●騒音を外へ漏らさない「サイウォール」
サイレントシステムが目指しているのは、工事現場から出る騒音をトータルで減らすこと。そのため、電動工具や作業そのものの消音化にも力を入れていますが、もうひとつの手段として、騒音を外に漏らさないことにもこだわっています。
この騒音を漏らさないように、防音壁を作るのが「サイウォール」。
これは、吸音材と遮音材が積層構造になっているパネル、騒音を伝えづらい防音扉、隙間を埋めるサイフィットやジョイントテープなどによるものです。これらを組み合わせることで、空気伝播音を約30dB低減できるとのこと。
設置も比較的簡単。まずは、LGS(軽量鉄骨)で下地を組んだ後、パネルを設置。このパネルを金物でLGSへと固定し、隙間をサイフィットで埋め、最後に接続部をジョイントテープで隠せば完成です。
部屋の扉は防音壁で覆うことができないため、ここから騒音が漏れてしまいがち。ですが、その手前に防音壁を作り、そこに防音扉を設置することで、扉からの騒音漏れを大きく減らすことができます。
また、サイウォールが組めるのは平坦な壁に限りません。周囲をサイウォールで囲ってしまえば、簡易防音室ともいえる「サイルーム」を作ることもできます。組み合わせ次第でサイズはどうにでも変えられるため、大きな音がでる加工作業はサイルームで行う、ということもできます。
このサイルームを小さく作れば、特定機器の防音用に利用できる「サイボックス」の完成です。どのくらい効果があるのか、コンプレッサーで実演してもらいました。
工事現場ということを考えれば許されるくらいかなという騒音から、一般家庭でもこの程度の音はあるだろうという印象にまで、騒音が低減したことに驚きました。(もちろん、発熱が大きい機器の場合は、密閉してしまうと蓄熱するため、定期的に換気をしたり、一部隙間をあけたりする必要があります。)
●隣の部屋への騒音漏れが激減!
実際、サイウォールで壁を覆った現場は、どのくらい静かになるのか。それを体験するため、隣の会議室へ移動し、騒音を聞いてみたのですが……。これがびっくりするほど効果的。
消音工具を使うだけで耳障りな騒音が激減し、確かに隣で工事はしていいるけれど、まあ、我慢できるかなといったレベルにまでなりました。さらにサイウォールも使うと、効果が大幅アップ。インパクトドライバーの音は聞こえなくなり、丸ノコの音は確かに聞こえるものの、ほとんど気にならないレベルにまで落ちていました。隣の部屋ではなく、隣の建物で工事やってるのかな、という印象です。
サイレントシステムを体験した人から、家でゴルフの練習をするときに音が響かないよう壁に使いたいとか、ピアノなどの楽器練習用の簡易防音室として使いたい、という話をされることがある、というのも納得です。
なお、サイレントシステムはプロ向けではありますが、サイドライバーといった消音工具などは、個人向けの販売もしているとのこと。気になる人は、チェックしてみてください。
●お気に入りポイント●
・静かなうえに反動もなく、手首が痛くないサイドライバー
・サイウォールを使った簡易防音室が欲しい
●おしらせ
2025年3月24日(月)17:00〜 開催の「いんぴっとONE 第4回セミナー」では、サイレントシステムについての実演を予定しています。解説付きでじっくり体感できる貴重なチャンス!✨ ぜひお見逃しなく!
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髙木社長が会長を務める、一般社団法人リニューアルイノベーション協会は建築改修工事における消音標準化システムの普及活動をしています
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