Radeon史上最大の出来栄えでは? AMD Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GBレビュー これで12万8800円前後はお買い得!
2025年03月09日 11時00分更新
AMDはRDNA 4アーキテクチャーに基づく「Radeon RX 9070 XT」(以下、RX 9070 XT)を発表し、搭載ビデオカードがさまざまなメーカーから発売され始めた。ASRockの「AMD Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GB」(以下、RX 9070 XT Steel Legend)も、GPUにRX 9070 XTを採用したモデルだ。では、このRX 9070 XT Steel Legendはどのようなビデオカードなのだろうか。そのスペックを紹介するとともに、実際にテストを実行し、その実力を探ってみたい。
白色が特徴的なモデル
Striped Ring Fanを3基搭載したGPUクーラー
RX 9070 XTは、RDNA 4世代のNavi 48コアを採用したGPUで、AMDによると1440pから4Kまでのゲームプレーを想定したモデルだ。そのため、Radeon RX 7900 XTとRadeon RX 7900 GREの間に置かれるモデルとAMDは説明している。また、RX 9070 XTは、PCI Express 5.0をサポートするほか、メモリーには16GBのDDR6が組み合わされる。
ASRockはこのRX 9070 XTを採用したカードをラインナップにTaichiシリーズが1製品、Steel Legendシリーズが2製品の計3モデルを用意している。その中で、真っ白な外観が特徴的な製品がこのRX 9070 XT Steel Legendだ。最近は、白色のケースが流行っており、それにそろえて白いビデオカードの需要が高まっているが、このRX 9070 XT Steel Legendはそれに応えた形だ。
RX 9070 XT Steel Legendの動作クロック設定は、ゲームクロックが2400MHz、ブーストクロックが最大2970MHzとリファレンスと同じだ。リファレンス仕様と言えども、3GHz近い動作クロックが保証されている点はトピックの1つと言えよう。また、メモリークロックは20Gbpsで、こちらもリファレンスどおりの仕様だ。
カード長は298mm(※突起部除く)で、比較対象に用意した「Radeon RX 7900 XTX」を搭載した「AMD Radeon RX 7900 XTX Taichi White 24GB OC」(以下、RX 7900 XTX Taichi OC)が345mmだったので、それより50mm弱短い。ただし、基板自体は200mmほどしか長さはなく、カード後方にGPUクーラーがはみ出す形だ。また、マザーボードに装着した際、22mmほど背が高い形状をしており、全体のサイズ感は大きめだ。
さらに、重量は1155gで、RX 7900 XTX Taichi OCが1900gだったのと比べると、700g以上も軽くなっている。それでも、GPUクーラーには金属製フレームを用いることで剛性を高め、基板が歪むといった故障を防いでくれる点はありがたい。
GPUクーラーは2.9スロット占有タイプで、90mm径相当のファンを3基搭載している。これらのファンは「Striped Ring Fan」と呼ばれるもので、2本の線状の突起物が設けられているのが特徴的だ。また、ブレードの端側は研磨され摩擦が少なくなっており、ASRockによると、これらの工夫により横方向からの吸気が可能となり、エアフローの整流性が改善されるという。
そのほか、「0dBサイレントクーリング」という機能により、GPUに負荷が掛かっていない、いわゆるアイドル時にファンの回転を停止し、静音性を高めている。なお、筆者の主観であることを断ったうえで、RX 9070 XT Steel Legendの動作音について触れると、非常に静かな印象を受けた。テストはケースに組み込まないバラック状態で行なっているのだが、ケースに入れてしまえば動作音が聞こえてこなくなるほどだ。
さらに、「エアデフレクターフィン」というV字型のカッティングを施したフィンには、V字型の通気孔を設け、空気の流れを規則的にすることで、冷却効率を高めている。また、このフィンは、カード前方と後方の2つで構成され、その間を7本のヒートパイプが結ぶ構造だ。なお、これらのヒートパイプはGPUに密接するようになっており、GPUからの熱伝導を高めている。
そのほか、側面の「STEEL LEGEND」のロゴと3基のファンにはLEDを搭載。設定アプリケーションである「ASRock Polychrome SYNC」(Version 1.0.43)を用いることで、色や光り方の制御が可能だ。さらに、補助電源コネクターのすぐそばにディップスイッチが実装され、それを切り替えることでLEDを消灯することもできる。また、同じ場所にはARGB用のピンヘッダも用意され、それをマザーボードに接続することで、マザーボード側の設定ツールからLEDを一括制御することも可能だ。
電源回路には最大50Aの電流を制御可能なDr.MOSを採用。さらに、等価直列抵抗が低い高導電性高分子コンデンサーや飽和電流を最大3倍に増加させる新世代のプレミアムパワーチョークを使用し、電源回路はかなり豪華な仕様を誇っている。
補助電源コネクターは8ピンが2基用意されており、ASRockは本製品を搭載したPCでは定格出力800W以上の電源の使用を推奨している。また、前述したように基板が短いため、補助電源コネクターはカードの中央付近に実装されている。
映像出力はDisplayPort 2.1a×3、HDMI 2.1b×1という構成。最近のビデオカードではよく見かけるタイプだ。
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