RTX 5080との性能差は価格に見合うものなのか?
GeForce RTX 5070 Ti性能検証、RTX 4080と互角以上の立ち回り
2025年02月19日 23時00分更新
動画編集系でもRTX 5070 Tiは強い
続いてはUL Procyonの 「Video Editing Benchmark」で動画エンコード系のパフォーマンスを見てみよう。このテストでは「Premiere Pro」を実際に動かし、4種類の動画のエンコード速度をスコアー化するものである。エンコードデバイスはGPUを明示的に指定している。
この検証ではまだ4:2:2 10bitカラーフォーマットを扱っていないにもかかわらず、RTX 5070 TiはRTX 4080に対し、H.264のテストでは3〜4秒、H.265では7〜8秒もエンコード時間を短縮することに成功している。
RTX 5080とRTX 5070 Tiの差はほぼない反面、SM数の多いRTX 4080よりも上ということは、SM数やCUDAコアといった要素というよりも、RTX 50シリーズで採用されたGDDR7によるメモリー帯域増などが効いているものと考えられる。
続いては「DaVinci Resolve Studio」。RTX 5090レビューから引き続き、4:2:2 10bitカラーフォーマットに対応したテスト用ビルドで検証した。4:2:2 10bitの4K動画を次々に再生するプロジェクト(尺は32秒)を用意し、それをビットレート80MbpsのH.265で出力する。
RTX 4080〜RTX 3070 Tiの3GPUに関しては、4:2:2 10bitカラーフォーマットをネイティブサポートしないため、サードパーティー製のエンコーダー「Voukoder Pro」を組み込んだ状態でも比較した。また、同じプロジェクトに対し、80MbpsのAV1でエンコードするテスト(エンコーダーはNVIDIA)も追加。
ちなみに、RX 7900 GREはエンコーダー設定がGeForce勢と大きく変化するため、検証から除外している。
Voukoder Proを使えば、RTX 3070 Tiでも4:2:2 10bitカラーフォーマットの動画をエンコードできるが、基本的にCPUで処理するため、処理時間は非常に遅い。RTX 5070 TiならNVEncを2基、NVDecを1基搭載しているので、CPUに負荷をかけず高速に処理が終了する。
AV1に関してはRTX 4080やRTX 4070 Ti SUPERでもハードウェアエンコードが可能だが、同じ素材・設定を使っていても明らかにRTX 5070 TiやRTX 5080のほうが高速だった。ゲーマーではなくとも、動画編集をよく行う人であれば、RTX 5070 Tiは非常に魅力のあるGPUとなるだろう。
後編はゲーム14本で検証
以上でRTX 5070 Tiレビュー前編は終了である。RTX 50シリーズの真のパワーは、DLSS MFGを使用した際の爆発力だが、次回はSmooth Motionについても少しだけ工数を割いて検証していく。DLSS FGが使えないゲームにおいては、AMDのAFMF 2のパワーで一方的に蹂躙されるだけだったGeForceは、Smooth Motionでどのように変わるのだろうか? 後編をおたのしみに。
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