォーカスエリア選択、ダブルタップ拡大ができる。再生時はスワイプ、ピンチアウト、ピンチイン、ダブルタップ、ドラッグが可能である。
☆フィルムシミュレーション
富士フィルムのカメラではおなじみのフィルムシミュレーションは20種類搭載する。
PROVIA/スタンダード
Velvia/ビビッド
ASTIA/ソフト
クラシッククローム
REALA ACE
PRO Neg.Hi
PRO Neg.Std
クラシックネガ
ノスタルジックネガ
ETERNA/シネマ
ETERNAブリーチバイパス
ACROS、+Yeフィルター、+Rフィルター、+Gフィルター
モノクロ、+Yeフィルター、+Rフィルター、+Gフィルター
セピア
を選べる。
フィルム関連では、グレイン・エフェクト、カラークローム・エフェクト、カラークロームブルーに、スムーススキンエフェクトも強・弱・OFFを選べる。
ダイナミックレンジ設定はAUTO/ 100%/ 200%/ 400%、明瞭度は±5段階で指定できる。
ワイヤレス通信もWi-Fi5とBluetooth4.2と「GFX100SⅡ」と同じ。搭載するコネクターはUSB Type-Cが充電用とデータ送信(10Gbps)、HDMI出力端子はマイクロD、ヘッドホン専用端子があり、マイク入力はリモートレリーズと共用端子となっている。また、ホットシューはあるがシンクロターミナルはない。
記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカードでUHS-I/Ⅱ、ビデオスピードクラスV90対応のほか、SSDでは2TBまで接続可能だ。
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