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Granite Rapid-DことXeon 6 SoCを12製品発表、HCCとXCCの2種類が存在する インテル CPUロードマップ

2025年03月03日 12時00分更新

Granite Rapid-DにはHCCとXCCの2種類が存在する

 さてこのあたりから、発表と実際の製品の間に微妙なミスマッチがある。今回発表されているのは最大42コアだが、実際には今後もっとコア数の多い製品も予定しているらしい。そうなるとコンピュートタイル(下の画像では今度は"Compute Chiplet"に名前が変わっている。統一してほしいと強く思う)が1つだけではカバーしきれない。

上表と見比べてほしいのだが、High Core Countの製品はDDR5が8chになるとしている。ところが現在発表されているのは4chのものだけである

 一方で最小は12コアだから、こちらはコンピュートタイルが一つで十分足りる。そこで、以下の2バージョンの構成を用意したとしている。

HCC コンピュートタイル×1+IOタイル
XCC コンピュートタイル×2+IOタイル

 この場合、間は上の画像のようにEMIBでつなぐかたちだ。で、どうも2月に発表されたものはHCCの構成だけであり、XCC製品は今後投入されることになるようだ。

 もう少し詳細な構成が下の画像である。今回発表の製品はすべてHCCに属しており、これとは別に8ch DDR5を利用可能で最大72コアのXCC SKUも一応用意はあるらしい(本当に出荷するかどうかはまだ不明だが)。

前世代製品と比べると、いろいろな意味で別物に仕上がっているのがわかる

 その前世代製品と性能を比較したのが下の画像である。例えばResNet-50では性能8倍、性能/消費電力比5倍となっており、他の性能もやはり3倍や5倍など、結構な性能向上が見られるとしている。

もっともこれ比較対象がXeon D 2899NTで、比較対象の性能が低すぎる感は否めない

 ちなみにHCCとXCCの実際のパッケージ写真が下の画像だ。HCCとXCCではそもそもパッケージが異なる、という話は連載787回で説明したが、見事に違っているのがわかる。

HCCはけっこう大きなダミータイルがある。ダミーだからコストは安いだろうが……

 そもそも表に示されているように、今回発表のGranite Rapids-DはFCBGA4368なのに対し、通常のGranite RapidsはFCLGA4710が利用されている。つまり6.5mmの幅の差が342ピン分のコンタクトの差であり、この342ピンがDDR5 4ch分の信号ピン(+多少は電源や制御信号もありそうだが)になる。

 一応このHCCとXCCではフットプリントに互換性があるという話なのだが、もう1つ注意すべきは"FCLGA4368"ではなく"FCBGA4368"なことだ。つまりソケットに搭載するのではなく、直接基板にリフローではんだ付けすることが前提になっているわけだ(通信機器向けでは珍しい話ではない)。

 ただ、そうなると将来登場するかもしれないXCCもやはりBGAでの提供なのか、それともXCCはそのパターンの上にソケットを搭載し、そこに搭載する形になるのか、現状ではわからない。

 さて上の画像でコンピュートタイルの大きさは、パッケージの対比からおよそ18.5×31.2mmと推察される。このコンピュートタイルはおそらく昨年9月に発表されたPコアXeonのものをそのまま利用しているのだろう。

昨年のPコアXeon 6発売時に公開されたウェハー写真。こちらからだと18.4×30.9mmという計算で、若干違うがこれは誤差の範囲だろう

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