Sonos Arc Ultra
大画面テレビでチープな音じゃ台無し、サウンドバーを選ぶなら基準となるこの機種を
2025年03月17日 13時00分更新
高さを抑えた筐体ながら、Sound Motionの豊かな低音
Sonos Arc Ultraは、Sonos最上位のサウンドバーです。2020年に国内発売した「Sonos Arc」を上回るパフォーマンスを持ち、内蔵するドライバー数も11基から14基に増えています。それぞれのドライバーは独立したアンプで駆動され、単体で9.1.4chの空間オーディオ再生が可能です。
すでに紹介した通り、テレビとはHDMI ARC/HDMI eARCで接続します。本体にはWi-Fi、Bluetooth機能も備えています。Bluetoothでスマホ音楽を流すというのはもちろんですが、Wi-Fi接続ができるため、AirPlay 2のほか、音声コントロール機能のSonos Voice Control(英語)、Amazon Alexaも利用可能となっています。スマートフォンなどとの連携もしやすい製品です。
音質面での最大の特徴は、「Sound Motion」という独自開発ドライバーです。Sonos Arc Ultraは高さを抑えたデザインですが、この筐体に収まる薄型のボックス形状でありながら、大口径ユニットに匹敵する高い低域再現力を持つのが魅力です。メーカーの発表では、50Hzの重低音で比較した場合、Sonos Arcの倍の音圧が出せるとしています。
Sonos Arc Ultraには「Sonos Sub 4」などのワイヤレスサブウーファーを追加可能ですが、かなり広い部屋低域で満たしたいなど目的がなければ、低域についてはこれ以上追加する必要はないと思えるほどです。
Sonos Arc Ultraは、低域を担当するこのSound Motionを追加したことで、2ウェイシステムだったSonos Arcに対して、高域・中域・低域(Sound Motion)の再生が別れた3ウェイのスピーカーシステムに進化しました。従来一つのユニットでカバーしていた低域と中域が別れることで、よりワイドレンジで分離感のいいサウンドが得られるようになっているという触れ込みです。
広がりある音の再現は蓄積があってのこと
Sound Motionを始めとしたドライバー性能の高さはSonos Arc Ultraの大きな魅力ですが、その音の広がりを実現する技術についても触れておきましょう。
Sonos Arc Ultraでは、フロントスピーカーに相当する正面の3ch(L+R+C)に加えて、壁の方向に音を放射する側面、天井方向を狙って音を出す上方にもスピーカーを装備しています(水平方向に9ch、天井方向に4ch)。
サウンドバーはテレビの下側に置くことが多いため、音が前方の下側中心に聞こえるのが弱点ですが、音場の広さを確保しながら、明確な音の方向感を感じられる優れた空間表現が可能となっています。実際に聞いて見ると、音は斜め上や側面から包み込まれるように迫ってきます。後方は流石に弱いのですが、横から音が迫ってくる感覚が味わえるので没入感はかなり高いです。
これは、Sonosの確固たる音作りが反映された結果でもありますし、各ユニットの前にディフューザーやウェーブガイドを配置し、音の指向性や放射方向を制御(拡散や指向性をコントロール)するといった工夫の賜物です。複雑な形状は厳密なシミュレーションを通じて決めたもので、スペース効率を高めつつ、音のつながりを良くするため、高域と中域のユニットを一体化した部品にするといった工夫が見られます。
これでも、物足りないと思う人は「Era 300」というスピーカーをリアスピーカーにして、リアをリアルサラウンド化することも可能です。合計で20万円を超す予算感にはなりますが、ここまでシステムアップできれば、AVアンプに多数のスピーカーをつないだ音と遜色のない再生音になり、かつワイヤレス接続のシンプルな接続で済むのが利点です。
音の面でもう一つ強調しておきたいのは、セリフやボーカルといった人の声がとても明瞭で聞きやすい点です。センタースピーカーの性能はとても高く、迫力はあるけど聞こえにくいといった映像を見る際のストレスを感じずに済みます。
それでもという場合は「3段階のダイアログエンハンスメント」など、追加設定も可能なので、試してみるといいでしょう。
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