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1.4型センサーだけでなく投入されている技術がスゴイ

これはコンデジになったEOSだ=「PowerShot V1」発表

2025年02月21日 08時00分更新



 キヤノンは2月20日に、大型センサーを搭載した「PowerShot」の最上位モデル「PowerShot V1」を発表した。

 APS-Cに近い、大サイズの1.4型センサーを搭載しながら、レンズは広角端16mm(フルサイズ換算)を実現しているのが最大の特徴、予想価格は14万8500円で、4月下旬発売予定だ。

超広角16mm作例

センサーサイズだけではなく
これは「レンズ固定型EOS」なのだ
 

 新開発の1.4型CMOSセンサーは、サイズとしては約18.5×12.3mmで、静止画では2230万画素、動画では1870万画素だ。1型は13.2×8.8mm、4/3型は17.2×13mm、APS-Cは22.3×14.9mmなので、面積では1型の約200%、4/3型とはほぼ同じで、APS-Cの約70%である(4/3型のみ4:3比率のため)。

 現行のコンパクトカメラとしては、ソニーの「CyberShot RX1R」や、ライカの「ライカQ3」がフルサイズセンサーを搭載。「ライカD-LUX8」が4/3型、キヤノンの「PowerShot V10」、ソニーの「RX100V」や「VLOGCAM ZV1」が1型だ。

 同じドット数なら、センサー全体のサイズが大きいほど、1ドットの実面積が大きくなり、光を得る能力が上がり、暗さに強い、高感度なカメラとなる。

 また、センサーサイズが大きいほど、同じ画角を得るためのレンズの焦点距離が長くなり、そのぶん「ボケ」が美しくなる。

 「PowerShot V1」の搭載センサーは、EOSと同じ「デュアルピクセルCMOS AF」を採用しているので、「位相差AF」が可能で、通常のコンパクトカメラの「コントラストAF」より高速化が可能となる。さらに、被写体検出やトラッキング性能もUPする。

 実際、「PowerShot V1」では動画で最高ISO1万2800、拡張2万5600、静止画では常用最高ISO3万2000で、拡張では5万1200まで可能となっている。

ISO3200-30Sec

 連写性能もEOS並みで、最高で毎秒30コマまでが可能。シャッター速度もメカで2000分の1、電子で1万6000分の1秒までが可能である。

 面白い機能として、「1.4倍クロップ」というモードがあり、1.4型のうち、ちょうど1型の面積を使って撮影ができ、レンズの焦点距離が23-71mm(フルサイズ換算)となる。 画素数は5760×3840より少なくなるが、4032×2688なら十分で、望遠端50mmでは足りないときには便利である。

 手ブレ補正もEOS並みに光学式を搭載し、中央で5.0段の補正ができる。動画時には電子式手ブレ補正も可能だ。

 アクセサリーシューもまさにEOSと同じ「マルチアクセサリーシュー」を搭載し、外部マイクや、スピードライトを利用できる。スマホとの接続は、Wi-Fi、Bluetoothに加え、ケーブル直結が可能なのもありがたい。

上のフタにはマイクとヘッドホンが別々に搭載、下はこのとおりType-CとHDMIだ

 Vlog用の「V」ラインなので、EVFを内蔵しないのは非常に残念。冷却用のファンを内蔵するので、動画を長時間撮影できるのは安心だが、そのぶん、ボディの厚みがある。

 とはいえ、大型センサーに超広角ズームというのは、静止画派のおじさんにも魅力的カメラだ。

 実際、ショーの取材や旅行時など、軽量でありたいときにはコンパクトカメラを持ち歩いているが、どうしても引きが足りないことが多い。スマホの超広角で撮って、後で整理するのが大変になる。

 その点、このカメラの広角端は16mmなので、スマホを取り出す必要はない。お散歩用の高画質カメラとして、取材や旅行での万能カメラとして、ぜひ使ってみたい逸品なのである。

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