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H2プロセッサー搭載で機能も音質も大幅に強化、Beats最上位の完全ワイヤレス「Powerbeats Pro 2」発表

2025年02月12日 00時00分更新

専用開発のドライバーを活用して高音質化、ベントの付け方にも工夫

 イヤーフックには形状を記憶し、フィット感が高いニッケルチタン合金を採用。サイズはPowerbeats Proに比べて50%以下になり、部品点数が増えているにも関わらず、イヤーバッズ部の重さは約20%軽くなっているという。

 ハウジングの「b」ロゴ付近にはマルチファンクションコントロールを装備。着脱検知機能も装備している。IPX4の耐汗耐水仕様で、フィットネス利用を鑑みて汗などにも配慮。難しい耐汗性能の実現だがアップルの高い基準を適用して開発したという。

 音質面では、9.5mm口径のドライバーをカスタムで開発。デュアルレイヤー型の振動板の採用で強度を上げ、正確なピストンモーションが可能になった。中央部は硬い一方で周辺部分は柔軟性があり、低域の再現に必要なフレキシブルな動作が可能。正確で音圧感があり、歪みが少なく、クリアな音色を特徴としている。

 アコースティック面で工夫したのが、内部の空気圧を調節するベント機構だ。

 ダイナミック型ドライバーのスムーズな動作には欠かせない空気抜きの穴だが、従来はリアとフロントに2つのベントを備えていた。新機種ではフロントは無くして内部にベントチャンネルを作っている。これが圧力変化の均質化につながるほか、ユーザーの耳に圧力がかかりすぎたり、液体を侵入によって不具合が起こったりすることを防ぐ効果があるという。また、リアのベント孔とボイスマイクのポートには透明な音響メッシュを備え、液体やゴミの侵入を防いでいる。

 ヘッドルームを確保して、最適な周波数特性を得られるよう高出力のアンプも装備している。周波数カーブなどの調整は長年取り組んできたアコースティックエンジニアがチューニング。ワークアウト時のユーザーは、パワフルな音を好む傾向があるため、使用シーンにあった形で全体のバランスを調整しているそうだ。聞いてみると、全体に音がはっきりとしていて、芯があって力強い低域のビート感が印象的だった。「革新的なBeats Sound」という自信を持つのもうなずける。

強力なH2チップを採用することでフラッグシップ機らしい多機能を提供

 H2プロセッサーを搭載することで、Personal Spatial Audio、ヘッドモーションセンサー、Dolby Atmosなど、AirPods Pro 2などと同様の高機能な再生が可能となっている。Apple Visionの超低遅延ロスレス再生やiCloudペアリング、装着性テストといった付加機能の利用も可能だ。

 Powerbeatsシリーズで初採用したANCも非常に効きがよい。デジタルMEMSマイクを活用し、フィードバック・フィードフォワードのデュアルのノイズキャンセリング機能を提供する。これに環境音の変化や個人差にも配慮した処理も加わる。

 外音取り込みの音も自然。ノイズフロアが低く、音調も自然なので着けているのを忘れるような感覚が得られる。ノイズキャンセルと外音取り込みの切り替えはbボタンを長押しするだけなので、ランニング中などでも便利だ。これ以外にもAdaptive EQで耳の形や密閉感にあったチューニングができたり、Computational Audioに対応したりとフラッグシップ機らしい高機能な再生が可能となっている。

 通話性能も優れている。デジタルMEMSマイクやビームフォーミング技術に加えて、音声加速度センサーという技術を活用し、声を出した際にイヤホンに伝わる振動によって話者の声と環境ノイズを区別できる。騒音については8000時間のデータを使った機械学習でチューニング。マイクは両耳につけると6つのマイクのうち5つが機能。片耳利用時でも3つが機能する。ここまではAndroidも一緒だが、iPhoneと組み合わせた場合は、Computational Audioの技術によって10倍の精度の処理が可能になり、iPhoneのニューラルネットワークエンジンを使って、音声ターゲティングとノイズ抑制の機能を向上できるとしている。

Powerbeats Pro 2

従来機種との比較、ケースのサイズがかなり小さくなった

Powerbeats Pro 2

イヤホンのサイズもかなり小型化している

Powerbeats Pro 2

非常に小さな心拍センサー

 H2プロセッサーを搭載するメリットとしては省電力化もある。本体だけでも10時間の再生が可能。連続再生時間はこれまでケース充電込みで最大24時間だったが、ケースサイズが33%軽減しているにも関わらずほぼ倍の45時間になった。これはANCと外音取り込み機能をオフにした状態の数値で、オンにして使うと若干消費電力が上がる。それでも連続8時間再生(ケース充電込みで36時間)の利用が可能だ。USB Type-C対応でフル充電までは2時間。5分で1.5時間再生の急速充電機能やQiのワイヤレス充電にも対応している。

 なお、AndroidスマホでもBeatsアプリで、ワイヤレスコントロールや心拍数、イヤーチップのテストなどが可能だが、アップルデバイス同士であれば、同じApple IDで利用しているデバイス間で1台のイヤホンを共用し、再生しているデバイスの音に自動で切り替えて聞いたり、友達と同じ音楽を聴きながらランニングできるオーディオシェアリングをしたりできる。ほかにもハンズフリーのSiri、イヤーチップの装着テストなど、より便利な機能を活用可能だ。

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