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徒手空拳で挑むのは無謀だが、DLSS MFGとSmooth Motionで下克上

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

2025年03月07日 11時00分更新

「Dead Space (2023)」

 Dead Space(2023)では画質を最高設定(RTAO含む)とし、DLSSとFSR 2は「クオリティー」に設定。Smooth MotionやAFMF 2も有効化。シナリオ序盤に訪れる無重力ハンガーエリアを移動する際のフレームレートを計測した。

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

Dead Space (2023):1920x1080ドット時のフレームレート

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

Dead Space (2023):2560x1440ドット時のフレームレート

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

Dead Space (2023):3840x2160ドット時のフレームレート

 今回用意したGPUの中では、RX 7900 XTのパフォーマンスが良好である。さすがに素の性能ではRTX 4090に負けてしまうものの、AFMF 2を利用することでフレームレートの出方を1ランク以上引き上げている。

 RTX 5070はSmooth MotionがなければRTX 4070 Tiのやや下〜同程度(解像度による)だ。しかし、Smooth Motionを併用することで平均フレームレートが劇的に伸びる。ただし、RTX 4090を超えることができた解像度はフルHDだけで、WQHD以上では負けている。

 WQHDでRTX 4090の8%落ち、4Kで16%落ちとかなりの差がついた。とはいえ、Smooth Motionがオフだともっと差が開くことを考えれば、そのありがたみがわかるというものだ。

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

Dead Space (2023):ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値(左3つ。単位:W)、および10Wあたりのフレームレート(右3つ。単位:fps)

 Smooth Motionをオンにした時のワットパフォーマンスは、RTX 5070よりもRTX 5070 Tiのほうが伸びている。RTX 5070だとSMの数やメモリーバス幅といった制約で、Smooth Motionによる性能向上の限界が早く到来してしまったことを示唆している。

「Kingdom Come: Deliverance II」

 最後はKingdom Come: Deliverance IIで検証しよう。画質は「実験的」設定とし、DLSSとFSR 3は「クオリティー」に設定。Smooth MotionやAFMF 2も該当するGPU上で有効化している。マップ内の一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

Kingdom Come: Deliverance II:1920x1080ドット時のフレームレート

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

Kingdom Come: Deliverance II:2560x1440ドット時のフレームレート

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

Kingdom Come: Deliverance II:3840x2160ドット時のフレームレート

 Smooth MotionはDLSS MFGほどRTX 4090を突き放すことはできないようだ。上のグラフではRTX 5070の平均フレームレートは良く伸びているが、最低フレームレートはメモリーバス幅も帯域も太いRTX 4090に負けてしまう。とはいえ、Smooth MotionがなければRTX 5070はRTX 4070 Tiに毛が生えた程度の評価で終わってしまったところだろう。

GeForce RTX 5070、ゲームでRTX 4090を超越する

Kingdom Come: Deliverance II:ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値(左3つ。単位:W)、および10Wあたりのフレームレート(右3つ。単位:fps)

 Smooth Motionオフのワットパフォーマンスに比べ、オンにした時のワットパフォーマンスは倍近くに跳ね上がっている。

まとめ:“うまい話には裏がある”というオチ

 RTX 5070とRTX 4090の間には、とてつもないスペックのギャップが広がっている。いかに最新アーキテクチャーであろうとこの溝を埋めることはできない。RTX 5070をRTX 4090と互角以上にするには、DLSS MFGもしくはSmooth Motionという仕掛けが必要だ。

 これを「ズルい」と見るか「技術の勝利」とするかは受け取る人次第だ。NVIDIAの言っていることは嘘ではなかったとわかったが、同時に「まあそんな話だよね」と諦観に似た感情を抱いた人もいるだろう。

 NVIDIAのCES 2025における発表の仕方はプレゼンとしては大成功だが、言ってしまった以上はこうして検証されてしまう。そして、そのカラクリ(今回の場合、DLSS MFG)が見えた段階で購入する情熱が引いてしまう人もいるのだ。そこが大変惜しい。

 いくつかのゲームでは12GBのVRAMという仕様がネガティブな結果を生んだものの、ゲーム用のGPUとしてRTX 5070は決して悪くはない(費用対効果的にどうか、はまた別の話)。設定を欲張りすぎなければ4Kでもいけるし、Smooth MotionというRTX 40シリーズにはない機能もある。

 RTX 3080あたりからの乗り換えでもかなり魅力的な選択肢と言える。RTX 40シリーズの場合は、RTX 4070(以下)なら確実に乗り換えメリットを感じられるだろう。もちろん、前編で紹介したようなゲーミング以外の付加価値もある。

 ただし、残念なことに、本稿が掲出される頃にはライバルである「Radeon RX 9070シリーズ」がレビューされている頃である。彼らはRTX 5070の守備範囲に16GBのVRAMを持ち込んできた。固く締まった財布のヒモをゆるめるのは、DLSS MFGか16GBのVRAMか? 興味はつきない。

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