週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

レイトレーシング性能でGeForce RTX 5070を抜き去った!?

RTX 5070の足を止めた「Radeon RX 9070 XT/ 9070」レビュー

2025年03月05日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●北村/ASCII

 2025年3月5日23時、AMDはRDNA 4世代のRadeon第一弾である「Radeon RX 9070」「同RX 9070 XT」(以降RX 9070/ RX 9070 XTと略)の2モデルの販売を解禁した。ただ実際の店舗で流通が始まるのは3月7日午前11時という情報もあるため、詳細や販売形態については店舗の告知を参照してもらいたい。RX 9070シリーズの概要は先日YouTubeで開催されたAMDによるRX 9070シリーズ発表イベントで明らかになったばかりだが、今回はパフォーマンスレビューが解禁となった。

 筆者の元に具体的な国内販売価格は届いていないが、北米予想価格はRX 9070が549ドル、RX 9070 XTが599ドルよりと発表されている。奇しくも本稿が掲載されると同時に販売が解禁される「GeForce RTX 5070(以降RTX 5070と略)」が北米で549ドルより、国内におけるメーカー希望小売価格は10万8800円と設定されていることから、価格帯はかなり近いものと予想される。

 流通ルートが根本から違うのでNVIDIA基準の価格設定が適用されるわけではないが、RX 9070はRTX 5070に近い価格帯かやや下に、RX 9070 XTはRTX 5070 Tiに近い価格帯かやや下に設定されるのではないか、と筆者は予想している。

 今回筆者は幸運にもASRock製のファクトリーOCモデル「AMD Radeon RX 9070 Steel Legend 16GB OC」および「AMD Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」の2モデルをお借りし、テストする機会に恵まれた。ただ時間の都合上本稿ではRX 9070シリーズの概要と新要素の解説、3DMarkと消費電力の検証のみにとどめ、リアルな性能は後編でまとめるという点はご容赦いただきたい。

RX 9070 XTを搭載した「AMD Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC(型番:RX9070XT TC 16GO)」。100mm口径のファン3基を備えるだけあってカード全長は330mm、高さは140mmと大型だ

RX 9070 XT Taichiの裏面。基板は全長の3分の2あたりで終わっており、カード後ろ側のファンの風が表側に吹き抜けるFlow Throughデザインとなっている。補助電源コネクターの位置が低く、ケーブルの曲げに対し配慮されているのも良い。カード前方に性能(P)と静音(Q)モードを切り替えるスイッチもあるが、今回はすべてPモードで検証している

RX 9070 XT Taichiの補助電源コネクターはGeForceと同じ12V-2x6を採用。これはAMDの仕様ではなくASRockの独自設計。コネクターを1つにまとめることで冷却効率が上がる(フィンの容積を増やせる)。加えてこのカードは強めにOCする関係で電力のスパイクが非常に大きく、Total Power Excursionを利用できるよう12V-2x6コネクターの採用に踏み切った(ASRock談)

RX 9070 XT Taichiに同梱される16ピン変換ケーブル。これでも動作するが、3系統のどれかの電力供給にバラ付きがでると動作が不安定になる可能性がある。こうした理由よりASRockはPCIE5.1電源と組み合わせることを推奨している

カードの厚みは3スロットジャスト。映像出力の構成はスタンダードなものだ

RX 9070を搭載した「AMD Radeon RX 9070 Steel Legend 16GB OC(型番:RX9070 SL 16GO)」。先のRX 9070 XT Taichiより1割ほど小さく、全長299mmに収まっている

RX 9070 Steel Legendの裏面。後ろ側のファンが吹き抜けになっているのは共通である

RX 9070 Steel Legendの補助電源コネクターはスタンダードな8ピン×2構成。TaichiのようにカリカリのファクトリーOC志向でもないので汎用性を重視したという感じだろうか

厚みは公称2.9スロットだが、もう3スロットと言った方が潔いのでは……? 映像出力端子の構成はごく一般的なものだ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事
S