さくらのクラウド使いたい そのエンジニアの声に応えられるか?
2025年03月15日 17時00分更新
外資系プレイヤーに依存しているパブリッククラウドの市場で気を吐くさくらインターネット。自ら国産クラウドを作るという構想が強い引力となり、エンジニアの入社が相次いでいる。AWS古参の荒木靖宏氏や元カヤックの藤原俊一郎氏など、クラウドの酸いも甘いも知り尽くしたメンバーである点も印象的だ。
一方、ITエンジニア界隈では「さくらインターネットは国産だし、優秀な方が多数在籍しているので応援したいけど、「ITエンジニアとして業務で積極的に使いたいか?」というと話が違ってくる」(Togetter)という投稿にさくらインターネットの田中邦裕社長も参戦して話題になった。先日参加したJAWS DAYS 2025の参加者との交流でも、荒木氏の転職話とセットで、「個人的にはさくらインターネットを応援したい」という声を何人からか聞くことができた。同じ気持ちを持つエンジニアは潜在的にはけっこう多いのではないだろうか?
さくらのクラウド導入を阻むハードルは、言うまでもなくAWSやAzure、Google Cloudなど外資系サービスとの差である。米・中のパブリッククラウドは、資金も開発体制も潤沢であり、真っ向勝負は難しい。だが、さくらインターネットの田中邦裕社長もサービス強化をコミットしており、実際に機能強化も着実に行なわれている(関連記事:大手クラウドに着々と近づくさくらのクラウド 「AppRun」含む13個の新機能)。外資系サービスがAIにフォーカスしている今こそ基盤を固め、エンジニアたちの「選択肢」に挙がるようになれば、国産クラウドとして次の道に進める。自前の石狩データセンターとGPUでカリカリにチューニングされた国産クラウドが、多くのエンジニアに受け入れられる姿を私は見てみたい。
文:大谷イビサ
ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。
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