第462回
レイトレーシング性能でGeForce RTX 5070を抜き去った!?
RTX 5070の足を止めた「Radeon RX 9070 XT/ 9070」レビュー
2025年03月05日 23時00分更新
CUは前世代より控えめ、VRAMはライバルより多め
RX 9070シリーズの概要については既報の通りだが、特に重要な点を抜粋すると次のようになる。
1. RX 7900 GREとRX 7900 XTの中間に位置付けられる製品
RDNA 4は700ドル以下のGPUでコストパフォーマンス最強を狙うのがコンセプトである。ハイエンドをあえて捨てることで、設計のハードルやコストを下げている。競合製品はライバルのRTX 4070〜RTX 4070 SUPERであり、RadeonでいえばRX 7900 GREとRX 7900 XTの中間をカバーする
2. CUは減らしても処理効率は引き上げ
RX 9070シリーズのCU(Compute Unit)はRX 7900 XTやRX 7900 GREよりも数が減らされている。グラフィック描画タスクにおいてRadeonではCU数がモノを言うが、RDNA 4ではメモリー圧縮技術の改善やレジスターの動的割り当てなどを組み込むことで、処理効率を改善、少ないCU数でも大きなパフォーマンスを得られるとしている。
3. レイトレーシングとAI性能を大幅強化
レイトレーシングとAIは常にGeForceに後れをとっていた部分であり、強化が期待されていた部分である。RDNA 4ではRay AcceleratorとAI Acceleratorを大幅に強化することで弱点を克服しようとしている。また、ラスタライズ性能も前世代より向上している
4. PCI Express Gen 5に対応
ライバルであるRTX 50シリーズがGen 5世代に突入しているのでRadeonが対応してきても不思議はない。ただGen 4環境で運用しても性能にほとんど影響しない(後述)
5. FSR 4(FidelityFX Super Resolution 4)は新Radeon専用機能として実装
FSR 1〜3はRadeonのみならず旧世代のGeForceやArcなどでも利用できる汎用的なアップスケーラーやフレーム生成技術を含んでいるが、FSR 4は新しいAI Acceleratorを必要とするため、現状RX 9070シリーズ以外のGPUでは利用できない
Total Board Power(ここではAMD公式スペックによるカードの消費電力を指す)は304と220Wであり、特にRX 9070のTotal Board PowerはRX 9070の下に位置付けられるRX 7900 GREの260Wより少ない。新しいビデオカードは欲しいが電源ユニットまで買い換える予算はないというユーザーにとって非常に扱いやすいスペックとなっている。
今回テスト用にお借りしたRX 9070 TaichiはASRockの独自設計により12V-2x6コネクター仕様となっているが、これは冷却や電力供給安定性の理想を突き詰めた結果としての選択であって、AMDがこれを推奨しているわけではない、という点はおさえておきたい。
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