クアルコム、最新5Gモデム「X85 5G Modem-RF」発表 ライバル登場も圧倒的性能で強味をアピール
2025年03月05日 14時30分更新
クアルコムは、MWC Barcelona 2025に合わせて、最新5Gモデム「Qualcomm X85 5G Modem-RF」を発表した。これは、第8世代の5Gモデム-アンテナソリューションかつ、AI技術を融合した第4世代のAI搭載5Gコネクティビティプラットフォームとなっている。
下り最大12.5Gbps 圧倒的に快適な5Gを可能にするとアピール
X85の最大の特徴は5G Advancedアーキテクチャにある。これにより、各ハードウェアメーカーは、スマートフォン、モバイルブロードバンドデバイス、固定無線アクセス (FWA) デバイス、産業用IoT、自動車、XR (Extended Reality)、5Gプライベートネットワーク、そして衛星通信といった、多岐にわたる分野で次世代の5G Advancedデバイスを開発することが可能になる。
ネットワークの速度は、下り最大12.5Gbps。これにより、高精細な動画ストリーミング、大容量ファイルのダウンロード、そして応答性の高いハイブリッドAI体験といった、データ量の多いアプリケーションでも快適な利用が可能になる。また、上りの通信速度も最大3.7Gbpsとなっている。
帯域幅では、サブ6GHz帯において400MHzという広帯域幅をサポートする。これにより、既存のスペクトルをより効率的に利用し、通信速度を向上させることが可能となる。
さらにX85は、10000以上のキャリアアグリゲーション構成に対応し、世界中の多様な5Gバンドをサポート。これにより、通信事業者は、それぞれの地域や環境に最適なネットワーク構成を柔軟に構築できる。
Qualcomm AI-Powered Data Traffic Engineの搭載もX85のポイント。このエンジンは、AIを活用してデータパターンを識別し、動的に優先順位づけをすることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
たとえばモバイルゲームでは遅延を低減し、より快適なゲームプレイを実現。また、OTT (Over-The-Top) 通話においては、音声と動画の品質を向上させ、よりクリアな通話体験を提供可能とのこと。
B2B市場向けに新たなブランド「Dragonwing」を発表
さらに、クアルコムは産業およびエンタープライズ市場に向けた新たなブランド「Qualcomm Dragonwing」を発表。これは、従来のSnapdragonブランドとは異なる、産業用IoT、ネットワーク、セルラーインフラストラクチャソリューションを包括するブランドで、クアルコムの事業領域の拡大と、産業界への貢献を狙いとする。
Dragonwingブランドは3つの要素を核として、産業界のニーズに応えるソリューションを提供する。
1つめは「最先端のAI」。エッジからクラウドまで、さまざまな環境でAI推論を高速かつ効率的に実行するためのソリューション。2つめは「高性能かつ低消費電力のコンピューティング」で、産業用デバイスに求められる高い処理能力と省電力性を両立するソリューション。
そして3つめが「比類なきコネクティビティ」で5G、Wi-Fi、Ethernetなど、多様な通信規格に対応し、産業用デバイス間のシームレスな接続を実現するソリューションとなっている。
Dragonwingブランドは、エネルギー、ユーティリティ、小売、サプライチェーン、製造、通信といった、幅広い産業分野での応用を想定し、これらの産業において、よりスマートな意思決定、より高い運用効率、そしてより迅速な市場投入を可能にし、企業の競争力強化に貢献するとしている。
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