爆速なのにバッテリーは8時間超えです!!
世界最速のCopilot+PCは「Ryzen Al Max」搭載でモンハンも動く=ASUS「ROG Flow Z13 」実機レビュー
2025年02月26日 10時00分更新
ASUSは、「AMD Ryzen Al Max+ 395」を採用した13型2in1ゲーミングタブレットのCopilot+PC「ROG Flow Z13 (2025) GZ302」を2月26日に発表し販売を開始した。価格は37万9800円~だ。
本製品が採用した「AMD Ryzen Al Max+ 395」は、CPUにZen 5アーキテクチャー、GPUにRDNA 3.5アーキテクチャー、NPUにXDNA 2アーキテクチャーが採用されたハイパフォーマンスモバイルプロセッサーだ。
NPU単体で最大50TOPS、プロセッサー全体で最大126TOPSのAI性能を備えつつ、消費電力は55Wに抑えられ、長時間駆動も可能とされている。
2 in 1スタイルのCopilot+ PCの決定版とも言うべき「ROG Flow Z13」の実機を、ASUSより借用し試用できたので、スペック、使い勝手、独自アプリ、そして最も気になるパフォーマンスについてじっくりレビューしていこう。
最新CPU「AMD Ryzen Al Max+ 395/Max 390」に
180Hz液晶という豪華すぎるスペック
「モンスターハンターワイルズ」対応
まずは基本スペックを解説しよう。「ROG Flow Z13」はOSに「Windows 11 Home」、プロセッサーに「AMD Ryzen Al Max+ 395/Max 390」を採用。メモリーは32または64GB(LPDDR5X)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続M.2 2230 SSD)を搭載している。
「GZ302EA-AI912C」はMax 390に32GBで37万9800円、「GZ302EA-AI916C」はMax+ 395に32GBで44万9800円、最上位の「GZ302EA-AI916C64G」はMax+ 395に64GBで46万9800円だ。
16Cは2月28日発売予定の「モンスターハンターワイルズ」を快適プレイすることが可能、Epic Games社のゲーム開発環境「Unreal Engine 5」のハイエンドゲーム用動作確認済みモデルである。
ディスプレーは13.4型WQXGA IPS液晶で2560×1600ドット、16:10、コントラスト1500:1、180Hz、3ms、100%DCI-P3、Dolby Vision HDR、PANTONE認証、光沢、タッチ&ペン対応。ディスプレー上部には5MP IRカメラ、背面には13MPカメラを搭載している。
インターフェースは、USB 4(40Gbps、DisplayPort、Power Delivery)×2、USB 3.2 Gen2 Type-A(10Gbps)、HDMI 2.1 FRL、microSDメモリーカード(UHS-II)、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。
本体サイズは300×204×12.9~14.9mm、重量は1200g。バッテリーは70Whのリチウムイオンを内蔵しており、バッテリー駆動時間はJEITA3で10.6時間/16.8時間と謳われている。
「ROG Flow Z13」は最新CPU、128GBメモリー、180Hz液晶と豪華すぎるスペックだ。ストレージは1TBだが、M.2 2230スロットが用意されているので、将来的には換装してもいいだろう。

右側面(上)にはコンボジャック、USB 3.2 Gen2 Type-A、コマンドセンターボタン、ボリュームボタン、電源ボタン、左側面(下)にはUSB 4×2、HDMI 2.1 FRL、電源端子、microSDカードを用意。コマンドセンターボタンを押すとアプリなどを起動できる
Qualcom、Intel、AMDによって
利用できるCopilot+アプリは異なる
「ROG Flow Z13」は前述のとおり、最大50TOPSのNPUを内蔵したプロセッサーが採用されており、Copilot+ PCに準拠、生成AIアシスタント「Copilot」などをはじめとするAIアプリを利用可能だ。
ただし、現時点ではARM系プロセッサーを搭載するCopilot+ PCほどはマイクロソフト製AIアプリが充実していない。たとえば、「Microsoftペイント」で利用できるのは「コクリエイター」ではなく、「Image Creator」だ。スケッチとの忠実さを調整する「創造性レベル」機能は用意されていない。Copilot+ PCはプロセッサーによって利用できるマイクロソフト製AIアプリが異なってしまっている。足並みを揃えることを強く望みたい。
ASUSだけのAIアプリが「ROG's OMNI AI virtual assistant」だ。キャラクターをダブルクリックすることでチャットできるほか、CPU、メモリー、ストレージ、ネットワークなどのシステム情報を表示する機能も備えている。積極的に独自のAIアプリをプリインストールしているのは、ASUS AI PCの大きなアドバンテージだ。
ASUSは2in1PCを多く手がけているだけに、作りは非常にこなれている。ノートブック、ビューワー、タブレットスタイルで利用でき、キックスタンドの角度も無段階で調整可能だ。
今回は使用できなかったが、MPP 2.0(Microsoft Pen Protocol 2.0)に対応しており、「ASUS Pen 2.0 SA203H」などのスタイラスペンを利用できる。
「ASUS Pen 2.0 SA203H」には、2H、H、HB、Bと異なる硬さのペン先が用意されているので、好みの書き味を選べる。また、4096段階の筆圧感知レベル、5~350gの筆圧感知の荷重範囲、266Hzのサンプリングレートに対応。本格的なイラストを描くのにも利用できる。
キーボードはJIS配列の日本語仕様でキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.5mm。タッチパッドも実測128×72mmと広いスペースが確保されている。
キーボードカバーはかなり剛性が高く、中心部分を強く打鍵しても、ほんのわずかにたわむだけだ。一部キーが密着している点は慣れが必要だが、快適に長文が入力できるキーボードである。
カメラは前面に5MP IRカメラ、背面には13MPカメラを配置。前面カメラでは2560×1440ドット、背面カメラでは3840×2160ドットで記録できる。特に13MPの背面カメラではスマホ級の写真、動画撮影が可能だ。
AMD Ryzen Al Max+ 395の威力が爆発
最高速度のCopilot+PCだ
本製品最大の売りは「AMD Ryzen Al Max+ 395」を搭載していること。16コア、32スレッド、5.1GHz、55W動作ということもあり、高いパフォーマンスを期待せずにはいられない。
というわけで今回は、「Ryzen AI 9 HX 370」搭載「GPD DUO」、「Core Ultra 7 258V」搭載Copilot+PC「ASUS ExpertBook P5」、「Snapdragon X Elite X1E-78-100」搭載Copilot+PC「ASUS Zenbook SORA」と、直近の各プロセッサーで最も高いパフォーマンスを発揮したノートPCと比較してみた。
まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は30005pts、CPU(Single Core)は2020pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は1616pts、CPU(Single Core)は115ptsとなった。
「ROG Flow Z13」は「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)において「GPD DUO」比で150%、「ExpertBook P5」で253%、「Zenbook SORA」で147%の速度である。
「ROG Flow Z13」は2位のマシンと比較しても大差を付けており、コア数、スレッド数、ベースパワーに勝る「AMD Ryzen Al Max+ 395」が、高いCPU性能を備えていることを確認できた。

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は30005pts、CPU(Single Core)は2020pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は1616pts、CPU(Single Core)は115pts
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のPort Royalは3897、Time Spyは10232、Fire Strikeは23410、Wild Lifeは57884となった。
こちらも4機種中最も高いスコアだ。3Dゲームベンチマークでも、「ファイナルファンタジーXIV」、「FINAL FANTASY XV」のどちらも「とても快適」と判定された。多くの3Dゲーム、そしてGPU支援を受けられるクリエイティブ系アプリを快適に動作させられるはずだ。

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは18568(非常に快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは11477(とても快適)
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「KBG60ZNS1T02 KIOXIA」を搭載しており、「CrystalDiskMark 8」のシーケンシャルリード(SEQM1 Q8T1)は6127MB/s、シーケンシャルライト(SEQM1 Q8T1)は5403MB/sとなった。ストレージベンチマークだけはトップとならなかったが、リード、ライトともにバランスよく高い性能を発揮している。

ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「KBG60ZNS1T02 KIOXIA」を搭載、「CrystalDiskMark 8」のシーケンシャルリード(SEQM1 Q8T1)は6127MB/s、シーケンシャルライト(SEQM1 Q8T1)は5403MB/s
NPUの性能を計測する「Procyon」のAI Computer Vision Benchmarkは1847となった。あくまでもベンチマークの結果ではあるが、「ExpertBook P5」比で197%相当、「Zenbook SORA」比で109%相当と、現時点で最高クラスのNPU性能を発揮したことになる。
電源モードをバランス、ディスプレー輝度を40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Test」を実行した際のバッテリー駆動時間は8時間44分動作した。他プロセッサーを大きく上回るCPU、GPU、NPU性能を実現しつつ、モバイル特化型ノートPCに迫るスタミナ性能を備えている。
最高峰の2in1 PCを求めるユーザーにとって
最有力候補のCopilot+PCだ
「ROG Flow Z13」は、最新の「AMD Ryzen Al Max+ 395」プロセッサーを搭載し、2in1スタイルのCopilot+ PCとして、最高峰のパフォーマンスを実現している。
また、高解像度、広色域、ハイリフレッシュレートのディスプレーや、64GBメモリー、1TBストレージを搭載しており、クリエイティブ系アプリ、3Dゲームも快適に動作できる豪華なスペックだ。
さらに、独自AIアシスタント「ROG’s OMNI AI virtual assistant」がプリインストールされている点も、ソフト開発力の高いASUSならではの特徴だ。「ROG Flow Z13」は、最高峰の2in1PCを求めるユーザーにとって最有力候補と言えるだろう。
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