Silent Master PRO Mini B860をレビュー
本当に電源入ってるの? Core Ultra 9をファンレスで運用できるほぼ無音のゲーミングPC
2025年03月12日 10時00分更新
低消費電力版CPUを独自の電力設定で安定動作
とはいえ、いくらCPUクーラーの冷却性能が高いとはいえ、CPUの発熱量がそれを上回ってしまえば意味がない。そこで、Silent Master PRO Mini B860では、このCPUに低消費電力版を採用。CPUからの発熱量そのものを下げた構成にすることで、安定動作を実現している。
試用機では「Core Ultra 9 285T」を搭載。短時間の電力設定(最大ターボパワー、PL2)は112W、長時間の電力設定(プロセッサーのベースパワー、PL1)は35WのCPUだ。
この設定なら確かに発熱量は抑えられる。しかし、そのぶん性能も落ちてしまう。実際、コア数が同じ通常消費電力版である「Core Ultra 9 285」は、PL2が182W、PL1が65Wと高く、そのぶん性能も相応に高い。
そこで、サイコムはCore Ultra 9 285Tをインテルの標準電力設定よりも高い値に変更している。具体的に言えば、PL2は112Wのままだが、PL1を35Wから60Wに引き上げているのだ。
もちろん、これはファンレスクーラーとエアフローによる冷却能力に自信がないとできない。サイコムは自社できっちり安全に運用できるラインを検証し、この設定にたどりついたわけだ。
ビデオカードはオリジナルの静音モデル
もう1つ、静音性を語るうえで見逃せないポイントが、サイコムが独自に企画したビデオカード「Silent Master Graphics」シリーズの採用だ。長尾製作所製のファンカバー、Noctuaの静音ファンを搭載した、性能と静音性を両立したビデオカードだ。

試用機は「Silent Master Graphics RTX4060Ti 16GB」を搭載。標準構成と同じものだが、原稿執筆時点(2025年3月10日)では在庫切れだった。GeForceの上位ラインは品薄気味なので、ワンランク下の「Silent Master Graphics RTX4060Ti 8GB」(-5380円)にしてもいいかもしれない。こちらでも「モンスターハンターワイルズ」なら推奨環境を満たせる
さすがにこちらはファンレスというわけにはいかないが、静音性にこだわっているだけあって、高負荷時でもかなり静かだ。もちろん、ファンが回転する音は聞こえるものの、耳をすませばわかる程度。ゲーム中でもBGMなどを鳴らしていれば、まず気がつかないレベルだ。
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